全国のドライバーへ捧ぐ、トラック・バス・重機の最前線メディア

トラック王国ジャーナル

メンテナンス

オーバーヒートは危険? 症状や原因、対処法、修理費用をチェック!!

パーツ

公開 : 2017/04/26更新 : 2017/12/25

%e3%81%91%e3%82%80%e3%82%8a 全国展子 みなさん、こんにちは! トラック王国の展示場スタッフ、全国 展子(ぜんこく てんこ)と申します!
オーバーヒートは、冷却水(クーラント液)や冷却系統の異常でエンジンが過熱して起こるトラブル! くわしい症状や原因、対処法、修理費用をまとめたので要チェックです。もし放置したら、オイルやパーツの異常、エンジンの焼き付き、さらには白煙が上がり大惨事になってしまいますよ…っ!!

【関連記事】エンジンオーバーホール費用(価格)や工賃
関連記事
【関連記事】エンジンオーバーホール費用(価格)や工賃
エンジンを分解して部品交換や清掃を行うオーバーホール(OH)。名前は知っていても役割についてはあまり知らない…という方もいるのではないでしょうか。
レッスン1

オーバーヒートの症状とは?[オイル周り・エンジン部分]

車両の故障の中でも、発生率が高く、ドライバーを悩ませる『オーバーヒート』。

これは、まずエンジン内部にある冷却水の機能異常によって起こります。

0

冷却水は、緑や赤などメーカーによって元の色は違いますが、劣化したり異常が起きると、どこの冷却水も錆び濁りで色褪せます。劣化や、漏れ・加熱といった異常を放っておくとガスケットの破損や、エンジンの焼き付きが起こり、オーバーヒートするというわけです。

しかし、異常に早く気づくほど、処置もカンタンに済むので発生サインを見逃さないようにしましょう!

もしもそのまま放っておくと、最悪廃車になることも! 下記の4つのサインが現れたら、すぐ修理に出してくださいね★

【関連記事】エンジンオイル漏れのチェックも重要です!
関連記事
【関連記事】エンジンオイル漏れのチェックも重要です!
エンジンオイル漏れについて!「オイル漏れの原因や症状って?」「添加剤(漏れ止め剤)の効果は? 修理費用はいくら?」といった疑問にお答えします!
  • ■オーバーヒートの症状
  • ・水温計がHに近くなる
  • ・アクセルを踏まないとエンジンが止まる
  • ・オイル焼けの臭いがする
  • ・エンジンから煙が発生する
  • 全国展子

    水温計と走行時の異変を見逃さないようにしましょうネ★

レッスン2

オーバーヒートの4大原因[冷却システムの異常]

p

そもそも、オーバーヒートはなぜ起こるのでしょうか? 代表的な5つの原因を紐解いてみましょう!

原因1:冷却水漏れ・不足

エンジンがオーバーヒートする原因の1つとして、冷却水の漏れや不足が考えられます。

冷却水は、ラジエーターや冷却ファン、ウォーターポンプやサーモスタットによって、エンジンに送られます。
(下図参照。白い矢印が冷却水の流れになります)

h

エンジン温度の上がり過ぎを予防するという大事な役割を担っているわけですが、何らかの機械トラブルでラジエーターやホースから冷却水が漏れると、エンジンを冷やせなくなりオーバーヒートを招いてしまうのです!

  • トラック姫

    冷却水の漏れは、どう気付けば良いトラ?

  • トラック王

    車両の下から、赤色や緑色の水が漏れ出したら冷却水の漏れを疑ったほうが良いぞ!

  • 全国展子

    でも、エンジンの熱で冷却水が蒸発すると、車両の下から漏れない場合もあります。走行感覚に異変を感じたら、キャブを開けて冷却水の残量を確認してみてくださいね。

エンジンから発せられる熱で冷却水が徐々に蒸発すると、漏れるまでいかなくても残量が不足する危険性もあります。
また、冷却水の交換時に、ヒーターコアのエア抜きを忘れてしまっても、量が足りなくなりますよ!

tank
特に夏場は蒸発しやすいので注意してくださいね。下のような市販の冷却水で簡単に補充できますよ。

  • トラック王

    冷却水の量はマメに確認するべきじゃぞ!

