冷却水の交換・補充の目安はどれくらい?期間や費用まで解説★
公開 : 2021/09/25
みなさん、こんにちは! トラック王国の展示場スタッフ、全国 展子(ぜんこく てんこ)と申します!
今回お届けするのは車の冷却水について!「冷却水って何のために必要なの?」とか「交換ってどれくらいの頻度でやればいいの?」というあなたのお悩みが解決します!そして万が一の場合の修理費用までご紹介★知りたい情報が目白押しなトラック王国ジャーナルをお楽しみください!
目次
車の冷却水(ラジエーター液・クーラント液)とは?[どんな役割?]
「そもそも冷却水って何に使うの?」というと、エンジンを冷やしてオーバーヒートを防いだり、エンジンの錆びや凍結を防ぐ働きをしています。
エンジンの内部は、金属部品の摩擦や燃焼による熱で、たいへん高温になっています。
それを冷さずにおいておくと、温度がどんどん上昇して、熱によってエンジンの性能が低下してきます…。
最悪の場合だと、エンジンが変形してしまい、ダメになってしまうんです!!※(オーバーヒート)
冷却水はそんなエンジンの熱を冷やしてくれる、とっても大切なものなんですね!
エンジンを冷却する役割を持つ液体の総称を冷却水といい、ラジエーター液とかクーラント液と呼ばれているものが一般的です。
水道水でも冷却効果はあるので冷却水には含まれるのですが、車の冷却専用に設計されたものとは違って防サビ、凍結防止などの効果はないんです。
なので、水道水を入れっぱなしにしているとラジエーター内にサビが発生してしまうので、あくまで応急処置…という考えの方が良いですね◎。
冷却水が少なくなったり、色が濁るほど劣化してしまうと本来の役割を果たせないので、定期的に点検して必要なら補充や交換をしましょう。
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次からは冷却水の点検方法を説明していきますね!
車の冷却水の[点検場所・点検方法]は?
さてさて、冷却水の大切な役割の為に、点検をしなくてはいけない事がわかりました。
「でも、点検っていってもどこを見ればいいの?」と不安に思っている方の為に、点検場所と点検方法についてお話していきますね!
「いやいや、あそこでしょ」と答えが分かっている方も、まだネタバラシはだめですよ!
おさらいのつもりで、展子にお付き合いください★
車の冷却水の点検場所
冷却水の点検はどこで行うのかですが、意外と簡単なんです。
実は!エンジンルームの中に設置されたリザーバータンクで、目視で確認する事が出来るんですよ★
リザーバータンクがどんなものかと言うと、冷却水を溜めておく半透明の樹脂製のタンクです。
ラジエーターキャップの取り付け部に接続されたゴムホース(オーバーフローパイプ)で、ラジエターと繋がっています。
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キャップの天面には、「冷却水」や「COOLTANK」と書かれている事が多いです。
構造としては、冷却水の温度が上がると体積が膨張してラジエーター内の圧力が上がり、逆に温度が下がると体積が収縮して吸い込もうとする圧力が発生する圧力変動を、リザーバータンクで吸収させるようになっています。
ラジエターキャップに設けられているリリーフバルブがこの構造の要になっていて、冷却水の温度が上がって冷却経路内の圧力が高まるとラジエターキッャプに設けられた加圧弁(レッシャーバルブ)が開き、溢れ出た冷却水がオーバーフローパイプを通ってリザーバータンクに流れ込みます。
冷却水の温度が低くなって圧力が大気圧より下がると、負圧弁(バキュームバルブ)が開いて、リザーバータンク内の冷却水がラジエター内へ吸い込まれるんです。
この構造のおかげで、水漏れ(圧力漏れ)が発生しない限りは、冷却水が極端に減ることはないんです!
※(蒸発である程度は減ってしまいますが…)
車の冷却水の点検方法
次に冷却水の点検方法ですが、点検のポイント(注意点)から見ていきましょう!
エンジンルームの中を見るのに慣れていないと、点検が難しそう…と思うかもしれませんが、ポイントを押さえれば結構簡単なんですよ!
- ■冷却水点検のポイント(注意点)
- ①水温が下がっていることを確認する
原則、冷却水の点検時は水温が下がっている状態で行います。
なので、点検を始める前にはまず、水温が十分下がっているかを確認しましょう。
運転席のメーターパネルにある水温計の指針が、C側に振れている状態になっていればOKです! - ②リザーバータンクの設置場所を確認する
リザーバータンクは、車種によってはウインドウォッシャータンクと間違えやすかったりします。どこに設置されているのか、しっかり確認しましょう。
肝心のリザーバータンクがどこにあるかと言うと、ラジエーターキャップの基部に接続されている、オーバーフローパイプを辿ったところにあります。 - ③キャップの表記を確認する
リザーバータンクのキャップには、先程お話した様に「冷却水」や「COOLANT」といった表記があります。
間違えていないか確認するのに最適なので覚えておいてくださいね。
それでは続いて、点検時に何を確認すればいいのかを説明しますね!
