エレメント交換の効果とベストな交換時期は?オイルエレメントの費用も!
公開 : 2016/11/16更新 : 2018/06/21
みなさん、こんにちは! トラック王国の展示場スタッフ、全国 展子(ぜんこく てんこ)と申します!
エレメント(オイルエレメント)の交換についてご紹介!「交換時期の目安は?」「交換費用や場所は?」などの疑問にまとめてお答え!さらに、交換する際の注意点についても触れていきます。
目次
エレメントとは[内容解説・交換効果]
エレメントとは、エンジンオイルをろ過することによって、中に含まれる汚れを取り除けるフィルターのことを指し、オイルエレメントとも呼ばれます。
オイルと一緒に交換することも多い、このエレメント。
次のような効果が期待できるんですよ★
- ■エレメント交換による3つの効果
- スラッジ(汚れ)や金属片を取り除く
- エンジンの焼き付きを防止
- 燃費の向上
大きな効果が期待できる、エレメント交換…!!
もし、交換せずに運転し続けると、オイルのろ過が出来なくなり、エンジンの寿命も短くなってしまいます。
しかし、ベストな交換時期はいつなのでしょう?
ディーラーやガソリンスタンドへ行くと、店員さんがお勧めしてきますが、それが最適なタイミングかどうかは分からないですよねぇ…??
さらに、「費用や注意点も、正しくは分からない」という人が意外と多いものです。
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そこで今回は、エレメントの交換時期や費用、注意点などについて、詳しく説明していきます★
オイルエレメントって何?
オイルエレメントとは、人間でいう所の腎臓にあたるのです!
腎臓が血液中に含まれる体に悪い成分を取り除くように、オイルエレメントはオイル内に含まれる不要な成分をろ過します!
つまり、オイルエレメントがあることによって、キレイなオイルがエンジン内部に行き渡り、正常な状態を保てるのです!
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逆にオイルエレメントが正常に機能しないと、オイルに不純物が混じってしまい、エンジンの調子も悪くなってしまうのです…。
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また、オイルエレメントという名称は俗称であり、英語での名称は「オイルフィルター」や「オイルフィルターエレメント」となります。
この英語の意味を訳すと「油をろ過する部品」となり、ろ過を出来る部品全体を示しているオイルエレメントという名称の方が定着しました。
そんなオイルエレメントの原型は、オイルを使い続けていると発生する汚れをろ過するために、1920年台にアメリカで開発されました。
この原型の構造は、汚くなったオイルが通る通路と、ろ過を行う通路の2種類に分かれていて、ろ過を行うのに時間が掛かっていました。
しかし、当時としては画期的なシステムとして取り入れられました。
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そんな古くからあるのは知らなかったトラー
また、オイルエレメントの原型が開発されてから20年後に、現在使用されているエレメントと似たフィルターが開発されました。
このフィルターは、汚れたオイルが循環する前に、オイルパンという部分に溜め込みます。
溜め込まれたオイルはストレーナーで汲み上げられて、全てのオイルと共にフィルターでろ過が行われます。
これらの仕組みは現在使われているフィルターと同様の仕組みであり、多くの乗用車に採用されました!
エレメントを交換しない場合
ここまでで、「オイルエレメントを交換しないとどうなるの?」と思った方もいるのでは!?
オイルエレメントを交換しないでいると、フィルターの目詰まりが発生します。
目詰まりが発生してしまうと、オイルが循環出来なくなってしまいますが、フィルターのバイパスを行うパイプが活躍します。
しかし、さらに放っておくとパイプの方にも汚れなどが溜まってしまうので、早めにフィルターを交換した方が良いのです!
バイパス用のパイプが使われる際は、油圧警告灯が作動するようになっています。
油圧警告灯はエンジンオイルの枯渇やポンプ部分が壊れた際にも警告を行ないますが、オイルの量も多いのに警告が行われる場合は、フィルターの詰まりが考えられます。
フィルターが詰まったままでいると、不純物が混じったオイルがエンジンを巡ることになるので、エンジンの調子も悪くなってしまいます。
そしてエンジン自体はオイルを排出することが出来ないので、メンテナンスを行わなければどんどん状態が悪くなる一方なのです!
