日本三大酷道&全国酷道ランキング★ 悪路に強いトラックとは?
公開 : 2017/03/29更新 : 2017/12/25
みなさん、こんにちは! トラック王国の展示場スタッフ、全国 展子(ぜんこく てんこ)と申します!
日本の『酷道』大特集!「国道じゃなくて酷道なの?」「険道と何が違うの?」という疑問や、酷道での走行術や酷道向きのトラックを探しているドライバーさんまで! 日本三大酷道や、四国や関東など各地の場所や特徴、さらに悪路にも強いトラックをご紹介☆
目次
酷道(こくどう)とは?[険道との違い]
みなさんは、酷道(こくどう)とはどういうものかを知っていますか?
音の響きだけ聞くと、国道と間違えそうなのですが、酷い道(ひどいみち)と書くあたり、なんとなくイメージが付くでしょうか?
酷道とはいわゆる俗語で、一般国道だけど普通乗用車での通行が難しい道のこと。
酷い状態の国道のことを、音をひっかけて呼んでいるんですね。この酷道は、国道が通っていなかった自治体からの申請によって、国道に昇格した道路が多く含まれます。
国が管理している道路ではあるのですが、もともと山間部などで交通量が少ないため、整備が後回しになっている道路が多く、落石や路肩崩壊が起こっている道路もあるんです!これが酷道の成り立ちなんです。
ちなみに酷道の他にも、険道(けんどう)と呼ばれる道があります。 意味は酷道と同じですが、該当する道路が国道であれば酷道(こくどう)、県道であれば険道(けんどう)です☆
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ダジャレってやつトラ〜?
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トラック姫、これは大人の言葉遊びでございます。
それ以外にも、酷道と険道では下記のような違いがあります。
■酷道と険道の違い
- 走行が難しいほど舗装されていない国道のことは『酷道』、同様の県道が『険道』と呼びわけられます。
- 1.全体の距離が違う!
- 県道は、大体1県内に収まる、長くても数十キロメートルの道のこと。
- 国道は、何県もまたがっている場合が多く、1県内でも東西南北広域に繋がっている! 距離は数十~数百キロメートルと、長い場合が多い。
- 2.道の幅が違う!
- 酷道も険道も、どちらも道が酷く走行難易度が高い点は変わらないけど、険道の方がより狭い傾向。車が1台通れるかどうか…、そんな道が険道に多い。
道によって多少は違いますが、酷道は〝とにかく険しい道が長ーく続く国道〟であり、険道は〝車1台ギリギリ通れる程度の狭さが続く県道〟…といったところでしょうか。
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次に、今回フォーカスする酷道の特徴をさらに掘り下げてまとめました!
■酷道とは? 特徴まとめ☆
- ・交通量が少ないため、整備が後回しになっている
- ・大型トラックの通行や、車両同士のすれ違いが難しい! (というか、現実的に限りなく不可能でしょ…という区間がある)
- ・ガードレールのない断崖など、本当にデンジャラスな区間がある。
- ・舗装されていないオフロードや、けもの道レベルの区間があるのは当たり前!
- ・遊歩道や階段が含まれている、自動車では通行できない区間がある場合も!
- ・1時間の雨量が、20ミリ以上になると全面通行止めになる区間まで…!
- ・土砂崩れや道路決壊などがあるのに、復旧されていないままの道も多い。
- ・積雪地域なのに除雪作業の対象外にされ、冬は閉鎖される区間がある。
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うーん…★ 酷道を突破するときは、大和魂が必要トラね?
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高度な運転技術が必要な道に挑むドライバーさんはステキですが、安全を最優先してくださいネ?
日本三大酷道[国道439号・425号・418号]
日本国内には、多くの酷道が存在しますが、なかでも三大酷道と呼ばれる有名な酷道があります。
■日本三大酷道
- ・国道439号
- 徳島県徳島市から高知県四万十市に至る一般国道
- ・国道425号
- 三重県尾鷲市から和歌山県御坊市に至る一般国道
- ・国道418号
- 福井県大野市から長野県飯田市に至る一般国道
酷道マニアの間では、ホントに有名なこの三大酷道!
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冗談抜きで本当に酷い道とだと恐れられていますが、特に男性は挑戦してみたい気持ちになるのでしょうか…?
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「困難こそ乗り越えたくなる」という男心があるんじゃよ…!
