トラックのギアの仕組み|運転時のコツ、故障の原因・対処方法は?
公開 : 2024/01/18更新 : 2024/05/17
みなさん、こんにちは! トラック王国の展示場スタッフ、全国 展子(ぜんこく てんこ)と申します!
今回はトラックのギアのご紹介です!ブックマーク登録もよろしくお願いします!
目次
「トラックのギアの仕組みを詳しく知りたい」「トラックのギアチェンジを上達させたい」
日々トラックを活用されている中で、このように思ったことはありませんか?
今回はトラックのギアの仕組みや運転時のコツ、故障の原因や対処法についてまとめました。
トラックのギアの仕組み
トラックのギアとは、変速機のことを言います。ギアは乗用車やトラック、バスなど、全車に搭載されている部品なのです。ギアを切り替えて運転することで、その場の状況に応じた運転ができます。また、トランスミッションはオートマ(AT)、マニュアル(MT)の2種類があり、それぞれで名称、ギアチェンジの方法が違います。
マニュアルトランスミッションの変速には、クラッチ操作が伴います。クラッチペダルを踏むことで、エンジンとトランスミッション間の駆動伝達が遮断されるため、エンジンからの駆動力が伝わらなくなるのです。この状態のまま変速操作を行いまたクラッチペダルを戻せば、エンジンとトランスミッションが再度接続されます。これが動力が伝わる仕組みとなるのです。
ほとんどのマニュアルトランスミッションはシンクロメッシュ機構が採用されており、非常にスムーズにギアチェンジできるのが特徴になります。
マニュアル車のギアには、主に以下のものがあります。
1(L)
1はローギアのことです。マニュアル車を運転する場合、発進時に使用するのがローギアです。ローギアから徐々に動力を伝えていき、タイヤ側の円盤が回転して車が動き出すのです。ローギアは急な坂道の走行にも使用するため、使用頻度が多くなります。
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2はセカンドギアのことです。マニュアル車はローギアで発進して徐々にスピードが出てきたら、セカンドギアに切り替えます。マニュアル車はクラッチを使いゆっくり動力を伝えていくため、セカンドギアは段階的に加速していくのに必須となるギアとなるのです。発進後の加速のために使用するのが目的で、メインで使用することがないのがセカンドギアとなります。
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3はサードギアのことです。これはセカンドギアの次に使うギアで、セカンドギアで運転しスピードが出てきた後にサードギアに切り替えるのです。サードギアは、およそ時速30kmほどのスピードが出せます。サードギアは段階的な加速のために使用するのですが、狭い路地を走行する場合や、住宅地などあまりスピードを出せない場所を運転する場合にも使用します。
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4はトップギアのことです。トップギアは、走行中に最も使用するギアとなります。ローギアからサードギアへと切り替えた後に、トップギアにして加速していくのです。トップギアではおよそ60kmほどのスピードが出せるので、一般道を走行する際にはトップギアを使用することになります。信号待ちで停止するときはトップギアのままブレーキを踏んで、速度が落ちるとギアを変えていくようにします。
5
5はオーバートップギアのことです。オーバートップギアは高速道路での走行時に使用します。また、マニュアル車で高速道路を運転する場合には合流時にギアチェンジも行うことになるため、慣れないうちは操作が難しく注意が必要です。高速道路を走行する際には、ギアチェンジ、そして、後方確認を同時にできるようにならないといけません。
R
Rはバックギアのことです。これは、オートマ車のRつまり、リバースギアと一緒です。オートマ車との違いは、マニュアル車でバックする際はクラッチを使用しながら行うことです。半クラッチで速度を調整してバックすることになるため、慣れないうちは戸惑う可能性があるでしょう。クラッチペダルを頻繁に踏むため、うまくできないとエンストしてしまいます。そのために、慎重に操作しなければならないのです。
トラックにおけるマニュアルトランスミッションのメリット
トラックがマニュアルトランスミッションであることで、以下のようなメリットがあります。
燃費が良い
トラックにおけるマニュアルトランスミッションのメリット1つ目は、燃費が良いということです。マニュアル車は自分自身でギアをチェンジする必要がありますが、その分適切なギアで走行することができるため、燃費の向上につながります。オートマ車だとそうはいかず、燃費が悪くなりがちなのです。これがマニュアル車の強みとなるでしょう。
耐久性が高い
トラックにおけるマニュアルトランスミッションのメリット2つ目は、耐久性が高いことです。マニュアル車は構造が比較的単純なことから、耐久性が高く、故障しにくいのが大きなメリットとなります。故障しにくいと、その分長く使用することができるため、とてもコストパフォーマンスが良いと言えるでしょう。
導入コストが低い
トラックにおけるマニュアルトランスミッションのメリット3つ目は、導入コストが低いことです。マニュアル車は製造コストが安く済むことから、車体価格も安いのです。ですので、導入コストを考えても、お得に購入することができます。これは、トラック会社にとっては非常に大きいことですし、もし、導入費用が高ければ、思うようにトラックを購入することができず、死活問題となります。
自動で進まない
トラックにおけるマニュアルトランスミッションのメリット4つ目は、自動で進まないことです。オートマ車の場合、ブレーキを踏んでおかなければ、クリープ現象で勝手に車が動いてしまいます。そうなると、事故を起こす原因となってしまうので注意が必要です。しかし、マニュアル車の場合、クリープ現象の心配がないのがメリットとなります。
