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エコノミー症候群大解剖! トラックドライバーは必読の予防・対処法ガイド

全国展子

みなさん、こんにちは! トラック王国の展示場スタッフ、全国 展子(ぜんこく てんこ)と申します!

エコノミー症候群(静脈血栓症)は、脚のむくみ・痛み・しびれ・腫れを感じやすいトラックドライバーにとって他人事ではありません。むしろ発症予備軍と言っても過言ではないでしょう。ただし、原因や予防法・対処法を知っていれば恐るるに足らず! 今回は〝ドライバーのためのエコノミー症候群知識〟を心臓血管外科専門医脈管専門医のDr.加藤に聞いてみました。

エコノミー症候群に注意
[最終更新日]2018年04月26日
※初版は2018年01月31日に公開されました。

心臓血管外科医ドクター加藤

■監修:日本血管外科学会認定医 Dr.加藤一平
東京都北区の明理会中央総合病院で心臓血管外科医長を務める名医。患者の心情を汲んだ親身な診察スタイルが評判を呼び、エコノミー症候群の臨床経験も豊富。
所属:明理会中央総合病院 心臓血管外科

 
近田さん

■執筆:モータージャーナリスト 近田 茂
オートバイ雑誌『モト・ライダー(三栄書房)』創刊スタッフを務めた後、フリーランスに転身。2輪4輪の垣根を持たず、トラック、牽引、大型バスまで幅広く執筆中。

 
編集者前田

■編集:トラック王国ジャーナル編集長 前田絵理
伝説のギャル誌『egg』やカルチャー誌『別冊BUBKA』の編集者を経て、『トラック王国』へ入社。『トラック王国ジャーナル』立ち上げに奔走した結果、2017年 編集長に就任。

 
レッスン1

■エコノミー症候群とトラックドライバーの関係

「エコノミー症候群」と言えば、「飛行機」というイメージを持っていませんか?

〝飛行機のエコノミーシートに長時間乗っていると身体に異変が起きる病気〟、一般的にはそんな印象でしょう。
筆者、モータージャーナリスト近田茂もそう思っていました。

しかし、本当はトラックドライバーとエコノミー症候群にも因果関係があるのです!
運転中に感じる脚のむくみや痛み、しびれ、腫れはエコノミー症候群を引き起こす可能性を秘めています。

まずは筆者とトラック王国ジャーナル編集者が取材した、2人のドライバーの話をご覧ください。

証言1.現役トラガール渡辺かなえさんの場合

トラガール渡辺かなえ

▲建設会社に勤める渡辺かなえさん
実はドライバー歴10年以上のベテラン

「私は住宅の解体材料とかを運んでいて、1日の平均走行距離は120kmくらいかな。運転はキライじゃないんですけど、とにかくトイレに行けない環境なんです! コンビニのトイレも気が引けるし。だから、なるべく水分を摂らない、飲み物は飲まないってスタイルになりました。でも汗は大量にかくから、そのうち脱水とか起こしますかねぇ?」

かなえさんの注意ポイント!
くわしくは下記のエコノミー症候群の【原因】に記載しますが、水分の摂取不足は心配要素のひとつです。体調不良に陥りやすいうえ、実はエコノミー症候群のリスクも上げてしまっています。

証言2.運送会社勤務・宅配ドライバーSの場合

トラック運転手

▲超大手運送会社に5年勤めるSさん(35歳)
奥は筆者の近田

「僕は宅配ドライバーなので、長距離の方よりはエコノミー症候群になりにくい気はします。でも、狭い運転席にずっといて体が固定されていますから、脚のむくみや腰痛は慢性的で、うっ血している感じもあります。人材不足でオーバーワークだし、ストレスフルですよ(笑)。休憩中は、運転席をリクライニングさせて寝ていましたが、最近は寝返りできる広いスペースを確保して休むようにしています。それでだいぶ楽になりましたね。
会社も、整体院の格安利用券を配布するなどの配慮はしてくれています」

S氏の注意ポイント!
くわしくは下記のエコノミー症候群の【症状】に記載しますが、ずっと運転席で同じ体勢をとる生活や脚のむくみは不安要素です。
また、今は改善されているようですがリクライニングさせた運転席で休むのも危険。やむを得ない場合は、お行儀が悪くとも脚を上げて動かすようにしましょう。

 

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それでは、日本血管外科学会の認定医である加藤一平先生に伺った情報をもとに、エコノミー症候群の症状・原因・予防法・対処法をお送りいたします。

ドクターへの取材風景

▲エコノミー症候群を力説するDr.加藤。
アツい魂を持った情熱的なお医者さまです!