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トラック王…!
それでは、安全第一の走行を大前提として、日本三大酷道の各特徴を1つずつご紹介いたします…!
日本三大酷道1:国道439号の酷道っぷり
国道439号線は、通称〝ヨサク〟と呼ばれていて、徳島県徳島市が起点、高知県四万十市が終点になっている国道です。
総距離が348.3キロメートルあり、四国の国道では第2位を誇る長大路線なんです!
テレビや雑誌などで紹介されたことがあるほど有名な国道なのですが、その道幅はたったの2.5メートル程度。つまり、乗用車1台分しかないんです。
京柱峠など、整備がされていない状態の峠を越えなくてはいけない国道439号。
コケや落ち葉が道を覆っている道なんてザラ、脆くて崩れやすい崖も出現します。さらには、土砂崩れで通行止めになっている場所も突然現れたり、日本三大酷道の名前に恥じない酷道っぷりを披露していると有名なんですよ。
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439号でヨサクとは覚えやすいのう。
日本三大酷道2:国道425号の酷道っぷり
続いての酷道は、国道425号線、通称シニゴーです。
三重県尾鷲市を起点とし、和歌山県御坊市が終点になる国道。
紀伊半島の中でも最凶の呼び声が高いんだとか…。
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最凶って何トラ!? 怖いトラー…。
山の中をこじ開けたようなジグザグの道路。 牛廻越をはじめほぼ全線(194.3キロメートル)が難所になっています。
道幅はかなり細く、ガードレールも設置されていません。
何といっても落石や路肩崩落などの災害が多く、和歌山県御坊市から和歌山県田辺市にかけては、整備がほとんど進んでいないのだとか…。
ですが、近くに温泉があるので車通りは多く、そういった観光客の方が転落事故に遭われた例もあるようです…。
もし、注意を促す転落・危険の看板を見かけたら、安全意識をより一層高めてください。
運転に慣れた敏腕ドライバーさんこそ、その自信が命取りになるケースもあるのです!
日本三大酷道3:国道418号の酷道っぷり
日本三大酷道の最後を飾るのは、国道418号線です。
福井県大野市を起点に、長野県飯田市を終点にした国道。
国道157号線と重複した区間の温見峠から、尾並坂峠、平谷峠、売木峠などの様々な峠を越えていきます。
ヨサクやシニゴーと言った通称はないものの、 キング・オブ・酷道という別名で危険視されています。
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ワシはキング・オブ・トラックじゃ!
酷道マニアの方なら一度は訪れてみたいと言われている、酷道界の巨匠なんです…。
とっても怖そうな国道418号線ですが、恵那、八百津間に通行止めの区間があり、事実上の廃道になっています。
通行止め区間の前後にある道路も極細で、通るのが非常に困難なため、酷道向けのトラックでもオススメはできないほどです。
ただし安全な細道なら、コチラの中古小型トラックがオススメ
そのほかの酷道ランキングTOP10★[1位はどこ?]
日本三大酷道をご紹介しましたが、国内には、他にもまだまだ酷道があります。
全ての酷道をご紹介すると大変な数になってしまうので、ランキング形式で10の酷道をご紹介いたします。
※道路状態や口コミ・体験談によるインターネット調査をもとに、走行の困難度で順位を算出しております。
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うちの近所の国道も酷道ランクに入っているかもしれないトラー
それでは!10位からご紹介していきます。
酷道ランキング第10位:国道152号線
まずは第10位、国道152号線です。
- ■国道152号線
- ・起点:長野県上田市
- ・通過点:長野県茅野市
- ・終点:静岡県浜松市
長野県の大鹿村と飯田市の間にある地蔵峠と、静岡県と長野県の境にある青崩峠は行き止まりとなっていて、その2つの分断区間を林道で連絡しているんです!
道幅は車1台分ほどで、冬には閉鎖されてしまうほどの酷道です。
酷道ランキング第9位:国道166号線
続いて9位は、国道166号線です!
なんとこの酷道、住宅街の中を抜けていく都市型酷道になっています!
