トラックのエアドライヤーとは?構造と故障の症状、交換の時期・費用
公開 : 2024/01/16更新 : 2024/05/10
みなさん、こんにちは! トラック王国の展示場スタッフ、全国 展子(ぜんこく てんこ)と申します!
今回はエアドライヤーのご紹介です!ブックマーク登録もよろしくお願いします!
「エアドライヤーとは?」「特徴や構造はどうなっている?」
エアドライヤーはエアブレーキ搭載の車両には必須と言えるものです。
今回はエアドライヤーの構造や特徴、故障の症状、交換の時期・費用などについて調べてみました。
エアドライヤーとは?
トラックのエアドライヤーとは、トラックが安全に走行するために必要不可欠となる部品のことです。外気から取り込んだ空気に含まれる水分や油分といった余分なものを、エアドライヤー内にある乾燥剤とフィルタで乾燥・除去することができるのです。中型トラックや大型トラックには、たいていの車両で装備されているのがこのエアドライヤーとなります。
トラックはたくさんの荷物を積んでいる大きな車両ですし、安全にトラックを走行するために必要なのがエアドライヤーなのです。中型トラック以上の車両にはパワフルな制動力を発生させるエアブレーキが搭載されているために、エアブレーキにはエアドライヤーが必須となるのです。
下記で、なぜエアブレーキ搭載の車両にはエアドライヤーが必須なのかを解説していきます。
エアブレーキ搭載トラックにエアドライヤーが必要な理由
エアブレーキ搭載トラックにエアドライヤーが必要な理由ですが、それは質の良い圧縮エアを作り出すのにエアドライヤーが必須となるためです。エアブレーキを正常に機能させるのに必要なエアタンクに充填された圧縮エアは、バタ踏み等によりエア切れが起きれば制動機能が正常に作動しなくなります。
エアブレーキに使用される圧縮エアーは湿度も高くなることから、高温多湿な状態となり、エアブレーキが正常に機能しなくなってしまうのです。
その結果、ブレーキが正常に作動せずトラックはとても危険な状態になってしまい、安全に減速、停車できなくなってしまいます。これを解消してくれるのがエアドライヤーなのです。
そのために、エアドライヤーはエアブレーキとセットで覚えておくのが良いでしょう。エアブレーキ搭載のトラックは、エアドライヤーがなければ成り立たないのです。トラックの正常な走行をサポートしてくれるのが、エアドライヤーとなります。圧縮エアーの余分な水分や油分を除去することができることから、とても機能性に優れているのです。そんなエアドライヤーの構造は、主に次のようになっています。
エアドライヤーの構造
乾燥剤
圧縮エアーの水分や油分を取り除くことができるエアドライヤーの主要パーツが「乾燥剤」。エアドライヤー内部にあり白い粒状の乾燥剤は、1粒におよそ200万個のへこみがあります。そんなへこみが水分あるいは、油分を吸着し除去するのです。
エキゾーストバルブ
エキゾーストバルブは、ガバナからの指令を受けて除湿・再生作業を行うバルブであり、排気弁・排気パルプとも呼ばれる燃焼ガスを排出するための弁のことを言います。高温の圧縮エアを排出することから、耐熱性がとても高いのが特徴です。バルブシートに密着して、気密を保持する形状が重要となっています。
チェックバルブ
チェックバルブは、圧縮エアの流れを一定に保てるようにするための逆止弁であり、圧縮エアラインの清浄作動に必要不可欠となるパーツのことを言います。万が一逆流した際には、弁体に背圧が生じて自動的に逆流を防止できる仕組みとなっているのです。
ガバナ
カバナは、圧縮エアラインの圧力検知を行って、コンプレッサーあるいはエアドライヤーの作動を制御するのが特徴となります。エアドライヤーの動作をうまくコントロールしてくれることから、ガバナも重要な役割を担っているのです。
エアドライヤーの制御方式の主な種類
電気制御式
エアロバイヤーの制御方式の主な種類1つ目は、「電気制御式」です。
電気制御式は、トラックの電子制御ユニットを使用するエアドライヤーで、カートリッジの寿命をモニタリングすることが可能なのが特徴となります。
モジュール式
エアロバイヤーの制御方式の主な種類2つ目は、「モジュール式」です。
モジュール式は、乾燥、再生エア用のパージタンク一体型のエアドライヤーで、良質なメンテナンスを行うことができるのが特徴です。
タイマーパージ式
エアロバイヤーの制御方式の主な種類3つ目は、「タイマーパージ式」です。
タイマーパージ式は、パージタンクを必要としないコンパクトタイプのエアドライヤーで本体に再生タイマーを搭載していて、乾燥剤の乾燥を行います。
エアドライヤーが故障するとどうなる?