 
レッスン2

■エコノミー症候群とは?

エコノミー症候群という名前は、俗称です。
医療の世界ではエコノミーシンドロームやLFT(ロングフライト血栓症)と呼ばれており、医学的な正式名称を静脈血栓症(じょうみゃくけっせんしょう)といいます。
その名の通り、循環器系の静脈で起きる血液トラブルがエコノミー症候群の正体です!

まずは、血液の流れについて少しだけ触れておきましょう。
血液は、心臓のポンプ作用を利用して動脈から全身へ流れ、グルッと回った後に静脈を通って心臓へ戻ります。

血液の循環

▲正しい血液の流れ方

脚(下肢)の部分では、ふくらはぎなどの筋肉の動きを利用して血液が流れています。

つまり! 座りっぱなしで筋肉を動かさないでいると、血流はどんどん悪化する仕組みなのです。しまいには血液が凝固して、脚の静脈に血栓(けっせん)という血の塊ができることを避けられません。

血栓は、脚の動きを再開すると肺まで一気に飛んで肺動脈を詰まらせる恐れをもつ物体。
そして、肺動脈が詰まれば血液は体内を正しく循環できなくなります。

発症のきっかけ

この一連の身体的異変こそが、トラックドライバーも危惧するべきエコノミー症候群なのです。

このように、肺動脈が詰まる原因の多くは脚の静脈にできた血栓により引き起こされるため、エコノミー症候群は〝静脈の病気〟と言われています。

 
レッスン3

■エコノミー症候群の【症状】

エコノミー症候群には、様々な予兆や症状があります。
脚の静脈だけに血栓があり発症に至らない人も多い反面、肺動脈まで血栓が飛んで死に至るケースまであるので侮れません。

痛み

1.脚の静脈だけに血栓がみられるケース

エコノミー症候群の初発症状としては、脚の静脈内血栓によるふくらはぎのむくみ痛みしびれ腫れがあります。

ふくらはぎには正しい血流をサポートする毛細血管がたくさんあるので、軽症で済む方もいます。

しかし、血流が悪くなるとさらに血栓が増えて、少しずつ体調が崩れていきます。
長時間運転時のむくみ・痛み・しびれ・腫れは、初発症状の可能性があります。危険信号と捉えて危機意識を持つようにしてください。

2.肺動脈まで血栓が飛んでしまうケース

一方、突然の息切れが起こり、失神に至る重症ケースもあります。

これは長時間運転している間に血栓ができ、数時間ぶりに運転席から降りた瞬間、血栓が脚から肺に飛んで肺動脈を詰まらせたことが推測されます。

血栓が大きいほどハイリスクになると言われていますが、症状が出やすい人出にくい人は、何がちがうのでしょう?
Dr.加藤いわく「一概には言えませんが、あまり水分を摂らない人やタバコを吸う方は注意が必要です」とのこと。

その理由については、次の【原因】の段落を見てみましょう!

 
レッスン4

■エコノミー症候群の【原因】

エコノミー症候群の原因は、先天性の症例を除くと次の3つが考えられます。

3大原因

1.血流の停滞←トラックドライバーは特に注意!
血の戻りが悪い状態のこと。
2.凝固能亢進(ぎょうこのうこうしん)←トラックドライバーは特に注意!
血液がドロドロになっている状態のこと。
3.血管内皮障害(けっかんないひしょうがい)
身体に傷が付いて流血を防ごうとした結果、血が固まる状態のこと。

ドライバーが気をつけるべきは、血流の停滞凝固能亢進です。

血流の停滞は、同じ姿勢を長時間続けて血管が圧迫されると起こります。
正座で脚がしびれるのと同じメカニズムですが、進行すればエコノミー症候群になり得るのですから侮れません。特に、中・長距離ドライバーは要注意です!

凝固能亢進は、脱水(水分不足)で起こります。
ドライバーは眠気防止にコーヒーをよく飲みますが、カフェインを摂取すると利尿作用が促進されて、身体から大量の水分が出ます。
そのわりに、運転中は水分補給しにくい業務スタイルなので血液がドロドロになってしまいます。

 
レッスン5

■エコノミー症候群の【予防法】

最大の予防は、エコノミー症候群の原因を作らないことが大切。具体的な予防法は次の5つです。

1.ふくらはぎをほぐす

ふくらはぎのマッサージ

運転中は身体が動いていなく、緊張状態にもあります。
ふくらはぎの固まりをほぐし、意識的にリラックスさせてください。

どんなに輸送スケジュールがキツくても、2時間に1回は休憩をとって背筋を伸ばし踵も上下させてください。
トラックから降りるだけでも、エコノミー症候群の予防になります。

できればトイレ休憩時も、あえて遠いところに駐車して積極的に歩きましょう!

