タイヤバランスの調整方法・工賃・自分で調整するときの手順!
公開 : 2017/05/18更新 : 2018/08/03
みなさん、こんにちは! トラック王国の展示場スタッフ、全国 展子(ぜんこく てんこ)と申します!
あなたのトラックやバス。タイヤバランス(ホイールバランス)の調整は取れていますか? 「調整方法」「調整工賃」を知って、乗り心地を向上させましょう! タイヤが均一なバランスでないと、部品の劣化が進み車両の寿命が縮みます。ドライバーさんが自分で行える「調整手順」もまとめたので、タイヤのチェックをしてみてくださいネ!!
タイヤバランスとは?[タイヤ・ホイール]
タイヤは、使用年数の経過によってバランスが崩れるので定期的なチェック、調整は欠かせません!
なぜならタイヤバランスが狂うと、走行中の車両やハンドルなどに不要な振動が発生して、部品の消耗・破損を招く危険性が出てきます!
そのためタイヤバランスの調整は、とても重要なメンテナンスの1つ★
多くのドライバーさんは、タイヤ業者さんに調整依頼しますが、自分でタイヤバランスの調整を行うことも可能なので、今回は順を追ってご紹介しますね!!
タイヤバランスとは何?
まずは、基本的なことから!
- ■タイヤバランスとは
- タイヤを高速回転させた状態においての、遠心力バランスのこと!
高速回転するタイヤの大切な要素は、重点が中心にあること。
そのため、基本的に新しいタイヤは重心がズレないよう、剛性・寸法・重量がほぼ均一にできています。
ただし、タイヤメーカーも大量生産しているため、多少のズレが出るケースもあります! そんな誤差も肉眼で判断できれば最高なんですが、タイヤは完全な真ん丸ではなく、角の多い多角形のような形をしており、わずかなズレは目視しづらい形状になっています…。
だからと言って、ズレを放置するとタイヤの偏摩耗につながるので、きちんと確認して調整するようにしましょうネ!
ホイールバランスの調整も必要?
タイヤバランスの調整はとても重要ですが、同様にホイールバランスも調整が必要です!
- ■ホイールバランスとは
- タイヤを高速回転させた状態においての、ホイール部分の重心バランスのこと
ホイールとは、タイヤの内側となる金属部分ですが、タイヤを取り付けた際などに重心が偏ってしまうと、バランスが崩れます。
しかし、ホイールバランスの調整は、正しいタイヤの形状維持に欠かせません。
タイヤバランスの調整時にはホイールバランスも一緒に調整しておくと良いでしょう★
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ちなみに、〝タイヤバランスの調整〟は、ホイールバランス調整も含めていることがあります。
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タイヤとホイール、この2つはセットと考えてOKなのじゃ!
タイヤバランス調整[方法・工賃(料金)]
さて、そんなタイヤバランスの調整は、どのように行われるのでしょうか? タイヤ屋さんに依頼する予定の方も、方法と工賃を知っておくと値切り交渉に役立つかもしれませんよ。
タイヤバランス調整方法
まず、調整には「タイヤバランサー」という道具が使われます。
これはタイヤ・ホイールのバランスを測定し、調整を行う専門機器のこと。
画像協力:小野谷機工株式会社
タイヤ屋さんが使うような高性能なバランサーは、10万円以上すると言われています。
最近はICT化が進んでいるものの、基本的には以下の流れで調整されます。
- ■タイヤバランサーを使った調整の流れ
- 1:最初にタイヤをタイヤバランサーに設置
- 2:高速回転させてバランスを測定
- 3:バランスが悪い場合、横・縦方向にブレが発生
- 4:バランス崩れを数値で表示
- 5:ブレが発生している位置に、バランスウェイト(重り)を取り付けて調整
動画協力:小野谷機工株式会社
タイヤバランス調整工賃(料金)
タイヤ屋さんなど、専門業者に依頼したときの相場工賃は、次のようになります!
タイヤバランス調整の相場工賃
- ・小型トラック(2〜3トン仕様)
- 1本:1,000円〜2,000円
- ・中型トラック(4〜6トン仕様)
- 1本:2,000円〜2,500円
- ・大型トラック(8トン以上)
- 1本:3,500円〜4,000円
ちなみに、4本や6本まとめて調整依頼すると、割安になるタイヤ屋さんも少なくありません。
作業時間はタイヤ1本で10分もかかりませんが、混雑時は予約がとれないケースもあります。
車両知識があって、メカに自信がある方・車いじりの好きな方は、ご自身で調整するのもアリかもしれません。
自分で!タイヤバランスのセルフ調整[必要道具・手順]
多くの場合、タイヤバランス調整は、整備工場・カーショップなどの専門業者に依頼しますが、ドライバーさんご自身で調整することもできます。
特に、運送会社などを経営していて、トラックを数十台所有している法人であれば、全車両の調整工賃を大幅に削減できるでしょう。
では、実際に自分で調整する際の手順について解説していきます!
必要道具
調整で用意するのは、主に以下のものです!
- ■タイヤバランス調整で用意するもの・場所
- タイヤバランサー
- バランスウェイト
- 作業場所
始めに、バランス調整を行う上で1番重要なのが、タイヤバランサー!