- ■国道166号線
- ・起点:大阪府羽曳野市
- ・終点:三重県松坂市
バイパスである南阪奈道路が、自動車専用道路になっているため、旧道が国道指定のまま残っているんですね。
酷道ランキング第8位:国道352号線
続いて第8位は国道352号線です。
- ■国道352号線
- ・起点:新潟県柏崎市
- ・終点:栃木県河内群三川町
新潟、福島県境を除く部分は、他の国道との重複区間となっている場所が多いです。
新潟県長岡市内には未開通区間が残っていますし、豪雪地帯を通っているので、冬は通行止めになっている酷道っぷりです。
洗い越しと呼ばれる、道路と川が平面交差している部分や、断崖絶壁に沿った細い道路がたくさんあるんですよ。
酷道ランキング第7位:299号線
さぁ、どんどんまいりましょう!
第7位は国道299号線です。
- ■国道299号線
- ・起点:長野県茅野市
- ・通過点:群馬県多野郡上野村、埼玉県秩父市
- ・終点:埼玉県入間市
実は、長野県茅野市から麦草峠を越えるルートはメルヘン街道と呼ばれていて、観光道路となっているんです。
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メルヘン街道なんて、姫にぴったりトラー♪
でも忘れてはいけません、これが酷道ランキングだということを…!
長野県と埼玉県の境には、武州街道と呼ばれる十石峠があります。
ここの道路幅はとっても狭くて、自動車1台通るのがやっとなぐらい…。
観光道路と酷道が同時に存在する299号線、侮れないですね。
酷道ランキング第6位:471号線
酷道ランキング第6位は、国道471号線です!
- ■国道471号線
- ・起点:石川県羽咋市
- ・終点:岐阜県高山市
国道471号線の区間は豪雪地帯で、12月から5月にかけては閉鎖されています。
その上、奥飛騨の山岳地帯を通過する、富山県富山市から岐阜県飛騨市の一部区間は、災害の被害を受けやすく1年の大半は通行止めになっています…。
開かずの踏切ならぬ、開かずの国道と呼ばれているんですよ!
酷道ランキング第5位:339号線
やっと半分まで来ました!
続いて第5位は国道339号線。
- ■国道339号線
- ・起点:青森県弘前市
- ・終点:青森県東津軽外ヶ浜町
ここはどんな酷道かというと、なんとなんと!階段の国道があるんです!
階段国道と呼ばれているこの酷道は、日本で唯一、階段が国道に指定されている道路なんです。
本当に階段なので、この部分を自動車で通るのは無理。
迂回して路地を走り、北上するしかありません。
ちなみにこの階段は362段あり、ここを登ると竜飛灯台に続く階段街道があります。
酷道ランキング第4位:国道265号線
第4位は国道265号線!
ひむか神話街道という観光道路もあって、実はそちらも有名なんですよ★
- ■国道265号線
- ・起点:宮崎県小林市
- ・終点:熊本県阿蘇市
距離は200.8キロメートルと長く、接続道路のほとんどが狭隘路線(きょうあいろせん)といわれる狭い道なので、一度、酷い区間に入ってしまうと抜け出しにくいのです。
道が細くてカーブが多い、さらにガードレールのない区間が多い点が、九州最凶酷道と呼ばれる理由なんでしょうね。
ちなみにこの国道265号線、阿蘇山周辺の箱石峠付近は絶景ポイントになっていたりします。
酷道ランキング第3位:国道291号線
いよいよTOP3の発表です!
まずは第3位!国道291号線です。
- ■国道291号線
- ・起点:群馬県前橋市
- ・終点:新潟県柏崎市
国道として成立したのは明治時代で、古い歴史を持っています。
しかし、土砂崩れや雪崩といった自然災害が相次いで起こり、路盤の決壊や橋の流失、トンネルの崩壊の為に車両通行が不可能になってしまいました。
法令上では一部区間は現役の国道なのですが、立ち入るのが困難なほど荒れていて事実上の廃道状態になっています。
酷道ランキング第2位:国道324号線
続いて第2位は国道324号線です!
- ■国道324号線
- ・起点:長崎県長崎市
- ・終点:熊本県宇城市
この国道324号線は、実は今までご紹介してきた酷道とは一味違います。
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廃道になっている? カーブが多くて危険トラ?
いえいえ、そういったものではなく、浜町アーケードという商店街を通過する国道なんです!
