大型車の車輪脱落事故に注意!事故原因や対策は?
公開 : 2018/11/02更新 : 2021/09/25
みなさん、こんにちは! トラック王国の展示場スタッフ、全国 展子(ぜんこく てんこ)と申します!
大型トラック・バスの車輪脱落による事故について、ニュースや動画などで見聞きしたことある人もいるのではないでしょうか。車輪脱落事故を防ぐためにも、今回は大型車で発生する車輪脱落の実態や原因、日本自動車工業会(自工会)による車輪脱落事故防止の啓発活動などについてまとめてみました!
目次
車輪脱落事故はタイヤ交換後短期間中に発生!?
大型車の走行中に車輪が脱落してしまう、車輪脱落事故について、平成29年度のデータを参照しながらお伝えしたいと思います!
まずは、車輪脱落事故の原因についてですが、大型車の車輪脱落事故の91%は、タイヤ脱着時の作業ミスによって発生しています!
車輪脱落事故発生前にタイヤの交換作業が多く行われていることから、その際の作業ミスが主原因と考えられています。
そのタイヤ脱着作業は、主に大型車ユーザーが行っています。次いでタイヤ業者、整備業者が行っていることがデータからわかっています。
車輪の脱落事故は、気がつきにくい左後輪に多く発生しているのも特徴です。
平成29年度大型車の車輪脱落事故状況
- 車輪脱落事故の91%がタイヤ脱着時の作業ミスが原因
- タイヤの交換時期に多く発生
- タイヤの脱着は主に大型車ユーザー自身が行っている。次いでタイヤ業者、整備業者が行っている
年間67件も発生!平成29年度大型車の車輪脱落事故データ
次に、車輪脱落事故に関するデータの実態を見てみましょう。
平成29年度に発生した車輪脱落事故は、合計67件確認されています。
そのうち、37件(全体の55.2%)がタイヤの脱着作業後1ヶ月以内に起きています。
また、積雪に備えてタイヤをスタッドレスタイヤに交換する時期であることから、車輪脱落事故は冬場(平成29年11月から翌30年3月の間)に56件(全体の83.6%)が発生しています!
車輪脱落事故状況(平成29年度)
- 車輪脱落事故件数は67件
- タイヤ脱着作業後1ヶ月以内に多く発生、11月から3月の冬季に集中
- 北海道、東北、北陸・信越といった積雪地帯で多く発生
タイヤ・ホイール交換時は、ホイールに適合したボルトとナットへの交換が必要な場合も!
では、なぜ冬季に車輪脱落事故が集中しているのでしょうか?それは積雪に備えてタイヤをスタッドレスタイヤへ交換する時期であり、作業に伴う締め付け不良(作業ミス)が車輪脱落事故の主な原因だからなのです!
また、大型車ユーザーで普段からアルミホイールを好んで使用している方もいらっしゃると思います。アルミホイールからスチールホイールへ交換する場合はボルトやナットもスチール用に交換することもあります!それはホイールの締付方式(JIS方式/ISO方式)によって異なり、ホイールの履き替え(アルミ/スチール)には、正しい知識が必要なのです。
例えば、締付方式がJIS方式の場合、後輪でアルミホイール用のボルトをそのまま使ってしまうと、ホイールとナットの間にすき間が発生してしまうため、車輪脱落事故に繋がります!
スタッドレスタイヤへの交換時
- アルミ/スチールそれぞれのホイールに適したボルトやナットへの交換が必要な場合も
社内研修にも活用可能な自工会のホームページ、車輪脱落防止の啓発活動
大型車の車輪脱落を防ぐために、啓発活動を行う日本自動車工業会(自工会)は、国内の乗用車・トラック・バス・二輪車メーカーによって構成された業界団体ですが、自工会のHP内では大型車のタイヤ交換に関する正しい点検・整備方法が動画やPDFファイルで確認できます。
▲画像をクリックすると自工会のページにリンクします
自工会のホームページには、車輪の取り扱いについての教育用のスライド資料や締付トルク一覧、点検内容なども載せてあるため、社内研修などにも活用が可能です!大型車のタイヤ交換に関する正しい知識と確かな技術を身につけるためにも、ぜひご活用下さい。さらに!車輪脱落に起因する重大事故の発生を防ぐため、以下の4つのポイントを理解しましょう!
車輪脱落を確実に防ぐためには、上記の4点に加えて「正しい知識と確かな技術を習得すること」が求められています。
「車輪脱落の防止に必要な知識や技術って何があるの?」と思われた方は、以下の自工会ページのスライド資料やリーフレットをご確認下さい!
車輪脱落についてのまとめ!車輪脱落を防ぐポイントも紹介!
ここまで、車輪脱落事故の実態や発生原因、自工会の車輪脱落防止啓発活動や特設ページによる情報提供についてお伝えしましたが、車輪脱落防止の要点についてまとめたいと思います!
▲車輪脱落原因を理解し対策を身に付けましょう!
車輪脱落原因・対策の要点
- 車輪脱落はタイヤ脱着作業時の作業ミスが主な原因
- 車輪脱落はタイヤ交換後1ヶ月以内、冬季の積雪地帯に集中
- 車輪脱落を防ぐために4つのポイントを押さえておく
これらの要点を理解した上で、正しい知識と確かな技術に裏付けられた、正しい締め付けと増し締めの実施を確実に行って下さい!
▲日常点検の内容を再チェック!
車輪脱落を防ぐために
- 車輪脱落はタイヤ交換後1ヶ月以内、冬季に集中
- 3ヶ月点検での緩みの点検・12ヶ月点検でのホイール・ボルトに異常がないかなどの確認
- 日常の点検により、上図のように目で見てさわって、脱落・故障の予兆を発見することが大切
また、車輪脱落の防止・タイヤ交換に関する正しい点検・整備方法などの知識と技術習得に向けて、自工会サイト内資料の閲覧やダウンロードを行い、確実に実行しましょう!
以上のような日常点検と4つのポイント、そして正しい締付けと増し締めの確実な実施によって、車輪脱落を未然に防いで下さいね!
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