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オイルもエレメントも早めに交換しないとダメなのじゃな…
さらに、エンジンの悪化と共にパワー不足になってしまいます。
エンジンのパワーは、シリンダーやピストンが密着することによって生み出せ、密着時の隙間は狭い方が良いのです。
逆に隙間が広い場合はパワーが活用されず、エンジンに負荷がかかってしまい、これはエンジンの劣化以外にオイル汚れなども影響し、シリンダーやピストンの機能も弱まってしまうのです!
シリンダーやピストンが弱まると、隙間が狭い状態でパワーが生み出せなくなっていきます…。
このような状態を人間で例えるなら、過度な飲酒がずーっと続いてしまうような状態。
そうなると、腎臓がアルコールを処理しきれなくなってしまうので、腎不全などの病状が現れてしまいます。
これがエンジンの場合だと、エンジンの焼き付きが起こってしまい、最悪エンジンの交換が必要になることも!
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ちなみに、エンジンの交換が必要な場合は、100万円位以上の工費が必要になることも!
このため、車両の買い替え予定などがあれば、エンジンの動かない車両を買取に出してみてはいかがでしょうか?
エレメントの交換時期[乗用車の場合・トラックの場合]
エンジンオイルが隅々まで行き渡ると、汚れがたまって汚くなってしまいますが、エレメントをマメに交換することによってエンジンオイルがキレイになるので、エンジンを長持ちさせることが可能に!
エレメントはオイルと共にエンジンの働きを助けますが、放っておくとエレメント・オイル共に汚れが溜まってしまい、エンジンの悪化も進行させてしまいます。
本来エンジンオイルはエンジンの動きを良くするために活用されますが、汚い状態であるとエンジン劣化、エンジン冷却機能不全、汚れが増えるなどの問題が発生して、エンジンの機能を劣化させていくのです。
このような機能の劣化を防いでくれるのがオイルエレメントであるため、オイルとともに交換が必要になるのです!
そんなエンジンのトラブルを回避するのに必要な、オイルエレメントを交換するタイミングはいつになるのでしょうか?
エンジンに問題が発生する前に、オイルエレメントを交換しておきたいですよね。
エレメント交換タイミング(乗用車の場合)
では、実際に乗用車がオイルエレメントを交換するタイミング目安とは、何があるのでしょうか?
オイルエレメントを交換する際の目安は、オイル交換2回につき1回とも言われていますが、実は2万キロに1回程度交換すれば大丈夫なのです!
エレメント内で使われるフィルターは、新しい状態だと目が粗くなっていて、カーボンや鉄粉などをろ過し続けることによって、丁度よい目の細かさになります。
フィルターが丁度よい目の細かさになるのは、1万キロ程度運転した状態だと言われていますので、2万キロまでは運転を続けて、オイルと合わせてエレメントも交換しましょう!この2万キロという目安は、トヨタもホームページ上で推奨していますよ。
ちなみに、距離はあくまでも目安で、乗車時のフィーリングが低下してきたら交換する、気分によって交換する、などといった意見もあります!
オイルエレメントの交換は店舗によって交換できない時間帯もあるので、事前に店舗に確認しておいたほうが良いでしょう!
エレメント交換タイミング(トラックの場合)
ここまでは、自動車のエレメント交換目安について触れて来ましたが、トラックの場合はどれくらいになるのでしょうか?
今回は、中型トラックと大型トラックの目安となる距離について調べてみました!
- ■トラックのエレメント交換目安
- 中型トラック→20,000km
- 大型トラック→25,000km
この走行距離目安は、車種やメーカーによって異なりますので、あくまでも目安程度にお考えください!
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また、以下のような条件でトラックや自動車を使用し続けると、交換時期が早まってしまうのでご注意ください!
- 寒冷地
- 短距離走行が多い
- アイドリングの数が多い
- 坂道走行が多い
ディーゼル車が中心になって使われている商業車は、車検ごとにオイルエレメントを交換することが多くなっています。
もしもエレメントを交換しないでいると、ディーゼルエンジンに水が入ってしまいノッキングが起こり、エンジンが壊れてしまうことも…!
エンジンに水が入りそうになると、エレメント用のセンサーが警告するので、早めに交換しましょう。
エレメント交換の費用[GSや車用品店での費用]
交換の目安が分かったら、費用がどれくらいかかるかも気になるのではないでしょうか?