商店街はステキで、道路も舗装されているのですが、午前5時から午前10時までの1日5時間しか自動車・原付が通行できないのです。 (それ以外の時間は、歩行者専用)
時間を気にしなければいけない意味で、酷道と呼ばれている道なのですね。
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ちなみに日本にあるアーケードの国道は、この国道324号線と大阪府を通る国道170号線の2つだけなんですよ。
酷道ランキング第1位:国道157号線
さぁ、いよいよ酷道ランキング第1位の発表です!
第1位に輝いたのは、国道157号線です!
- ■国道157号線
- ・起点:石川県金沢市
- ・通過点:福井県宇城市
- ・終点:岐阜県岐阜市
国道157号線で有名なのが「落ちたら死ぬ!!」と書かれた看板。
ストレートでインパクトがあって、初めて知った時は私も驚きました!
本州屈指の酷道として知られている国道157号線は、急勾配と急カーブが連続していて、ガードレールやカーブミラーも設置されていない未整備状態!!!
さらにさらに!川を渡る国道と言われるほど洗い越しも多く、まさに酷道ランキング1位に相応しい酷道です。
酷道をトラックで通るとき★[運転注意点&悪路にも強いトラック]
酷道の中には、階段国道やアーケード国道といった街中の道や観光名所になっているところもありますが、ほとんどは狭くて走行しにくい道路です。
一般道路の感覚で走ると非常に危険な道も多いので、運転時は普段以上に注意する必要があります。
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そこで、トラックで酷道を通る時の注意点を簡単に説明します!
■酷道を通る際の注意点
- ・雨が降ったあと、数日間は通行しない
- 整備が行き届いていない酷道だと、雨が降った後は土砂崩れが起きる危険性があります。巻き込まれたら大変なので、雨が降った後は、酷道に入るのはやめた方が賢明でしょう!
- ・酷道内で休憩する時にエンジンを止めない
- エンジンを止めて、もしも再発進できなかったら途方に暮れることになります。場所にもよりますが、酷道は通行者が少ないので、助けを求めることも難しいのです。
トラックで酷道を通る場合は、次のような車両がオススメです!
■酷道にも耐えやすいトラックとは?
- ・低床よりも高床がオススメ!
- 高さがあるぶん、未舗装の道でも石ころなどによる傷がつきにくく、ダメージを受けにくい! 発展途上国の山奥でも重宝されるほど、高床トラックは酷道に強いと言えます★
- ・2WDより4WDがオススメ!
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- 馬力があって通行しやすい! 険しい坂道や雪道でもハイパワーで進むことができる、悪路への強さは酷道で存分に発揮されるはずですよ!!
- ・ワイドより標準ボディがオススメ!
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- 狭い道でも通ることが出来る! 道幅で断念しなくてはいけない酷道が多いので、スリムで小回りも利く標準ボディかショートボディがオススメです★

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酷道マニア・ファン[活動内容]
全国の色んな酷道をご紹介してきましたが、酷道が大好きな酷道ファン・マニアと呼ばれている方たちは少なくありません!
趣味として酷道を通行したり、酷道の写真や動画を撮影してネットで配信したり、ブログなどでレポートを書いて発信したり…。
溢れ出る酷道への愛を表現している人たちがたくさんいるんです!
検索をするとほんとうに色々と出てくるのですが、展子的にはやっぱり動画がすごい!と驚きました。
(動画サイトで〝酷道〟と検索すると出てきます☆)
道なき道をゆく…ではないですが、相当の運転技術を持っていないと通れない道がたくさん出てきます。
中には、通っているすぐ横の道が崩落しているケースもあって、「こんなところを通るの!?」とヒヤヒヤしっぱなし!!
レポートに関しても事細やかにルートや道路の特徴が書いてあって、通ってない国道はないんじゃないかと思うほど。
そんな酷道ファン・マニアの方たちの為に、全国の酷道を集めたDVDや本なんかも発売されているんですよ。
酷道ファンが集うイベントもあるそうで、同じ趣味の仲間との出会いはとっても楽しいようです。
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「国道〇〇号線が好き」とか、写真を見て「このカーブは国道〇〇号線だね」といったお話をしているのでしょうか?
酷道についてのまとめ
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今回は酷道についてでしたが、いかがでしたか?
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いやはや、日本にも色んな道があるもんじゃのう
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姫も酷道さんに負けていられないトラー
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負けないって、何か勝負でもするのか?
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写真集にDVDまで出てて、超人気者トラ!
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酷道ファンが多いと聞いて、姫はヤキモチ焼いてるのですね・・・
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