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トラックのDPFとは？目詰まりの原因と再生方法、故障を防ぐ予防策

公開 : 2024/01/11更新 : 2024/04/30

「DPFとは？」「故障を防ぐための予防策ってあるの？」
点検や修理の際に「DPF」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。
しっかりと理解することで、人体や地球環境に配慮できる運転をすることができるようになりますよ。
是非、参考にしてみてください。

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DPFの基礎知識

DPFとは？

DPFとは、Diesel particulate filterの略であり、排ガスに含まれるススなどの粒子状物質を除去するために搭載されている排ガス浄化装置のことを言います。

DPF はマフラーに装備されているのですが、役割は排気ガスに含まれている人体に危険な有害物質を大気中に排出しないようにするために、車の走行中に燃焼除去をして自動再生を行うことです。現在ではディーゼルエンジンが搭載されているトラックやバス、そして、乗用車すべてにあるのがDPFとなります。

DPFつまり、排ガス浄化装置の特徴として、各トラックメーカーにより設置している装置が違うことです。DPD（PM微粒子除去装置）あるいは、DPR（排ガス浄化装置）などがあり、これらを総称しDPFと呼ぶのです。

また、DPFは別名で「ディーゼル微粒子捕集フィルター」と呼ばれることもあるため、そちらの名称で覚えている方も多いのではないでしょうか。アルファベットなのでついつい難しく思うかもしれませんが、ディーゼルトラックを乗車する際に必要不可欠なのがDPFなのです。

DPFが導入されるようになったきっかけ

DPFが導入されるようになったのは、2003年に東京など首都圏の一部自治体で制定された排ガス規制条例に基づいて装備されたことがきっかけとなりました。
その後、次第に自動車排出ガス規制がどんどん厳しくなり、浄化装置の着用が義務化されるようになったのです。大気汚染物質を多く排出してしまうことから、DPFが導入されるようになったということを覚えておいてください。

排ガスが排出する粒子状物質により、呼吸器など人体に多大な影響を及ぼすのが問題視されるようになったことから、排ガス規制は昔に比べると非常に厳格化されています。

そのことから、排ガスによる公害で人体に悪影響を与えるのを減らせるよう、排ガスに含まれるススなどの粒子状物質をしっかりと除去できるようにという目的でDPFが導入されたのです。特に乗用車と比べてディーゼルトラックは大量に排ガスを排出しますし、人体に与える影響が大きいことから、よりDPFの導入が必要となったのです。

各トラックメーカーのDPFの呼称

 

トラックメーカーによって呼称が違うのですが、DPD（PM微粒子除去装置）やDPR（排ガス浄化装置）も含めてDPFと呼んでいるのです。メーカーによって呼称があるとは言っても、基本的にはDPFと総称されるので、あまり細かくは考えなくても良いかもしれません。トラックメーカーにより若干呼び方が違うんだということだけ、あなたも知っておいてください。

DPFの目詰まりの主な原因

そのDPFの目詰まりの主な原因として、以下のようなことが挙げられます。

1、軽油の燃焼で発生するスス
2、エンジンオイルに含まれている金属分
3、エンジンオイルに由来する金属分とカーボン

DPFの目つまりの主な原因は上記です。軽油の燃焼によって発生するスス、エンジンオイルに含まれている金属分、エンジンオイルに由来する金属分とカーボンは、DPFの目詰まりの原因となります。

目詰まりが進行してしまうと、自動再生または、手動再生によって補足物を強制的に燃焼することでフィルターを繰り返し長く使用できる状態をキープします。ですが、うまく燃焼できなかった補足物が少しずつ堆積されていき、洗浄作業をしても回復できないレベルになった場合、交換をすることになるのです。そのようなことになった際には、交換を検討してみる必要があるでしょう。

DPFの再生方法の種類

自動再生

DPFの再生方法の種類1つ目は、「自動再生」です。自動再生ですが、車の走行中に一定のススが溜まればコンピューターが自動燃焼してくれるのが特徴となります。
車が走行することでエンジンの回転数が上昇し、水温が300℃ほどに上昇した場合にDPFの再生を行うのです。自身でする必要がない分、手間なく容易に再生できるのが自動再生のメリットと言えるでしょう。

手動再生

DPFの再生方法の種類2つ目は、「手動再生」です。手動再生では、運転手自らDPFの再生を行うのが特徴になります。車をひとまず停止させ、高回転のアイドリングをします。
そして、インジケータランプ、DPFボタンを押して手動再生を行うのです。インジケータランプが点滅しているときに手動再生をすることになります。インジケータランプがついている際に手動再生しなければ、特定メーカーを除いてスピードが制御されて不便な思いをすることになるため注意しましょう。