オイルエレメントの交換は、オイル交換と同時に行われることが多いので、費用はオイルとエレメントの代金、加えて工賃がかかると考えておいてください。
さらに、オイルエレメントの価格や工費の目安や、ガソリンスタンド、車用品店で交換してもらう際の金額なども知っておけば、交換の際にどれくらいかかるか事前に分かって、慌てることも無くなるのでは?
次の項目では、エレメント交換にかかる費用やオイルエレメント自体の費用、ガソリンスタンドや車用品店での交換について触れていきたいと思います!
オイルエレメントの費用
オイルエレメントの交換と共に必要なオイルの交換。
このオイルの金額は不明瞭なもので、ガソリンスタンドやパーツ専門店などでも変動しますので、事前にどれくらい掛かるのか知っておきたいですよね。
そんなオイルとオイルエレメントを交換する際は、平均7,000円程度の金額が掛かります。
この金額はオイルの質量及び車種によって変動するもので、金額の内訳は以下のようになります。
- ■費用内訳の目安
- オイル代 3,000円~5,000円
- エレメント代 1,000円~3,000円
- 工賃 1,000円~3,500円
また、ガソリンスタンドやオートバックスのようなパーツ専門店などで交換する場合は多少割安となり、年会費を払えば工費が無料になることも!
- ■割安になった場合の目安
- エレメント代+工賃 2,000円~2,500円
- オイル交換+点検 6,000円~10,000円
ちなみに、もしもオイルエレメントが300円前後と安価な場合は、中に使われる紙の折り曲げが少なかったり、ろ過が上手く行かない場合も…。
純正品ではない、安価なオイルエレメントを使っている場合は、早めに交換した方が良いでしょう!
ガソリンスタンドや車用品店で交換してもらう場合
ガソリンスタンドは給油を行ったり、タイヤの空気圧などを確認する場所として知られていますが、車検やタイヤ交換、オイル交換なども行っている店舗もあります。
このようなサービスは、個人経営のような小規模の店舗では行われていないことが多いのでご注意を!
オイルエレメントまで交換してくれる店舗は、広大な敷地の中でピットを2つから4つ程度備えているようなところであり、スタッフの人数も多くなっています。
こんな店舗に依頼できれば、オイルエレメンなどの交換が早くて20分程度で終わるので、お近くにそのような店舗がないか探してみてはいかがでしょうか?
もしも小規模の店舗に依頼した場合は、少ないピットを他の作業に使っている可能性があるので、エレメントの交換に1時間以上かかることも…。
なので、お近くに小規模な店舗しかない場合は、事前に問い合わせや予約を行っておきましょう!
さらに、車用品店でもエレメント交換を行う事もでき、このような店舗に行けば社外品のエレメントも購入できるので、費用を安価に抑えることも可能!!
- ■GSや車用品店で交換してもらう場合
- ・小規模の店舗では交換が行われていないことも
- ・大規模な店舗だと人数も多く、早く作業が終わる
- ・車用品店では安価で交換できることも
しかし、車用品店は店によってスタッフが入れ替わることも多いので、交換を行う際にトラブルが発生すると、責任を追求しにくいといった面も…。
エレメントの交換に不安であれば、事前にベテランのスタッフや整備士資格保有者がいるか確認してから任せた方が良いかも知れませんね。
自分で交換する場合
エレメントの交換は、エンジンに対する知識や、交換できる環境、交換用工具などがあればDIYでも交換可能!
自分で交換を行う際は、以下の道具をまずは揃えましょう。
- ■交換の際に使う道具
- ・交換用エレメント
- ・オイルエレメントレンチ
- ・廃油処理箱
- ・交換用ワッシャー
- ・油ふき取り用ウエス
オイルエレメントを交換する際は、車体をジャッキアップして、下から作業することが多くなっています。
このため、オイルを溜めているオイルパンの場所を確認しておいて、傷をつけないように作業しましょう!
交換時の手順は以下のようになります!
- ■交換の手順
- ・オイルがこぼれないように、地面に新聞紙や廃油処理箱を設置
- ・オイルパンの場所から、オイルエレメントの場所を探る
- ・レンチを使い、ボルトを外す
- ・取り付け部分に付いたオイルをウエスでふき取る
- ・古いエレメントにOリングがついていないか確認
- ・新しいエレメントを手で慎重に回す
- ・Oリングが触れたところからレンチで締めていく
上の手順で交換する際は、以下の点に注意して作業してください!