アクセルとブレーキの踏み間違いリスクが少ない
トラックにおけるマニュアルトランスミッションのメリット5つ目は、アクセルとブレーキの踏み間違いリスクが少ないことです。残念なことに、毎年必ずと言っていいほど、アクセルとブレーキの踏み間違いによる死亡事故が発生しています。これは、オートマ車特有の事故となっており、クラッチのないオートマ車において頻繁に起こる事故なのです。一方で、マニュアル車の場合はクラッチ操作も必要となることから、アクセルとブレーキの踏み間違い事故が少ないのがメリットとなります。
トラックのギアチェンジをスムーズに行うコツ
トラックの運転時、以下のようなコツを掴むとギアチェンジがスムーズになります。
発進時のコツ
発進時のコツは、エンストしないように、適切な操作を行うことです。まず、左足でクラッチ、右足でブレーキを踏み、しっかり踏み込んでいきます。そして、左足はそのままの状態で、右足で徐々にアクセルを強く踏んでいきます。
メーターを確認し、エンジンの回転数が2,000~2,500になれば、それを維持。次にクラッチを踏み込んでいた左足をゆっくりと離していき、発進し始めれば、その状態で半クラッチを維持してください。その後、徐々にクラッチから足を離し、操作に慣れてくれば、クラッチからゆっくり足を離したり、アクセルをゆっくり踏み込んだりし、エンストが起こらないように注意しましょう。
加速時のコツ
加速時のコツは、次のギアにチェンジすることを想定し、スムーズにつながるようなスピードにすることです。もし、加速が足りなければ4速にギアチェンジしてもノッキングを起こしたり、反対にスピードを出し過ぎたりすると、4速でもエンジンの回転数が高くなり過ぎるのです。そこで、メーターを確認しながら、適切な速度で走行できるようにしてください。
さらには、クラッチを切る同じタイミングでアクセルを離すのも加速のコツとなります。クラッチを切るのが早ければ、エンジンがニュートラル状態で空ぶかしになってしまいますし、アクセルを離すのが早ければ、エンジンブレーキがかかり減速してしまうのです。そのため、同じタイミングで操作するのがポイントとなります。
減速時のコツ
ギアチェンジ前に、しっかりと速度を落としておくことです。減速が甘ければ、ギアをつないだ際に回転数が上がり過ぎてしまい、ショックが大きくなるのです。
また、変速先のギアの選び方もコツとなります。加速時は基本1つずつギアを上げていくのですが、減速時は状況に応じて5速から3速というように、1つ飛ばしでギアチェンジを行うケースもあるのです。加えて、クラッチの戻し方も大事で、2速や3速といった低いギアのときは、クラッチはゆっくりと戻し優しくつなぐのがコツとなります。
トラックのギアが入らない主な原因と症状
ミッション系統
トランスミッション本体の問題が原因で発生するのが、ミッション系統のトラブルになります。これは、特定のギアが入らなかったり、停車時にエンジン停止状態でもギアが入らなかったりの症状が起こるのが特徴です。原因としては、ミッション内部のギアの摩耗が理由の場合が多いと言えます。
クラッチ系統
クラッチが完全に切れなくなっているのが、クラッチ系統のトラブルです。症状は、クラッチが完全に切れていない状態で変速しても、ギア鳴りが生じギアが入らないことです。
ワイヤー式クラッチならば、遊びの調整、油圧式ならば、レリーズシリンダあるいは、マスターシリンダからの油漏れの確認やエア抜きで改善できることがあります。しかし、クラッチのレリーズベアリングの動きが悪くクラッチが入らないという場合、オーバーホールが必要となるのです。
ミッションリンク系統
シフトレバーおよび、トランスミッションを接続するミッションリンゲージの不具合でギアが入らないという症状が発生することもあります。そのため、ミッションリンク系統が原因となっていることも考えられるでしょう。
ワイヤーが正常に動かない、ロッドブッシュの摩耗がギアトラブルの原因となっている可能性もあるため、注意してください。
トラックのギアが入らない場合の対処方法
トラックのギアが入らない場合の対処方法ですが、それは原因により異なります。クラッチが原因の場合には、クラッチワイヤーあるいは、固定プレートやロッドジョイントの調整で対処できる可能性があります。調整をすればしばらく走行することができますが、できるだけ早く整備工場などで整備してもらうのが良いでしょう。
また、シンクロが原因の場合には、ダブルクラッチを用いたシフトチェンジを行うのも対処方法となります。
手順は以下となります。
- クラッチを切り、シフトレバーをニュートラルに
- クラッチをつなぎ、アクセルを踏み込む
- クラッチを切り、シフト操作を行う
- クラッチをつなぐ
これを実践することで、問題が解決できる可能性があります。ダブルクラッチは、エンジンの回転数を合わせギアを入れるのです。
トラックのシフトノブの選び方
トラックのシフトノブには、さまざまなものが存在するため、選ぶのに苦労するという方も多いでしょう。そこで、安全性や、デザイン、握りやすさ、機能性も考慮しながら、あなたに最適なものを選べるようにしてください。
例えば、握る部分が棒状のものや丸型のものなどがあるので、好みの形かに近いものを選びましょう。また、握りやすいかも重要なため、手の大きさに合わせて、より握りやすいものにしましょう。そうすることで、気分転換にもなりますし、運転が楽しくなります。
トラックのギアの仕組みまとめ
ここまで、トラックのギアの仕組み、運転時のコツ、そして、故障の原因や対処方法などについて解説してきました。トラックのギアの仕組みをしっかりと理解することで、より安全への意識が高まります。
また、運転時のコツを知っておくことで、トラックの故障の原因を防ぐこともできるでしょう。万が一故障、アクシデントが発生した場合でも、対処方法を知っておけば、落ち着いて行動することができます。
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