トラックの主な故障の種類|症状と原因、前兆、予防法・修理方法は?
公開 : 2024/01/19更新 : 2024/05/20
みなさん、こんにちは! トラック王国の展示場スタッフ、全国 展子(ぜんこく てんこ)と申します!
今回はトラックの主な故障に関するご紹介です!ブックマーク登録もよろしくお願いします!
目次
「トラックの主な故障の種類とは?」「故障の原因、予防法、修理方法について知りたい」
故障しないのが一番ですが、万が一のための知識は必要不可欠ですよね。
今回は主な故障の種類、症状と原因、予防法・修理方法などについて調べてみました。
トラックの主な故障の種類(1) エンジン
トラックの主な故障の種類1つ目は、エンジンブローです。エンジンブローは、エンジンが壊れることを指します。エンジンブローですが、トラックの故障の中でも最も多いと言われています。
主な症状と原因
エンジンブローはエンジン故障全般を指し、とても厄介なのが特徴です。エンジンブローで症状が悪化すれば、ピストンの焼き付き、クランクシャフトの損傷を起こしてしまう可能性があります。さらには、シリンダーブロックに穴が開いてしまうと火災が発生し、エンジンが不能となり、車を廃棄しなければならない可能性も考えられるのです。
もし、事故などでエンジンが強い衝撃が受けてしまうと、ターボブレードの破損、タイミングベルト切れで起こるバルブの突き上げ、折れたコンロッドがシリンダーブロックを突き破ってしまう場合もあり、危険性が上がります。
エンジンブローが起こる原因として、下記のことが考えられます。
1.経年劣化
エンジン内は非常に高熱かつ高圧で、かなりのスピードで絶え間なく金属製パーツが擦れ合って稼働しているため、金属製パーツが摩耗します。ですので、摩耗したパーツは定期的に交換しなければなりません。交換しないまま劣化したエンジンオイルを長期使用していれば、オイルの働きが上手く機能しないだけでなく、エンジンブローの原因につながってしまうのです。
2.点検不足
トラックのエンジンオイルは、こまめに点検をする必要性があります。そのことから、点検不足であれば、オイルを劣化したまま走行し続けることになるので、エンジンの経年劣化を加速させてしまうのです。エンジンオイルは劣化しやすいという特性から、こまめに点検、そして、交換をしなければいけません。
3.外部からの衝撃
トラックの走行中に事故が起きてしまうと、外部からの衝撃によって、エンジンに強い衝撃が加わってしまいダメージを受けます。かなり頑丈なトラックのエンジンですが、外部から強い衝撃を受ければ、破損、変形してしまうこともあるのです。外部からの強い衝撃で、エンジンブローが起きてしまいます。
前兆となる現象
エンジンブローの前兆となる現象として、次のようなことが挙げられます。
エンジンから異音あるいは異臭がする
加速しづらい
白い排気ガスが出る
オイルの圧力がほとんど上がらない
これらの前兆が見受けられる場合、エンジン内部で不具合が起きているため、エンジンブローに注意しましょう。
予防法や修理方法
トラックのエンジンブローを起こさずにできるだけ長く乗るためには、日頃からのメンテナンス、エンジンオイルの交換、そして、丁寧な運転が欠かせません。トラックに乗車する前には点検が義務付けられていますが、その点検の際に少しでも不具合や異常が見つかれば、すぐに修理に出すのも大切です。水温と油温の温度を適切にすることにより、予防することができます。水温の適正温度の目安は、およそ70度~95度です。もし、100度を超えるとオーバーヒートに近い状態となるので注意してください。
他にも、エンジン内部の摩耗パーツの交換やパッキン類の交換等をオーバーホールで行うことも、予防法となります。エンジンブローになってしまうのを防ぐ効果が期待できるのです。
また、トラックを運転する場合は、衝突事故を起こさないように丁寧な運転を心がけるのがベストです。他にも急ブレーキ、急発進、急加速などの危険運転は、トラックの故障の原因となってしまうのでやめましょう。
トラックの修理方法として挙げられるのは、ディーラーに依頼するか、自身で直接板金塗装業者を調べて依頼する方法です。それでも、エンジンブローの修理は高額で負担が大きいことから、買い替えも選択肢の1つとなります。