2.マメに水分補給する

水分補給

体内の水分が減少すると血液はドロドロになり、血栓ができやすくなります。

喉が乾くよりも先に、とにかくお水を飲みましょう。
食事中も水分補給を忘れないでください。

なるべく、普通のお水が好ましいです。

3.弾性(着圧)ソックスをはく

着圧ソックス

弾性ソックスとは、脚を圧迫させるソックスのこと。
外側から適度な力が入ると循環が速くなり、筋肉のポンプ作用を強化できます。
血流が促進され、むくみも防げるので仕事用に揃えておくと良いでしょう。

特に医療用である必要はありません。
1足1,000円程度から、ディスカウントショップやネット通販で購入できます。

4.冷えを予防する

冷えの対策

冷えは血流の低下を招きます。
特に、冬は寒さから血管が収縮しやすい季節です。

荷役作業ができる程度に手脚の防寒対策を行い、血流を促進させましょう。

5.禁煙する

禁煙

タバコは血管に負担をかけます。
収縮作用が高く血液の粘度も上昇、ドロドロになるのは医学的にも明らかです。

エコノミー症候群との直接的な因果関係こそ証明されてはいませんが、血流が阻害されるのは間違いありません。

ぜひ、ドライバー仲間と禁煙にチャレンジしてください!

 
レッスン6

■エコノミー症候群の【対処・治療法】

むくみや痛みがひどく、「もしかしてエコノミー症候群…?」とまで思ったら、やはり病院に行くのがベストです。

病院

血管外科循環器内科へ行けば、下記のような治療を受けることができます。

 

1.薬の投与治療

病院では、血液の状態を診て最適な薬が処方されます。

主な薬の種類

・血液抗凝固薬
血液を固まらせないようにする薬のこと。
代表的な薬はワルファリン。もしくは、さらに新しい薬である直接経口抗凝固薬。
錠剤などの、定期的に飲む経口服用タイプであることが多い。
・血栓溶解薬
血液の塊である血栓を溶かす薬のこと。
代表的な薬はウロキナーゼ。抗凝固薬より強力で、点滴や静脈注射で投与することが多い。
 

2.カテーテルで血管内治療

カテーテルとは、点滴などでも使われる医療用の管(チューブ)のこと。
症状が重いときはカテーテルを血管栓塞部分に通して血栓を吸引、もしくは粉砕する治療を行います。

高度な技術と設備が必要なので、大学病院や総合病院に限られた治療法です。

不安がある方は、ふくらはぎにむくみ・痛み・しびれ・腫れを感じた時点で血管外科や循環器内科のある病院で診てもらいましょう!

 
レッスン7

■エコノミー症候群まとめ

今回は、エコノミー症候群の中でもトラックドライバーが注意するべき行動や予防法、対処法をお伝えしました。自分自身はもちろん大切な人のためにも、下記に気をつけて健やかなドライバーライフを過ごしてくださいね!

注意するべき行動
・体勢を変えずに運転を続けること
(ずっと脚を動かさずにいると、ふくらはぎに血栓ができてトラックから降りようとした瞬間に発症する恐れがある)
予防の方法
・2時間に1回は休憩して脚を動かし、ふくらはぎをほぐす
・よく水をよく飲む。食事中にも水分補給を忘れない
・弾性ソックスを着用し、ふくらはぎを適度に圧迫させる
・寒い季節には手脚の防寒対策を行い、血流を促す
・サラサラな血液を維持するために、できれば禁煙する
対処の方法
・体を動かしたときに、何らかの異変を感じたら病院へ!
(不安があれば、むくみを感じた時点で診てもらいましょう)

トラック姫

最悪の場合、死んじゃうなんてこわいトラ!

全国展子

平気ですよ、トラック姫の脚はタイヤじゃないですか

トラック姫

展子ちゃんがサラッと差別発言したトラ!!

トラック王

大丈夫じゃ、姫。ワシらには血の代わりに熱いオイルが通っておるッ!!

トラック姫

パパ王〜! 大好きトラ〜!!!

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