強制再生

DPFの再生方法の種類3つ目は、「強制再生」です。強制再生は、自分自身では行うことはできません。ディーラー、整備工場に持って行き強制再生をしてもらう必要があります。強制再生の特徴は、DPF内部を強制的に600℃程度まで上げ、残留しているススなどの粒子状物質を再燃焼させることです。
ただし、強制再生は大きな負担がかかってしまうために、あまり回数を多くすればDPF内の触媒が解損してしまう可能性があり注意しなければなりません。

DPFの故障を防ぐ予防策

DPFが故障してしまうと、フィルター機能が弱まってしまい自動浄化機能がうまく作用せず、粒子状物質を正常に浄化ができなくなるのです。そうなると人体への影響、大気汚染のことを考慮しても非常にマイナスとなってしまいます。
DPFの故障を防ぐ予防策として、次のようなことがおすすめできます。

高速道路でエンジンを高回転する

DPFの故障を防ぐ予防策1つ目は、「高速道路でエンジンを高回転する」ことです。トラックのDPFは故障しにくいのですが、適切に扱わなければ故障する可能性もあります。ですので、故障をしないために対策をすることが大切です。

トラックのDPFを適切な状態で再生させるために、高速道路でエンジンを高回転させるのが良いでしょう。排気温度を高温にするのが重要となるのです。
特にトラックドライバーの方であれば、遠くに荷物を運ぶ機会も多く、高速道路を走行する機会もたくさんあるでしょうから、故障防止のために高速道路でエンジンを高回転するのがおすすめです。

PMの少ないエンジンオイルを選ぶ

DPFの故障を防ぐ予防策2つ目は、「PMの少ないエンジンオイルを選ぶ」ことです。PMの少ないエンジンオイルを選ぶことで、故障を防ぐことができる可能性が高まります。PMの構成要素でオイル由来は1/3以上を占めていることから、エンジンオイルはPMの発生量に関わりが大きいのです。
ですので、PMの少ないエンジンオイルを選ぶことで、DPFの故障の予防策となります。

カーボンの生成量が少ないエンジンオイルを選ぶ、飛沫量あるいは、蒸発量の少ないエンジンオイルを選定ぶことで、DPFの負担を減らすことができます。人体や環境問題のことも考慮し、PMの少ないエンジンオイルを選ぶのも良いのではないでしょうか。結果的に、そうすることでDPFの寿命を延ばすことができる可能性が高まるのです。
どうせならば、6か月でも1年でもDPFを長持ちさせたいですよね。それならば、PMの少ないエンジンオイルを最初から選ぶのも有効策となります。

常に適切に使用する

DPFの故障を防ぐ予防策3つ目は、「常に適切に使用する」ことです。間違った使い方をすれば、DPFはもちろん、その他の箇所も故障してしまうことになります。ですので、適切に扱うことで故障の原因を作らずに済むのです。
意外とこれができていない方も多く、時には乱暴な運転、乱暴な使い方をする人も少なくないのです。

DPFの故障を防ぐためにも、常に冷静になって適切に使用すると言うことが大切です。車に乗るとついつい気が大きくなってしまいやすいですが、安全面や環境面のこともしっかりと考えて、冷静に行動するようにしてください。
それこそが、トラックのDPFを長持ちさせる対策でもあるのです。車に優しいドライバーになれれば、DPFの故障で悩まずに済むのではないでしょうか。

DPFの故障・修理時の価格の目安

DPFの故障・修理時の価格の目安として、おおよそ30万円～100万円ほどの費用がかかるケースが多いです。

DPFが故障した場合には整備工場などで修理してもらうことになりますが、部品交換、修理をすれば、トラックの大きさや車種により異なりますが、これくらいの費用がかかってしまうのです。小型トラックでも部品交換代だけでだいたい30万円～40万円ほどかかります。4トントラックだと50万円～60万円ほど、さらに10トントラックだとそれ以上となり、工賃代を含めれば100万円という高額の修理費用がかかってしまう場合もあるのです。

ですので、DPFが故障すれば、修理で非常に大きな出費となってしまいます。DPFの故障を防ぐためにも、先ほどご紹介した故障を防ぐための対策が大切です。あなたがトラックに少しでも長く乗れるようにするためにも、DPFの故障には十分に注意をしてください。もしDPFが故障してしまったら、修理費用がかなり高額で修理期間も長くかかります。そうならないために、DPF洗浄という手段もあるので検討されてみてください。

DPF洗浄で直らない場合は、乗り換えを検討してみるのも良いでしょう。

まとめ

ここまで、トラックのDPFとは何か、目詰まりの原因と再生方法、故障を防ぐための予防策、DPFの故障・修理時の価格の目安について解説してきました。排ガスの排出によって大気中に有害物質が飛び散るのを防ぐために導入されたDPFは、私たちの生活には欠かせません。

DPFについてしっかりと理解することで、人体や地球環境にもプラスになり、トラックを安全に乗車することができます。故障を防ぐためにも、日頃からの予防を徹底するのがベストです。万が一DPFが故障した場合には、信頼のおける修理店で修理するのも良いですが、トラックの乗り換えを検討するのも方法です。

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