トラックの主な故障の種類(2) ミッション(クラッチ)
トラックの主な故障の種類2つ目は、ミッション(クラッチ)です。ミッション(クラッチ)も故障の原因として多いため、注意しましょう。
主な症状と原因
ミッション(クラッチ)が故障したときの症状として、「ギアが入らない」、「クラッチが滑る」、「特定のギアにシフトできない」、「異音がする」などがあります。
これらの症状が現れた場合、ミッション(クラッチ)の故障を疑ってください。ミッション(クラッチ)故障の原因として、下記が考えられます。
1.経年劣化
トラックを長年乗り続けていれば、内部の部品が磨耗していきますし、経年劣化が進みます。クラッチの消耗が激しくなれば、故障の原因につながってしまうのです。また、半クラッチ乱用も劣化を早めてしまうのです。
2.ギアの消耗、故障
ギアの消耗、故障によってうまく噛み合わなくなることが原因の場合もあります。少しでも違和感を感じた場合には注意しましょう。無理に乗車すると事故につながってしまうのです。
3.ベアリングの故障
ベアリングの故障が原因となっている可能性も考えられます。ですので、ベアリング類の摩擦、故障も考えましょう。
前兆となる現象
ミッション(クラッチ)故障の前兆として、次のようなことが挙げられます。
異音が出る
クラッチを踏むときに違和感がある
これらの現象が発生している場合には、ミッション(クラッチ)故障の前兆として考えれます。
予防法や修理方法
半クラッチを多用しないことで、ミッション(クラッチ)のケアをすることができます。丁寧な運転を心がける以外にも、シフトダウンのエンジンブレーキを使わないことで、クラッチを長持ちさせることが可能です。クラッチのつなぎ方にも注意するようにしてください。
マニュアル車、オートマ車、セミオートマ車の3種類に分けると、マニュアル車の症状は、異音(ギアなり)がする、ギアが滑るです。原因として、ギアの摩耗、故障、クラッチの摩耗、ベアリング故障などです。
オートマ車の症状は、ミッションの滑り、異音などです。また、加速の際にエンジン回転数だけが上がりスピードが上がらないというケースも。原因としては、オートマフルードの汚れによってオイルの経路が詰まっている、トルクコンバーターの故障などが挙げられます。
そして、セミオートマですが、症状はクラッチが滑る、特定のギアで止まる、ギアが抜けなくなる、スムーズに変速できないなどが挙げられます。原因として、クラッチの摩耗、ベアリングの摩耗、クラッチが減っているなどです。
修理方法としては、複数の修理屋に見積もりを取り、自身にマッチするところを探して修理の依頼をするのが良いでしょう。高額になる可能性が高いため、慎重に進めたほうが良いでしょう。
トラックの主な故障の種類(3) 冷却装置
トラックの主な故障の種類3つ目は、冷却装置です。冷却水の漏れによって重大なトラブルを起こしてしまうことも考えられます。
主な症状と原因
冷却装置が故障すると症状としてエンジンの温度が下がらなくなってしまい、オーバーヒートを引き起こしてしまいます。冷却水はバルブやパッキンが経年劣化すると滲み出してしまい、放置すれば減っていくのです。基準量以下になるとオーバーヒートの原因になる可能性があり、注意しなければなりません。そのため、冷却水が足りているかをこまめにチェックし、漏れがないか確認しておきましょう。
原因としては、以下のことが考えられます。
1.冷却水の漏れ
冷却水の漏れが原因で、オーバーヒートが起きてしまうことが多いです。また、長い間冷却水の交換や補充をしないで使用していれば、オーバーヒートしてしまう可能性が高いので注意しましょう。
2.ラジエーターファンの故障
ラジエーターファンが故障すると、オーバーヒートすることがあります。ラジエーターは高温になった冷却水を冷ますための装置のことで、ラジエーターファンはラジエーターに風を送る装置です。ラジエーターファンが故障してしまうと、配線の接触不良でファンが回らなくなり、その結果オーバーヒートにつながってしまうのです。
3.ウォーターポンプの故障