  • 全国展子

    次の項目では、ウォーターポンプの不具合についてご紹介します!

原因2:ウォーターポンプの不具合

ウォーターポンプとは、冷却水をエンジン内部ラジエーターに循環させるためのパーツです。

ウォーターポンプに不具合が起これば、冷却水が正常に送られないのでエンジンは加熱してオーバーヒートする畏れが出てくるでしょう…。

内部にサビや固形物が混入して劣化したり、磨耗して水漏れすると不具合が出るので定期的に点検してくださいね!

ウォーターポンプの点検は、ファンベルトやタイミングベルトなども外す必要があるので、整備工場にお願いしましょう!

【関連記事】ファンベルトの交換費用・交換時間・寿命
関連記事
【関連記事】ファンベルトの交換費用・交換時間・寿命
車両への電気供給や、ラジエーター冷却などを行うファンベルト。故障した場合、〝キュルキュル〟と異音が鳴るようになり調整やファンベルトの交換、修理が必要になります!

原因3:冷却用電動ファンの不具合

オーバーヒートの原因として、冷却用電動ファンの不具合も考えられます。

%e3%82%a2%e3%83%bc%e3%83%88%e3%83%9b%e3%82%99%e3%83%bc%e3%83%88%e3%82%99-1-%e3%81%ae%e3%82%b3%e3%83%92%e3%82%9a%e3%83%bc-3

この冷却用電動ファンは、ラジエーターを冷やすための走行風を発生させているものです。

エンジンの回転やモーターで駆動されているので、ヒューズが飛んだり、電子回路の部分が焼き付くと不具合が起こり、風を発生させられなくなってしまいます。

そうなるとオーバーヒートの発生率は急激にアップ!!

  • 全国展子

    渋滞時や停車時に水温が高まって、エンジンはカンカンに加熱してしまうでしょう

ちなみに故障した冷却用電動ファンの交換費用は、部品+工賃で2万円以上。

まぁまぁ高いですね…。

原因4:サーモスタット及びサーモメーターの不具合

サーモスタットとは、エンジンを冷やす冷却水の温度を一定に保つために使われています。

コレが壊れると、冷却水は規定値の90℃前後に安定することができなくなり、オーバーヒートを起こしてしまうのです。

そんなサーモスタットの不具合原因は、経年劣化がほとんど! 古くなると固着して、一度開いたバルブが開閉できなくなり冷却水の通路をふさいでしまうんですよ。

ちなみに、サーモスタットが故障した場合の交換費用は、部品+工賃で1万円〜2万円程度です★

  • 全国展子

    レアケースですが、サーモメーター(水温計)も故障することがあります。エンジン起動時や走行時にメーターが反応しなくなったら、すぐ修理に出してくださいね。

その他に考えられるオーバーヒート原因

さて、上記4つ以外にも、めずらしいオーバーヒートの原因があるんです!

めずらしいオーバーヒートの原因

ラジエーター部分に雪が付着
走行風が入らなくなってしまう
ラジエーター部分に紙やビニールが付着
機能不全が起こる
冷却水がわりの水道水が凍る
ウォーターポンプブローが起こる

たとえば、豪雪地帯などで発生する現象なのですが、車両のラジエーター部分に雪が付着して、走行風が入らなくなってしまうとか!

さらに、走行中に紙やビニールがラジエーターをふさぐ形で貼り付いて、機能不全を起こすとか!!

また超レアケースですが、冷却水がわりに水道水を使用してしまった結果、エンジンやラジエーター内で凍り、循環をさまたげてしまったりとかも…!

氷化した状態でエンジンを回したらウォーターポンプブローを起こして、ポンプの羽車も全部ふっとびます!!

異常をキャッチしたら、ラジエーターに付着物がないか確認したり、エンジンを切った状態で凍った冷却水を溶かして、市販の冷却水に入れ替えればOKです◎!

レッスン3

4つのオーバーヒート対処法[停車・冷却水・オイル点検・ロードサービス]

ここまでは、オーバーヒートの原因について確認してきましたが、実際にオーバーヒートが起こった場合はどう対処すればよいのでしょうか?