- ■自分で交換時の注意点など
- ・廃油は廃油処理箱に入れて処分。ガソリンスタンドなどで処分してもらえる
- ・ワッシャーも新品に交換を。交換しないとオイル漏れが発生することもあります
- ・ドレンボルトを外す際は慎重に。ボルトを指だけで外すと加減が難しい
- ・ドレンマグネットキャッチャーを使えば、ボルトが簡単に取れ、手を汚さなくて済む。念のため、ゴム手袋は着用したほうがよい
- ・ドレンボルトは締めすぎない。強く締めるとネジ山やオイルパンが壊れてしまう
- ・デジタルトルクレンチを使えば、規定のトルクに合わせられるため、締める際の調整が楽
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次の項目は、交換する際の注意点について、より深く追求していきます!
エレメント交換で気を付けておきたい事[交換時の注意点]
オイルエレメントを交換するにあたり、気をつけることとは何があるのでしょうか?
実は、車種によって交換出来ない場合や、エレメント交換時にエンジンオイルが抜けてしまうため、オイルを充てんしないといけないことも…。
また、オイルエレメントが使用できる期間は、以下のような要素によっても変動します。
- ■エレメントの寿命を左右する要素
- エンジン性能
- エンジンオイルの質
- エレメントの質
この他にも、実際に交換するにあたり必要となるコツや、注意点などもいくつかあるので、次の項目で確認していきましょう!
交換の前に覚えておきたい事
エレメントのケースを取り外す際は、力を入れすぎても破損することはありませんが、変形してしまい外せなくなることがあります。
もしも外せなくなってしまった場合は、ケースを緩めながら、ハンマーで付け根を叩いていきます。
この際は10センチぐらい離れたところから叩きますが、強く叩くと壊れてしまうので注意!
新品のエレメントを取り外す場合は、緩める方向と締める方向に程よく力を加えていけばOKです。
オイルエレメントを交換する際は、エレメントのフタを開けるとオイル漏れになることがあります。
なので、布で周りを覆った上でフタを開けましょう!
さらに、エレメントの取り外し時はオイルがエンジン周りに付いてしまうこともあり、この状態で走行するとエンジンルームから煙が出て、火災が発生することも!
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慎重に扱わないと危険じゃな!
このため、古いオイルはパーツクリーナーなどで落としておきます。
また、新たなエレメントを入れる際は、エレメント自体にオイルを少し塗り込んでおきましょう。
もしも塗り込んでいないと、エンジン起動時にエンジン内部にオイルが行き渡らず、まれに焼き付きが起こることも…。
フタは強く締め付けてしまうと、内部の金属が浮き上がってしまい、故障の原因になりますよ。
オイルエレメントはオイルやエンジンを長持ちさせる部分なので、大事に扱って行きたいですね!
交換する際の注意点
オイルエレメントを交換する際は、総合的にどんなことに気をつけないといけないのでしょうか?
この注意点とは以下のようなものが挙げられます。
- ■オイルエレメント交換時の注意点
- 暖気運転後はオイルで火傷しないように
- オイルエレメント取付時にパッキン周りにオイルを塗る
- フィルター取り付け時の締めすぎ
- ジャッキアップだけで車の下に潜らない
- エンジンオイルを入れすぎない
オイルを注入する際は、8分目ぐらいまでにしておきましょう。
量が足りない場合は注ぎ足せますが、規定のオイル量以上入れてしまうと、エンジンに悪影響なので注意!
エンジンオイルは入れすぎてしまうと、エンジンに負担が掛かってしまい、燃費の悪化に繋がってしまうことも…。
また、オイル面の高さが上がることによって、クランクシャフトのウェイトに触れてしまうことも考えられます。
ちなみに、屋外で交換を行う場合は、風がある日は注意したほうが良いでしょう。
オイル交換時に風が吹くと、ボルトを外した瞬間にオイルが降りかかり、顔や衣服、路面がオイルだらけになることも…。
エレメント交換のまとめ
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オイルエレメントの交換について理解できましたかね?
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オイルの交換などと一緒に、マメに交換しないといけないんじゃな。
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すごいパーツなのトラー!
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オイルエレメントがないと、エンジンは正常に動きませんからね。
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オイルエレメントはカップケーキみたいなものトラー!
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( また食べ物の例え話ですか…。)
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