トラックの重さの基礎知識|最大積載量、車両総重量、減トンとは?
公開 : 2023/12/19更新 : 2024/03/27
みなさん、こんにちは! トラック王国の展示場スタッフ、全国 展子(ぜんこく てんこ)と申します!
今回はトラックに関する重さと、過積載についてご紹介します!
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「小型から大型までのトラックの重量について知りたい」「過積載の罰則とは?」
これからトラックを仕事で活用する方は、このような疑問が浮かぶかと思います。
今回はトラックの重量にまつわる詳細についてと、過積載の罰則などについてお伝えします。
トラックに関する重さの主な種類
トラックには、重さの名前にもさまざまな種類があります。
トラックに関する重さの主な種類やその計算方法を以下でご紹介していきます。
最大積載量
最大積載量とは、荷物を積むことができる最大重量の事を言います。
トラックの荷台に最大積載量以上の荷物を載せてしまうと、荷物の落下・事故の原因となってしまうこともあるため、最大積載量を超えると罰則の対象となります。
車検証には最大積載量がどれくらいなのかが書かれているので、
その数値を超えないようにする必要があります。
最大積載量の求め方は、以下のようになっています。
最大積載量=車両総重量-(車両重量+乗車定員×55kg)
最大積載量をもう少し詳しく説明すると、トラックなどの貨物車がガソリンや乗車定員も満員の状態で、
車両総重量を超えずに積載することができる荷物の総量のことを言います。
車両総重量
車両総重量とは、車両重量に加えて、乗車が許される定員と最大積載量の荷物を積んだ状態での重さのことを言います。
車両総重量の計算方法は、以下のようになります。
車両総重量=車両重量+(乗車定員×55kg)+最大積載量
車両総重量が決められた重さ以下になるよう、トラックメーカーは車両重量と積載量を設計しています。
車両重量
車両重量とは、車体本体にガソリンが満タンの状態で、エンジンオイル、冷却水、バッテリー、架装などを足した重量のことを言います。
今すぐに人が乗って運転できる状態の車の重さが、車両重量となります。
車両重量で注意したいのは、乗員、荷物、スペアタイヤ、工具などは含まれないということですね。
軸重
軸重とは、トラックの車軸にかかる重量の事を指しています。
トラックは軸重が10トンを超えてはいけないと道路交通法で決まっています。
知らない間に軸重が10トンを超えてしまったということもあるかもしれませんが、
国道あるいは高速道路の料金所には軸重計というものがあり軸重が測定がされることから、超過しているとすぐにわかってしまいます。
もし、軸重が20トンを超えた状態で1ヶ月に2回以上走行していたことが確認されたときは、警告書が発行されるので注意してください。
軸荷重
軸荷重は、一本の車輪(タイヤ)にかかる重量が、5トンと超えてはならないとされています。
軸重と軸荷重が少しややこしいかもしれませんが、この両者について理解を深めておくことが大切です。
【サイズ別】最大積載量、車両総重量の目安
小型トラック
2トントラックとも呼ばれる小型トラックの目安として、最大積載量は2トン~2.9トン、車両総重量は5トン未満となっています。普通自動車免許があれば、どなたでも運転することができる小型トラックは、少ない荷物、比較的軽い荷物を多く載せて運ぶ際にとても便利なのが特徴です。
中型トラックや大型トラックに比べると最大積載量、車両総重量が少ないことからも、小型トラックは短距離の移動、少ない荷物を運ぶのに最適と言えます。
中型トラック
4トントラックとも呼ばれる中型トラックの目安として、最大積載量6.5トン以内、車両総重量は5トン以上~11トン未満となっています。中型トラックは中距離あるいは長距離の運送にも利用できることから、引っ越しや食品の運搬などにも度々使用されるのが特徴です。
利便性が高く、小型トラックに比べて積載することができる荷物の量が多いために、かなり重宝されています。中型免許以上あれば、運転することが可能です。
大型トラック
大型トラックの目安として、最大積載量は6.5トン以上、車両総重量は11トン以上となっています。大型トラックの場合、中型トラックよりさらに積載量が多いことから、たくさんの荷物を一気に運びたいときにとても便利な存在です。
こちらは遠方への運送を目的とすることが多く、近距離ではなく遠距離の荷物の運搬時に最適となります。
また、大型トラックの場合は、最遠軸距(ホイールベース)により制限に違いがあります。最遠軸距とは、トラックの最前部の車軸中心から最後部の車軸中心までの水平距離を指します。
道路や橋梁への集中的な負荷を考慮し、最遠軸距(ホイールベース)に応じた最大積載量の決まりがあるのです。いくら大型トラックで荷物を大量に積載できるからといって、最大積載量以上の荷物を積み込むのは危険ですし、事故につながる可能性が高いため、最遠軸距により制限に違いがあります。
才数との違いは?