利便性の非常に高いエアドライヤーですが、消耗品であることから故障することもあります。エアドライヤーが万が一故障してしまうと、トラックに大きな影響が出てしまうのです。
エアドライヤーが故障すれば、乾燥剤に吸着した油分を除去することができません。
油分を含んだ乾燥剤は劣化してしまうことから、そのまま放置して交換しなければ、ブレーキおよび、駆動系の動作が正常に行えずトラックに悪影響を及ぼしてしまうのです。
そうなれば、トラックを走行するのは大変危険です。ブレーキが正常に作動しなければ衝突事故を起こしてしまう恐れもありますし、最悪の場合には人の命を奪ってしまうことにもなりかねないのです。
それほどエアドライヤーの故障というのは、トラックにとって大きな影響を及ぼすことになります。そのようなことがないように、エアドライヤーの定期点検と交換が必要となるのです。機能性の維持、そして安全のためにもエアドライヤーの定期点検と交換は必須だということを知っておきましょう。
エアドライヤーの故障の症状として、次のようなことが挙げられます。
乾燥剤:ブレーキの動作不良
エキゾーズトバルブ:ブレーキの動作不良や駆動系の動作不良
チェックバルブ:ブレーキの動作不良や駆動系の動作不良
ガバナ:ブレーキの動作不良や駆動系の動作不良
このような症状が現れたときは、十分に注意してください。そうしなければ、大きな事故へと発展してしまうことが考えられるからです。ブレーキの動作不良というのは、トラックにおいて重大で致命的と言えます。大きなトラブル・事故にならないためにも、エアドライヤーが故障したときにはすぐに交換をするなど対処するようにしてください。
エアドライヤー交換の時期と費用の目安
交換時期の目安
エアドライヤーの交換時期の目安ですが、中型トラックだと1年あるいは、走行距離60,000kmごと、大型トラックであれば、1年あるいは、100,000kmごとにエアドライヤーの定期点検を行って、交換が必要そうならば交換するのが良いでしょう。それ以上の距離を走行すると乾燥剤の劣化を招いてしまい、ブレーキ系あるいは、駆動系、圧縮エアラインに影響が出ることがあるのです。
エアドライヤーの乾燥剤が吸着した水分は濾過後の乾燥した圧縮エアを吹き付ければ取り除くことができまるのですが、乾燥エアーでは油分を取り除くことができず、乾燥剤は徐々に劣化して正常に機能しなくなってしまいます。
外気から取り込んだ空気に含まれる水分や油分といった余分なものを、乾燥剤およびフィルタで乾燥除去して、質の良い圧縮エア環境を作ってくれるのがエアドライヤーです。ブレーキの不良を招かないためにも、しっかりと定期点検を行って必要ならばエアドライヤーの交換をするのがおすすめできます。
圧縮エアをしっかり乾燥できなければ、トラックが走行不能な状態になってしまうのです。ブレーキ・駆動系の不良を起こさないためにも、交換は必須だと考えてください。
ついつい点検するのが面倒になって手抜きすることもあるかもしれませんが、それはとてもリスクが高いのです。トラックを管理・走行する者として、責任を果たさなければなりません。トラックのような車両は時として凶器となってしまうので、安全面を考慮しなければ誰かの命を奪ってしまうのです。しっかりと点検しておけば、そのようなことになる可能性が低くなります。
交換費用の目安
エアドライヤーの故障は、経年劣化により起こることがほとんどです。エアドライヤーは基本構造がとてもシンプルなので、修理するより交換するほうが良いケースが多くあります。
エアドライヤーの交換費用はトラックの車種あるいは、車両区分や搭載するエアドライヤーの制御システムによって違うのですが、新品交換だと工賃込みでおよそ50,000円~60,000円ほどとなっています。
中古のエアドライヤー交換だと、25,000円~30,000円ほどで済みますが、中古よりも新品のほうが安心ですし、そこまで大きく変わらないことから、丸ごと交換する方が経済的とも言えるでしょう。新品のほうが何かと心強いのです。
もし、エアドライヤーの故障した際には、トラックの乗り換えを検討してみるのもおすすめです。エアドライヤーが故障すれば、それはそろそも乗り換えの時期が近づいているとも考えられます。経年劣化によってさまざまなパーツが劣化していることも考えられるので、トラックの乗り換えをするのも良い手段です。エアドライヤーの交換自体はまだ安いのですが、その他の箇所を修理・交換となるとかなり高額になることも珍しくありません。
そのこともあって、トラックの乗り換えも検討してみるのが良いのではないでしょうか。トラックを売却することで、その売却したお金で新しい車両を購入する費用の足しにすることができます。長く同じトラックに乗るというのも素晴らしいことですが、車の部品は消耗品であることから、場合によっては乗り換えたほうが良いことも多いのです。
まとめ
ここまで、トラックのエアドライヤーとは何か、その構造と故障の症状、交換の時期や目安などについて解説してきました。トラックのエアドライヤーの特徴と構造を正しく理解することで、故障を未然に防ぐことができるかもしれません。少しでもおかしいなと感じたときは故障を疑い、思い当たる症状がないかどうかをチェックしてみましょう。そうすれば、事故になる確率を低くすることができるはずです。
エアドライヤーはエアブレーキ搭載の車両には必須と言えるものです。エアドライヤーが故障すると、ブレーキが正常に機能せずに重大な事故を起こしてしまうことも考えられます。エアドライヤーが故障した際は、経年劣化で乗り換えの時期だと考えるのもアリでしょう。
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