カニクレーン(クローラークレーン)について
カニクレーンとは、4本のアウトリガーを装備して、本体にはクレーンとゴムクローラーを装備しています。
アウトリガーは本体に折りたたむことができ、ゴムクローラーで走行しますので、クレーントラックが入れない狭い場所や、整地されていない地面、段差がある通路や斜面などでの作業も可能です。4本のアウトリガーを独立して操作することができますので、斜面や凹凸のある場所などの安定しない場所でも本体を固定することができます。ラジコンで操作できるカニクレーンも多くありますので、1人での作業や吊荷付近で荷物を見ながら作業を行うことができます。また、モーターリミットパネルが付いているものもあり、角度や圧力、作業半径などを設定することができます。
カニクレーン(クローラークレーン)の特徴
カニクレーンはクローラークレーンの一種でありますが、一般的なクローラークレーンが備えているクローラーと原動機に加え、4本の独立型アウトリガーを装備した独自の機能を有する移動式クレーンです。カニクレーンはクレーンや高所作業車などを専門に扱う建機メーカーの前田製作所の登録商標であり、幅広い業界で高いシェアを誇っています。同社は前田建設工業の子会社であり、カニクレーンを代表とする特殊な自家製品の開発販売に力を入れています。また、コマツ系列の代理店と合弁設立した成り立ちがあり、現在もコマツ製品の販売を手掛ける総合販売店です。2017年2月には、カニクレーンの進化版として開発されたナックルブームクレーンの発売を開始し、クレーン業界で話題を呼んでいます。
カニクレーン(クローラークレーン)の使用用途
スリムなボディを持つカニクレーンは、クローラー走行によって狭い場所や軟弱地盤でのクレーン作業にも対応できます。また、自動格納装置によって走行・運搬時の手間が省け、リモコン操作により安全に作業が行えます。作業時は4本のアウトリガーを使用してマルチポジションで車体を支えることができるため、傾斜のある場所や凹凸のある場所など不特定多数の場所に設置し、場所を選ばずクレーン作業できるというメリットがあります。さらに用途を広げたいという場合は、従来のカニクレーンに屈折式クレーンを追加した新型カニクレーン「ナックルブームクレーン」を使用することで、メインブームから水平に伸縮できるブームによって建物サイドから屋内へのクレーン作業等にも対応できるようになります。