- ■冷却水の点検で見る場所
- ・液量
リザーバータンクの側面には、「FULL」、「LOW」と書かれたラインがあります。
この上下のラインの間に液量が来ていればOKです。
液量が少なくなっていたら、補充を行いましょう。 - ・冷却水の色
冷却水は通常、透明感のある赤色もしくは緑色をしています。
もし色が濁っているようなら、冷却水が劣化している可能性があるので、交換した方が良いです。
車の冷却水の[補充時期・費用・補充法]は?
冷却水の点検をして、量が少ないようなら補充する必要があります。
「冷却水の補充って自分でできるの?」「頼んだらいくらぐらいするの?」といった疑問を持っている方もいると思うので、補充の方法や費用についてお話していきます!
ちなみに「水道水を入れても良いの?」という質問をよくいただくのですが、良いですよ!とは言えません。
応急処置として入れる分には構わないのですが、ラジエーター液やクーラント液と違って凍結対策がされていないので、冬場は凍ってしまう可能性があるんです。
さらに、水道水を入れて使い続けているとサビが発生する事があるので、緊急時以外は水道水の使用は避けた方が良いと展子は思います。
冷却水には、そのまま使うことが出来る補充用と、水道水で薄めて使う原液の2種類があります。
少量を補充したい時は補充用、全量交換する場合は原液と、必要に応じて使い分けてくださいね★
車の冷却水の補充時期・費用
補充時期としては、前述したように冷却水がリザーバータンクの上下のラインのLOW(もしくはMIN)に到達しているときになります。
冷却水の補充を怠った為にオーバーヒートを起こすなんて事になったら大変なので、マメに冷却水の残量は確認するようにしましょう。
ちなみに、あまりにも冷却水の減りが早い場合は水漏れを起こしている可能性があります。
- ■水漏れの確認方法
- ・短い期間(2~3日)にタンク内の水量が減っていないか確認する
- ・エンジンルームに水蒸気が上がっていないか確認する
- ・冷却水の色が付いた蒸発の跡がないかを確認する
もしも「おかしいな」と思う事があったら、ディーラーや自動車修理業者などに相談してみましょう。
次に冷却水の補充の費用ですが、自分で行う場合は冷却水の料金のみで済みます。
- ■冷却水の値段
- ・2Lで1,000円未満
薄めずに使う補充用の冷却水だと、そのまま入れればいいので便利ですよ★
ちなみに、どこかに依頼する場合は次のような値段になります。
- ■冷却水の補充を依頼した時の金額
- ・ガソリンスタンド
400円~500円ぐらい - ・販売店
冷却水を購入したらサービスで入れてくれるところがある
※冷却水は500円~1000円ぐらい(内容量、種類による)
冷却水自体がそんなに高いものではないので、費用は結構安く済むみたいです。
補充ぐらいなら、依頼するよりも自分で行った方が早いかも知れませんね!
車の冷却水の補充方法
それでは、冷却水の補充方法を説明していきますね!
まずは、冷却水の補充の際に必要な次の道具を用意しておきましょう。
- ■冷却水の補充に必要な道具
- ・冷却水
- ・軍手
- ・じょうご
冷却水は、そのまま使う補充用の冷却水か、指定の濃度まで薄めた冷却水を用意してくださいね。
「手が汚れるのが気にならない」という方は、軍手は用意しなくても大丈夫です。
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用意する道具が少なくて助かるのぅ。
- ■冷却水の補充方法
- ①リザーバータンクのキャップを開ける
- ②じょうごを使って、冷却水をリザーバータンクの上ラインまで入れる
- ③補充が終わったら、キャップをしっかりと閉める
リザーバータンクのない車の場合は、ラジエーターのキャップを外して、冷却水を直接補充する事になります。
じょうごがあれば冷却水の補充がとてもやり易いのですが、どうしても用意できない場合はボトルから直接入れてもOK!
その際は、エンジンに冷却水がかからないように注意しましょうね!
どうですか?簡単ですよね。
こまめに点検、補充を行えばオーバーヒートが起きる確率も減るので、ぜひ冷却水の補充をマスターしてくださいね★
車の冷却水の[交換時期・費用・交換方法]は?
続いては、冷却水の交換についてです!
交換時期の目安や、交換費用がどれくらいなどをご紹介していきますね★
ちなみに、冷却水を確認した時に、通常は透明感がある液が濁っていたら冷却水が劣化しているサインです。
さらにさらに!冷却水が茶色く変色している場合は、冷却回路内にサビが発生している証拠!!