才数とは、物流業界で容積を表す単位として使用されるものです。最大積載量の場合、車両総重量から車両および乗員の重量を差し引いたものを指しますが、才数は最大積載量の7〜8割程度とされているのが特徴となります。
運搬の際に過積載となることを防ぐために、最大積載量のギリギリまで詰め込まないのです。
減トン・増トンの基礎知識
ここからは、トラックの最大積載量を減らしたり増やしたりする、減トン・増トンについてお伝えします。
減トンの意味とメリット・デメリット
減トンとは、通常よりも最大積載量が少ないトラックのことです。架装の都合で通常よりも最大積載量が減ってしまうケースもあるかと思いますが、その場合も減トンとなります。
普通に考えれば、最大積載量を少なくするのは不利に思えますが、減トンにはメリットとデメリットの両方があるのです。
減トンのメリットですが、それは自動車税と自賠責保険を安く抑えられることです。トラックの自動車税というのは、最大積載量と比例しています。そのため、減トンすることで自動車税が下がりますし、トラックにかける自賠責保険は最大積載量2トンを境に保険料が変わることから、自賠責保険を安くできる可能性が高いのです。
反対に減トンのデメリットとして、荷物を積める量が減ってしまうことです。特にたくさんの荷物を載せて走行したいという方には、少し不便に感じてしまうでしょう。
ですが、元々最大積載量の8割程度に抑えた状態で走行している方には、そこまでのデメリットとはならないかもしれません。
増トンの意味とメリット・デメリット
増トンとは、通常のトラックに比べて積載量の多いトラックのことです。メーカーは6.5トン、8トンという積載量のトラックを製造しているため、これらは増トントラックとなります。中型トラックの場合、4トンほどの積載量となっていることから、中には物足りなく感じてしまう方もいるでしょう。そのような方にとって、増トントラックは魅力を感じるはずです。
そんな増トンにも、メリットとデメリットの両方があります。
まず増トンのメリットですが、それは中型規格であるにもかかわらず、積載量が多いことです。増トンにより、載せられる荷物の量が増えるため、かなり利便性が高いでしょう。
また、増トン中型トラックは大型トラックに比べて価格が安いため、そこも大きなメリットとなります。
一方で増トンのデメリットとして、架装の重量などにより、中型トラックでも大型トラックとしてみなされる場合があることです。中型免許の規定値を越えてしまうと、大型免許が必要となるため、そこは注意しなければなりません。
そして、標準車両に比べて税金が高いのもデメリットとなります。また、積載量が上がると維持費も高くなるために、何かと大変と言えるでしょう。
減トン・増トンを行う方法
減トンを行うには、タイヤのプライ数(強度)を下げて積載量を下げれば、減トンすることが可能です。トラックのプライ数は積載量に対応しなければならず、必然的に積載量が下がる計算になります。そもそも、下げなければ違反となります。
一方で増トンを行うには、中型トラックの車軸あるいはフレームを強化して車両重量を増やし、積載量を6.5トンや8トンまで増やすというやり方があります。2007年に道路交通法が改正されて4トン車の車両総重量が11トン未満となったことで、増トンが可能になりました。
過積載の基礎知識
ここからは、積載量が超過した状態である「過積載」の詳細についてお伝えします。
過積載とは?
過積載とは、規定の積載量を超えたまま荷物を積んで走行することです。これは法律違反となります。道路路面に大きな負担、損傷を与えるだけでなく、周囲の方たちにとっても非常に危険で、事故の原因ともなってしまいます。そのために、過積載は法律違反となり、罰則の対象となります。
過積載の状態で起こりやすいトラブル
過積載の状態で起こりやすいトラブルとして、ブレーキの利きが悪くなることから、追突事故を起こしやすくなります。あなただけでなく、他人を負傷させてしまうリスクがあるため、過積載をしないようにしてください。
また、衝突時の衝撃もその分大きくなることから、重大事故につながります。
過積載だとバランスも悪くなり、対向車線にはみ出しやすく、カーブでも横転しやすいです。
その他、過積載だと騒音も注意しなければならないため、騒音トラブルにもつながってしまう可能性があります。さまざまなトラブルの原因を作ってしまうので、過積載は何かと危険なのです。
過積載は法律に違反しているということを、しっかりと理解することが大切です。
過積載の罰則
過積載には罰則があります。
中型、大型トラックだと、過積載の割合が5割未満であれば、違反点数2点、反則金3万円です。過積載の割合が5割以上10割未満だと、違反点数3点、反則金4万円となります。
もし、過積載の割合が10割以上ならば、違反点数6点、そして、6月以下の懲役または10万円以下の罰金となります。
過積載をすると、罰則を受けることになるということを知っておきましょう。
できるだけ多く荷物を載せたいという気持ちはわかりますが、罰則がありますし、非常に危険性が高くなります。
さらに、「車両使用停止処分」や「事業停止処分」といった罰則に処される可能性もあるため、過積載の状態でトラックを走行させてはいけないことを理解しておきましょう。あなたはもちろんですが、他の人のことを考慮しても過積載をしてはいけないのです。
トラックの重量まとめ
ここまで、トラックの重さの基礎知識、最大積載量、車両総重量、減トン、増トン、過積載や罰則などについて解説してきました。トラックを走行する場合には、注意しなければならない点も多くあり、最大積載量、車両総重量の知識を深めておくことが大切です。また、過剰積載はとても危険なため、それによって事故を起こしてしまう可能性が高くなりますし、罰則がつくことがあります。そのようなことがないよう積載量を守って運行しましょう!
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