ネットで購入できますが、価格はモノによって様々。
専門業者が使用するタイヤバランサーは、タイヤを自動回転させて測定できる高機能品ですが、そのぶん10万円〜とお高め。
中古でも数万円します。ちょっと、まだ高めですよね。
「安価で使いやすい」タイヤバランサーといえば、近年は下記が評判ですよ。
- ■オススメのタイヤバランサー
- 水平器が搭載されたタイヤバランサー
- 価格:8,000円前後
水平器を搭載しているタイヤバランサーは、上部にある水平器のズレを確認して、バランスのチェックが可能です。
自動測定はできませんが、数台程度なら大きな手間にもならないでしょう。
次に、タイヤバランス調整には、バランスウェイトの用意もお忘れなく!
(トラック用のバランスウェイトは、10個500円程度〜。インターネットで販売されています)
これはバランス調整の重りとなる鉛で、主に2種類があります。
その1:打ち付けタイプ
打ち付けタイプは、ホイールのフランジ部に打ち付けて使用するバランスウェイト。
アルミホイール用と鉄ホイール用があり、バランスウェイトの形や合い口のサイズで決めます。
- ・打ち付けタイプのメリット
バランスウェイトを直接打ち付けて取り付けるため、容易に外れないこと
その2:貼り付けタイプ
貼り付けタイプは反面がテープになっており、ホイールに直接貼り付けるバランスウェイトです。
バランスウェイトが打てないホイールや、純正ではない社外品のホイールに使用するケースが多いです。
- ・貼り付けタイプのメリット
貼り付けの場合は、バランスウエイトが目立たないため、ホイールのデザインを邪魔しないこと
最後に、バランス調整で必要となるのが作業場所の確保!
駐車場や、空き地などの広めのスペースを確保しておきましょうね。
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続きましては、水平器を搭載したタイヤバランサーで調整する手順のご紹介!
手順1:タイヤバランサーの上にタイヤをセット
まず、自分で調整を行う際は広いスペースを確保し、タイヤと水平器搭載のタイヤバランサーを用意しましょう。
準備ができたら、タイヤを水平器搭載タイヤバランサーの上に設置。
この場合は、タイヤを倒した状態で穴の開いている中心部分を水平器部分にはめ込み、セットしていきます。
設置する時にタイヤが極力平行になるように、確認しながら行ってくださいね。
手順2:バランスを確認する
お次は、タイヤを設置したタイヤバランサー上部の水平器を確認します。
この際は、泡の位置をチェックしてください。
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ほう!泡の位置が目印なのか!
水平器の中心に泡が来ている状態は、バランスの取れた状態です。
泡の位置が中心から外れていると、ズレの証明です。
最初は大体、泡の位置がズレているので、バランスウェイトで調整していけば大丈夫です。
手順3:バランスウェイトを乗せて調整完了
いよいよ、バランスウェイトで調整を行うわけですが、水平器をよく確認しながら取り付ける場所を決めます。
例えば、水平器の泡が中心から左側にズレている場合は、ホイール左側の内側部分にバランスウェイトを取り付けます。
1つ取り付けたら水平器の泡の位置を確認し、足りなかったら量を増やして微調整を行ってください。
これらを繰り返し、バランスウェイトの位置・量が確定したら、ホイール内側に取り付けましょう。
以上で、タイヤバランス調整の取り付けは完了となります!
カンタンに手順を説明させて頂きましたが、あせらず順番通りに行えば調整できますよ!!
タイヤバランスの乱れは、車両劣化や事故のもと。
調整メンテナンスを怠ると、結局は大きな損害につながりますからね…。
【関連記事】トラック事故はこんなに怖い!死亡事故例・原因とは?
タイヤバランスが悪いと起こる3つの危険!
実際、タイヤバランスが悪いと、どのような危険、損害を招いてしまうのでしょうか?
代表的な3つをご紹介いたしましょう。
悪影響1:走行中に振動が発生し、まっすぐ進まなくなる
タイヤが均一な真円でないとスムーズに回らなくなり、振動が発生しやすくなります。
この現象は高速走行時などに出やすくなっており、車両・ハンドルに大きな振動が伝わるようになります。
この症状が長引くと、最悪の場合はハンドルが効かなくなることもあり、まっすぐ進まなくなります。
当然、事故に繋がる危険性も大きくなってしまいます!
悪影響2:タイヤに偏磨耗が起こる
タイヤバランスが崩れることにより、左右どちらかに重心が偏ると偏摩耗(へんまもう)を起こします。
この偏摩耗によってタイヤの一部が減ると、タイヤの寿命が縮みます。
寿命が縮むと、タイヤ交換の頻度も上がるので手間は増えるし、ムダな出費までかかってしまいますね。
【関連記事】タイヤのスリップサインの見方
悪影響3:燃費に悪影響が出る
タイヤがまっすぐ回らないと、通常よりも余計な動きが増えます。
車両に負担がかかり、当然、燃費も悪くなりますよ。
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タイヤバランスがくずれると、次々とトラブルが発生するトラねー!
中古トラックを買うときはタイヤの劣化をチェックしてみましょう。
場合によっては、納車前に調整してくれることもあるかもしれませんよ。
タイヤバランスまとめ
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タイヤバランスの重要性はご理解いただけましたか?
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バランスといえば…
この頃バランス感覚が悪くなってきたわい!トシかもしれんな…
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それなら姫が調整してあげるトラー!!
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なんて親孝行な娘じゃ! ワシのタイヤは姫に任せたぞう!
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