サビが発生すると、ラジエーターのコアが酸化物で詰まる、ウォーターポンプのシールが傷む、穴があくといったトラブルに繋がります。
対処する時はお早めに!
車の冷却水の交換時期・費用
一般的に、冷却水の交換目安時期と言われているのが、2年になります。
冷却水の主成分はエチレングリコールというもので、年月の経過とともに徐々に酸化して、腐食性物質が生成されたり水アカが発生して劣化していきます。
2年が経過する前でも、冷却水が濁っているなど見た目で劣化しているのが分かる時は、すぐに冷却水を交換した方が良いですね◎。
ちなみに、LLCの交換サイクルは今お伝えしたように2、3年が目安なのですが、最近はSLLC(スーパーロングライフクーラント)と呼ばれる、高寿命の冷却水もあります。
こちらのSLLCだと、交換の目安は約10年なんだとか。こんなに長いなら、車を買い替えるまで冷却水の交換をしなくていいってこともありそうですね!
ただし!元々はLLCが入っていた車だと、SLLCに入れ替えても交換サイクルは変わらず2、3年という事もあるみたいです。
車種や構造によるかも知れないので、気になる方は専門店さんなどに聞いてみた方が良いかもしれません。
さてさて、それでは気になる交換費用はというとコチラになります!
- ■冷却水の交換費用
- ・依頼した場合
3,000円~6,000円 - ・自分で交換した場合(冷却水代金のみ)
1,000円~3,000円
専門業者に依頼をした場合でも、そんなに高くはないのが嬉しいですね★
車の冷却水の交換方法・手順
冷却水の交換は、補充と違って結構手間がかかります。
方法自体はそんなに難しくないものの、冷却水を完全に排出させるのが難しかったり、作業途中に行うエア抜きがちゃんと出来ていないとオーバーヒートを起こしてしまったり…。
さらに冷却水の主成分であるエチレングリコールは、環境負荷物質に指定されていて回収の対象になっているんです。
なので、専門業者さんに依頼してやってもらう方が確実でラクチンです。
「でもどうしても自分でやりたい!」と言う方の為に、冷却水の交換手順をご紹介します。
冷却水の選び方
まずは冷却水の選び方から。
冷却水にはLLCとSLLCがあります。
「今自分が使っているのがどっちなのかわからない!」と言う場合、冷却水についた色で種類が分かるんです。
- ■冷却水の種類
- ・LLC(赤、緑)
- ・SLLC(青、ピンク)
- ・欧州車専用クーラント(黄色)
LLCもSLLCも色が2種類に分かれているのですが、実は色が違うだけで中身は同じで、どちらの色を使っても問題はありません。
でも、LLCとSLLCを混ぜるのはダメです!
自分の車に合った冷却水を選びましょうね★
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ちなみに、冷却水は水で薄める濃度によって凍結防止温度が変化します。
一般的な濃度は、30%~60%の間となります。
LLCの濃度と凍結温度の関係 | |
---|---|
LLC濃度 | 凍結温度 |
30% | -15℃ |
35% | -20℃ |
40% | -24℃ |
45% | -28℃ |
50% | -36℃ |
交換手順1:ドレンプラグから冷却水を排出させる
冷却水を排出することができるドレンプラグの位置を確認します。
ドレンプラグは、ラジエーターの下部にセットされているタンクの左右どちらかの側面に取り付けられています。
ドレンプラグの場所が分かったら、外れない程度に緩めて冷却水を排出させます。
ただ、ドレンプラグを緩めただけだと少しずつしか出てこないので、ラジエーターキャップを外してあげると勢いよく出てきます。
そのまま、完全に冷却水が排出されるまで待ちましょう。
交換手順2:水を注入して循環させる
冷却水の排出が終わったら、ドレンプラグを締めてラジエーターの注入口いっぱいまで水を注入します。
冷却経路内のすすぎを行うために、エンジンを始動して水を循環させます。
冷却水はヒーターコア内にも流れているので、すすぎを行う時はヒーターも必ず作動させて循環させます。
水温が上がってサーモスタットが開くまですすぎを行います。
アッパホースが熱くなり、電動ファンが回りだすところまでアイドリングさせたら水を排出します。
水の注入、アイドリング、排出という手順を、抜けてくる水が透明になるまで繰り返します。
交換手順3:LLCを注入してエア抜きをする
排出される水が透明になったら、冷却水の総量に対する適正な比率になる量のLLC原液を入れて、口元まで水を補充します。
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例えば、総容量が5リットルの場合、40%の濃度にするなら2リットル入れます!
エア抜きのプラグが設けられている車種の場合はプラグを外して、冷却水が漏れ出てきたら再び締めます。
ラジエーターキャップを外したままエンジンを始動させて、エアが抜け切るまでアイドリングをさせます。
エア抜きが完了したら、減った分の水を補充して、ラジエーターキャップを締めると終了です★
ちなみに、エア抜きが不十分だとオーバーヒートしてしまう事があるので注意!!
