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トラック王国ジャーナル

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トラックのトランスミッションの構造と種類、主な故障の症状・対策

公開 : 2024/01/30更新 : 2024/06/14

20240130_truck_transmission 全国展子 みなさん、こんにちは! トラック王国の展示場スタッフ、全国 展子(ぜんこく てんこ)と申します!
今回はトランスミッションのご紹介です!ブックマーク登録もよろしくお願いします!

トラックには主要な部分の一つにトランスミッションがあります。エンジンや車体についてはよく聞きますが、トランスミッションとはどのような役割をする部分でしょうか?エンジンは車の大きさで排気量が大きくなりますが、トランスミッションは小型、中型、大型で役割そのものにあまり差はありません。むしろ、マニュアル、オートマチック、セミオートマとさらにCVTによって操作の仕方が変わります。

その種類によって、ドライバーの負担を軽減するための構造や安全に運転できる秘密が!中にはGPSと連動?今回はトランスミッションに焦点を当ててみました。プロの整備さんに聞いた話も含めて、是非参考にしてみて下さい。

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トラックのトランスミッションとは?

トラックに搭載されているトランスミッションとは、どのような働きをするのでしょうか?トランスミッション=変速の仕組みを指します。エンジンからタイヤに動力を繋げるまでの間に、ギアを変えてその時のベストな速度に合わせたギアでトラックがスムーズに走ります。自転車のギアと働きは一緒です。漕ぎ出しは力がいるのでダイレクトに足の力を動力に変えます。さらにスピードに乗ってくるとあまり力は必要とせず、軽い力で動力を伝えて足の回転数が多くなります。この時の足の力がトラックでいうエンジンなのです。

トランスミッションの役割が無ければいつまでも力ばかりかかってしまい、燃費の効率が悪くなります。つまり一生懸命に自転車をこいでも一向にスピードが上がらずに疲れてしまうので、トラックでいう燃費が悪い状態を作ってしまいます。

トランスミッションの構造

トランスミッションはギアチェンジの構造全体を指します。ギアとは歯車の事で、自転車のようにむき出しではなくギアボックスと呼ばれる大きなケースに入っています。まずエンジンが回転するとその動力をメインシャフトがクラッチからギアボックスを経てタイヤへ伝達します。ではそのギアボックスの中はどうなっているのでしょう?

ギアボックスの中を見てみると、歯車がいくつもつながっています。厳密にいうと繋がっていないのですが、シフトレバーでギアを選択してはじめてギアとシャフトがつながって動力を伝えます。

ギアボックスの前にあるクラッチは、エンジンからの動力をいったん繋げないように二枚のクラッチ板という円盤をくっつけたり切り離したりする役目があります。トランスミッションはこの一連の流れの事を言います。自転車は簡単にギアが切り替わりますが、トラックのような大型のものは馬力があり、このクラッチが無いとギアチェンジは不可能です。またシンクロリングは、ギア比が違う動きを滑りながら同期させていく働きがあります。

このように滑りながら動力を伝えるクラッチ板や、シンクロナイザーは摩耗していくので消耗品になります。定期的にメンテナンスや交換が必要です。また、ギアボックスの中はオイルがないと高温になりシンクロナイザーがうまくかみ合いません。こちらもオイルが汚れたり不足したりするとギアボックス全体の不具合につながります。

トラックのトランスミッションの種類

トランスミッションのギアチェンジを手動で行うか、自動で行うかの違いで種類が分かれます。その種類によって燃費が大きく変わってきます。それを補う仕組みのものや、いいとこどりのミッションがトラックには搭載されています。

MT

マニュアルトランスミッション。これは、クラッチをペダルで切り離して、シフトレバーでギアを選択します。ドライバーの間隔や、エンジンの回転数を見ながらトラックの走行に負担が出ないようにしたり、坂道や走り始めの時など低速での運転はドライバーさんの腕の見せ所です。早めのシフトチェンジで、燃費に大きく差が出ます。さらにエンジンブレーキをかける際にも、ギアの選択によってはスムーズで効率のいい減速につながります。乗用車は5段ほどしかありませんが、トラックは7速まであります。構造がわかりやすいのでメンテナンスが簡単です。

いすゞ自動車のGIGAはエンジンが6UZ1-TCS279kw(380ps)では7速で、それよりエンジンが小さい250kwには9速のマニュアルになっています。

AT

オートマチックトランスミッション。俗に言うオートマです。このトランスミッションはシフトレバーがDドライブしかありません。このDにシフトを入れただけで、コンピューター制御になり、クラッチの切り離しからギアの選択とクラッチのつなぎ戻しまで自動で行います。ドライバーはその間、運転に集中できるので安全に配慮することが出来ます。またマニュアルのようにエンストすることもありません。