ウォーターポンプはエンジン内に冷却水を循環させるための装置です。これが壊れてしまうと、エンジンルーム内に冷却水を循環させることができないため、オーバーヒートしてしまうのです。ウォーターポンプはおよそ10万キロで交換するのが望ましいでしょう。
前兆となる現象
冷却装置の故障、オーバーヒートの前兆として、次のようなことが挙げられます。
エンジンの回転数が不安定で安定しない
エアコンが効かない
エンジンの回転数が安定しない場合、それはオーバーヒートの前兆と言っても良いでしょう。さらに、エアコンの効きが悪いと感じたときも、オーバーヒートの前兆と言えます。
予防法や修理方法
冷却装置の故障、オーバーヒートの予防法として、日頃からのメンテナンスが大切です。こまめにチェックするのはもちろん、少しでも違和感を覚えた場合には、整備工場へ持ち込むなどの対策も必要となります。なじみのディーラーがいるならば、その方に連絡をするか、整備工場に持ち込んで修理してもらうのが良いでしょう。
トラックの主な故障の種類(4) DPF
トラックの主な故障の種類4つ目は、DPFです。DPFとは、簡単に言うと排ガスを浄化するための装置のことです。このDPFもトラックの故障の1つとして知られています。
主な症状と原因
DPFが故障してしまうと、フィルター機能が低下するため、自動浄化機能が作用しなくなり排ガス浄化ができなくなるという症状が現れます。その結果、排ガスを大量に排出してしまう恐れがあるなど、周囲や環境にとってリスクが高いのです。
DPFが故障する原因として、以下が考えられます。
1.アイドリングが多い
エンジン始動と停止を繰り返し何度も行っている、長時間のアイドリングを繰り返していれば粒子状物質が溜まることから、故障の原因となってしまうのです。
2.渋滞が多い場所を頻繁に走行する
渋滞が多い場所であれば、エンジンの回転数を上げられないため、故障の原因となるのです。ですので、渋滞によく巻き込まれるという場合、注意が必要でしょう。
3.排ガス温度が上がりきらないまま走行している
低速で走行していたり、1km以内など短距離走行を多くしていたりすると、排ガス温度がしっかりと上がる前に停車することになります。そのため、セルフクリーニングによってフィルターの再生をスムーズに行うことができず、故障につながってしまうのです。
前兆となる現象
DPFの故障の前兆として、次のようなことが挙げられます。
異臭がする
排ガス量が多い
このようなときは、DPFが故障する前兆の可能性があります。故障しないためにも、注意深くチェックしておきましょう。
予防法や修理方法
最適な状態を再生させるセルフクリーニングを機能させるためには、DPFが故障しないようにする対策として、高速道路で高速高回転を行って排気温度を高温にすることが大切です。DPFは適切な状態でセルフクリーニングできれば、ほとんど故障することはないのです。
万が一壊れてしまった場合の修理方法として、ディーラーや整備工場で修理してもらいましょう。ただし、50万円~100万円以上かかることも多いため、高額になると思っておいてください。
トラック故障時の牽引方法
大型トラックや4tトラックは安全性を考慮し、スプリングブレーキが採用されています。そのため、まずはスプリングブレーキを解除しなければなりません。
解除方法ですが、レッカー車のコンプレッサーからエアを取り出して、エアホースを使い被牽引車に送り込みます。もしくは、リリースボルトを使ってスプリングブレーキを解除します。スプリングブレーキが解除できれば、次に後輪のシャフトを抜きます。シャフトを抜かなければ、牽引をする際にミッションを破損してしまうので注意してください。これが終われば、故障したトラックでも牽引することが可能です。
まとめ
ここまでトラックの主な故障の種類や症状と原因、前兆、予防法、修理方法などを解説してきました。トラックはこまめにメンテナンスを行わなければ、何らかの故障を招いてしまうことがあるのです。そこで、前兆や予防法、修理方法を知っておき、もしものときに備えましょう。そうすることで、トラックに安全に乗車できる可能性が高まるのです。
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