ついでに、水垢が付着しやすいリザーバータンクも一緒に洗浄しておきましょう。
汚れをそのまま放っておくと、冷却経路内に錆びた水などが循環してしまうので、キレイに念入りに洗いましょうね!
車の冷却水が漏れたら? [原因と水漏れ修理代]
車にとって大切な役割を持っている冷却水。
冷却水を切らさない為の補充方法や、効果を保つための交換方法をお話してきましたが、もっと気を付けなくてはいけないのが水漏れです!
雨ではないのに車の周辺が濡れていたり、エンジンルームから甘い香りがしてきたら、ラジエーターから水漏れが起こっている可能性があるんです。
ちなみにどうして甘い匂いがするかと言うと、冷却水には独特の匂いがあります。
水漏れを起こして冷却水がエンジンに付着すると、それが焼け焦げて甘い匂いに感じるんです。
微量の水漏れの場合だと、そんなに匂いを感じないので気付きにくいのですが、逆に言えば匂いを感じるという事はかなり大規模な水漏れが起きているということ!
すぐにエンジンルーム内を確認するようにしましょう。
エンジンルームを見て水漏れが分かればいいのですが、隠れている場所が多いので見つけられない事があります。
その場合は、リザーバータンクを見て冷却水がどれくらい残っているのか確認します。
規定量が残っているようならそのまま修理業者へ、空に近い状態なのであれば冷却水を補充して、残量に気を付けながら修理業者へ向かいましょう。
車の冷却水が漏れる原因
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展子ちゃん、冷却水ってどんなところから漏れてくるトラ?
はい、お答えしますね!
冷却水が漏れやすい場所、そしてその原因としては次のような事があります。
- ■冷却水が漏れる場所と原因
- ・ラジエーター本体
走行中、石などが当たって穴があく - ・ラジエーターホース
ゴムの劣化によるひび割れ - ・ヒーターホース
ゴムの劣化によるひび割れ - ・ウォーターポンプ
回転部にガタがくる
ラジエーターから水漏れをしているのなら、すぐにでも修理をする事をオススメします。
水漏れが微量でも、そのまま放っておくと冷却水がどんどん流れ出てしまいます!
そうなるとエンジンの冷却機能が低下してしまい、最悪オーバーヒートを起こしてしまう事になりかねません。
水漏れの度合いによっては、漏れ止め防止添加剤等を使う事で水漏れが止まるという事もありますが、やっぱり専門業者さんに見てもらった方が安心ですね。
車の冷却水漏れの修理代
冷却水が漏れていた場合、修理にはどれくらいの費用が掛かるのか気になるところですよね。
簡単な修理で済む場合もありますし、もしかしたらラジエーターやホースを交換する事になるかもしれません。
そんな修理費用をまとめてご紹介しますね!
- ■水漏れの修理にかかる費用
- ・ラジエーター修理
溶接などを行い、水が漏れている部分を塞ぐ場合は、約10,000円~20,000円 - ・ラジエーター交換(新品のラジエーターに交換する場合)
純正品20,000円~50,000円
社外品10,000円~30,000円 - ・ラジエーターホースの交換
アッパーホース、ロアホース共、各3,000円~6,000円 - ・工賃
ラジエーターの交換、修理の場合は、約15,000円~20,000円
ホースの交換の場合は、約10,000円前後
修理業者や使うパーツによって値段は変わってきますので、参考程度にお考えください。
上記の修理代金にプラスして、ラジエーターの交換をした場合は冷却水の交換も行う事になるので、その分の費用も掛かってきます。
その辺も業者によっても変わってくるので、必ず確認をしてから修理の依頼をしましょう★
もしも水漏れに気付かなかったり放置したりして、エンジンやラジエーターが故障すると修理代は高くなってしまいます。
さらに、オーバーヒートなんかしてしまったらエンジンの載せ替えをする事になり、100万円以上の大変な金額になってしまうんです!
もしもエンジンが駄目になってしまった場合は、修理をするよりも買い取ってもらった方がお得!という場合がほとんどなんですよ。
そんな時はトラック王国にご相談くださいね★
車の冷却水についてのまとめ
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冷却水についてお話しましたが、いかがでしたか?
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今回も分かりやすかったの。姫も冷却水の大切さが分かったじゃろ?
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冷やすのは大事トラ★パパの事も冷やすトラ!ザバーッ
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こりゃ、ワシに水をかけるんじゃなーい!
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あれ~?水をかけて冷やしたのに熱くなったトラ
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姫、直接かけるのは間違ってますよ
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展子くんも、ポイントはそこじゃないぞ…
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