ですが、回転数によって車が自動的に進むクリープ現象があるので信号で止まったり渋滞の際にはブレーキを踏んでいなくてはなりません。またギアボックスの中は大変複雑な仕組みでコストが高いトランスミッションです。

AMT

オートメーテッドマニュアルトランスミッション=セミオートマチックトランスミッション。オートマチックですが、マニュアルにも切り替えできる優れもののトランスミッションです。いすゞ自動車のGIGAに搭載されているスムーサーGxは、エンジンが6UZ1-TCS279kw(380ps)は12速で、それよりエンジンが小さい250kwには9速のセミオートマになっています。

このセミオートマは、オートマの時にこう配や積載量に合わせて最適なギアを選択してくれます。このコンピューター制御とGPSが連動して走行する道の特徴をつかみ、こう配の角度やカーブの度合いを先読みしたうえでギア段を判断します。トルク抜けで悪路にも強い特徴があります。

CVT

無段変速機。軽トラックに搭載しているコンパクトなトランスミッションです。こちらはメインのギアが自動で大きくなったり小さくなったりするので、ギアチェンジが不要です。マニュアルトランスミッションのようにギアがいくつも入っていると、ギアボックスの大きさのスペースが必要になりますが、このCVTは車体に搭載するには省スペースで済むので、軽や小型車に多く見られます。実はこのCVTは日本独自に開発したトランスミッションで、中には金属ベルト式のものもあります。

【トランスミッション別】主な故障の症状と対策

ここでトランスミッションの特徴を踏まえて大きなトラブルの原因となる故障の症状と、どんな対策があるのかプロの整備士さんの話も交えて考えてみましょう。

MTの場合

不具合は、シンクロナイザーとのかみ合わせの悪さやクラッチ板の摩耗が考えられます。ギアの入りが悪くなったり、滑りのタイミングが長くなったらメンテナンスの時期を待たずに整備工場で見てもらうことです。マニュアルトランスミッションは構造が簡単です。不具合も割とすぐに見つかりケースが多く、交換も比較的スムーズです。クラッチの交換目安は10万キロか7~8年どちらが早いタイミングでの交換がおすすめです。

ATの場合

故障や不具合は、ギアボックスの中でのケースが多く修理も複雑です。エンジントラブル以外で、走行時に異音がする。がたつきや振動が感じたらギアボックスを疑ってみます。すぐに不具合が見つからない場合はオーバーホールになりますが、分解には時間がかかりその分コストもかかります。ですのでリビルト品などでアッセンブリー交換をする方がかえって安くあがります。

AMTの場合

こちらもATと同じく、構造が複雑です。修理に時間も費用もかかるので、警告灯がついて不具合があったらすぐに整備工場へお願いしましょう。

CVTの場合

CVTはベルトの滑りが悪く、もともと発進時に負担がかかっていました。ベルトの摩耗が多く消耗品なので、切れる前に交換が必要です。最近は金属のチェーンを使用するCVTもあるので、耐摩耗性は上がりました。

トランスミッションの故障の予防策

トランスミッションが故障すると、走行に支障が起きたり修理に時間がかかります。その故障の前にトランスミッションを長持ちさせて、寿命が延びる予防策を調べてみました。

定期的なオイル交換

特にギアボックスの中には、ギアやシンクロナイザーの負担を減らすオイルが使われています。定期的なメンテンナンスでは項目に入っていないかもしれません。エンジンオイルと同じように、オイルは汚れて少しづつ減っていきます。またパッキンのほかオイルシールの硬化でオイル漏れが有るかもしれません。

駐車スペースからトラックをずらした時に、オイル漏れの跡がないか調べてみるのも一つの方法です。メンテナンスは6万キロか1年、どちらか早い方で交換するのが理想です。

負担がかかりにくい運転

主にMTにおける運転方法ですが、いきなり2速発進をしない。エンジンブレーキはトランスミッションにも負荷がかかるので、タイミングを見ながら使用するなど見えない部分に気を配って丁寧な運転を心掛けましょう。

トラックのトランスミッションのまとめ

ここまでトラックのトランスミッションについてお伝えしてきましたが、いかがでしたでしょうか。どんなトラックにもトランスミッションは搭載されていますし、最新のセミオートマは様々な技術の進歩でドライバーの負担を軽減していました。

  • 全国展子

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