%e3%82%a2%e3%83%bc%e3%83%88%e3%83%9b%e3%82%99%e3%83%bc%e3%83%88%e3%82%99-1-%e3%81%ae%e3%82%b3%e3%83%92%e3%82%9a%e3%83%bc-5

対処その1:まず、停車してエンジンを停止する

オーバーヒートしたら、安全な場所に停車して、速やかにエンジンを停止させましょう。

%e3%83%86%e3%82%99%e3%82%a3%e3%83%bc%e3%82%bb%e3%82%99%e3%83%ab

「もう少し走行しても大丈夫だろう」と走らせていると、エンジンにダメージを与えてしまうことも!

「様子がおかしい」と思ったら、一刻も早くエンジンを切りましょう。

また、水温計がHマーク付近まで近づいていれば、停車後にアイドリング状態にして水温が下がるのを待って下さい!

そうすれば、ガスケットの破損やエンジンへのダメージも起こらず、水温低下後は安全に走れるはずです。

  • トラック王

    あわてず、まずは停車すれば良いんじゃな!

対処その2:冷却水の量を確認する

冷却水は、エンジンから発せられる熱によって膨張するため、タンク内のHマーク以内までなら量が増えていても、基本的には問題ナシ。

冷却タンクの位置

ただ、Hマークを超えていたり、吹き出した形跡がある場合は、ラジエーターキャップやガスケットへの異常が考えられます!

また、Cマーク以下まで減っていたら、冷却水が漏れているかもしれません。

さらに、水が白濁している場合はエンジンオイルが混入している可能性もあるので、整備工場で対応してもらいましょう!

対処その3:エンジンオイルを点検する

エンジンオイルの点検は、トラブル対処に欠かせません。

エンジンを停止させたあと、5分ほど放置して熱を冷まし、さらにオイルパンにオイルが戻ってから点検すると安全です。

その後、エンジンオイルのレベルゲージを抜いた上で、先端に付着したオイルを拭き取ってください。

o

拭き取りを行ったら、レベルゲージにホコリ糸クズが付かないようにしましょう。

レベルゲージを戻したあとに、再度引き抜きを行って、オイルの目盛りが適正値に位置していれば大丈夫です。

オイルの量が極端に減っていたり、金属の粉といった異物が混ざっている場合は、交換が必要になるかもしれません。

対処その4:ロードサービス(JAF・レッカー)に連絡!

JAF

エンジンの熱がなかなか下がらない、またはキャブやボンネットが開けられない場合は、ロードサービス最寄りのディーラーに連絡した方が良いでしょう。

オーバーヒートはそのままでいると、最悪車両火災などに繋がることもありますからね!

早めに対処するほど、車へのダメージは少なく済みますよ★

レッスン4

オーバーヒートによる各パーツの修理代・交換工賃

「オーバーヒートによって、パーツの交換が必要になってしまった…」

費用

パーツの修理や交換を行うと、どれくらいの金額がかかるのでしょうか?

費用・工賃はパーツごとによって異なり、車種によってもちがいますが、参考程度にご紹介いたしますね!

パーツごとの修理費用

冷却水の交換
数千円くらい
ラジエーターの交換
1万円~6万円くらい
ガスケットの交換
4万円~6万円くらい
エンジンの交換
20万円~数百万円くらい

エンジン交換までいくと、かなり高額ですが放置はダメですよ?!
オーバーヒートを起こしたエンジンを使い続けると、劣化が急速に進み、たくさんのパーツから液漏れしちゃいますからね★

きちんと修理に出すか、あるいは金額がたいして変わらなければ、新しい中古トラックを買って安全を確保しましょう。

レッスン5

オーバーヒートまとめ

  • 全国展子

    オーバーヒートの症状や予防法について、理解して頂けたでしょうか?


  • トラック王

    オーバーヒートを防ぐためにも、日頃のチェックが大切なんじゃな。


  • トラック姫

    姫もオーバーヒートしそうトラー!


  • トラック王

    姫よ!何があったんじゃ!


  • トラック姫

    大好きなアイドルが王国に来るトラー!!!


  • 全国展子

    別の意味でオーバーヒートしてますね…。

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitterでトラック王国をフォローしよう!
トラック王国からのお得な情報をゲットしよう!
友だち追加