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インタークーラーとは?大型トラックに搭載される装置の役割と種類

公開 : 2024/01/25更新 : 2024/06/13

20240125_intercooler-1 全国展子 みなさん、こんにちは! トラック王国の展示場スタッフ、全国 展子(ぜんこく てんこ)と申します!
今回はインタークーラーのご紹介です!ブックマーク登録もよろしくお願いします!

「インタークーラーってなに?」「役割と種類はどんなものがある?」
ターボエンジンの性能を維持するために欠かせない装置であり、メンテナンスも重要です。今回はインタークーラーの役割や種類、主な故障原因、メンテナンス方法などについてご紹介していきます。

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インタークーラーとは?

インタークーラーとは、ターボ機能を持っている車に搭載されている冷却装置のことです。ターボエンジンの性能をしっかりと維持するためには欠かせない装置であることから、とても大きな役割を果たしています。ターボ機能「ターボチャージャー」で加圧された空気がエンジンに送られることになるのですが、それにより温度が高くなってしまうのです。

そのために、空気をエンジンに入れるよりも前に冷しておかないと、ノッキングと言われるエンジンの不具合につながってしまいます。
これを防ぐために、冷却機能を持ったインタークーラーがあるわけです。コンプレッサーから流入した空気を冷やし、タービンに送るのがインタークーラーの役割です。ラジエーターと役割や構造がかなり似ていて、エンジンの正常な出力には必要不可欠な部品となるため、非常に大切なのです。インタークーラーの役割を覚えておくことで、いざというときに役立つことが多いでしょう。

インタークーラーが必要なターボ機能とは?

燃費を多く消費してしまうターボ車なので、燃費の改善、エンジンの温度が上昇してしまうのを少しでも改善させるためにインタークーラーが設置されるようになりました。大型トラックにもターボ機能が搭載されている車両が多いのですが、大型トラックにもターボ機能が搭載される理由は、ターボ機能を搭載することによってエンジン出力を上げて大きなパワーを出すためです。そんなターボ機能とセットで必要なのが、インタークーラーとなります。

インタークーラーの存在により、大型トラックはエンジンの出力を最大限に引き出すことができるため、欠かせない部品です。ターボ機能が搭載されている車両でもインタークーラーが搭載されていないものがあるのですが、ターボ機能を安定させる役割を持っているため、基本的には2つでセットと考えておくのが良いでしょう。そんなインタークーラーは主に2種類があり、下記で解説していきます。

インタークーラーの種類

水冷式インタークーラー

インタークーラーの1つ目の種類が、「水冷式インタークーラー」です。水冷式インタークーラーは、空気と比較すると熱容量の大きい水の冷却水を活用して吸気の温度を下げるものです。低速域であっても吸気温を下げることが可能で、小さなシステムで高い冷却効果を得られるのが水冷式の特徴となります。

しかしながら、部品の数がどうしても増えるために、水冷式インタークーラーだとコストがそれだけ高くなる傾向があるのが難点です。
そして、冷却水の温度以下に気温を下げられないので、冷却水を冷やす別の装置を用意する必要があるのが水冷式インタークーラーなのです。コスト面や少し面倒な部分が多いことから、それがネックとなるでしょう。

空冷式インタークーラー

インタークーラーの2つ目の種類が、「空冷式インタークーラー」です。空冷式インタークーラーは、ラジエーターの前部分の外気が直接当たる場所に設置して、車の走行中に受ける風を利用し吸気温を下げる仕組みです。

水冷式インタークーラーと比較すると構造がシンプルなため、その分コストを安くできるのがメリットとなります。さらには、高速になるほど効果が高まるので、レーシングカーあるいは、チューニングカーに最適なのが空冷式インタークーラーと言えるでしょう。
ただし、インタークーラーの核部分に風を当てなければ効果を発揮できないため、設置場所が限られるのが空冷式クーラーのデメリットです。

インタークーラーの設置場所

インタークーラーの設置場所により、効果も違ってきます。設置場所は主に次の2つです。

前置き

前置きは、バンパー部分から見える位置なので、トラックの見た目の印象を左右するのが特徴です。オシャレな見栄えにしたい方ならば、見た目を考慮して、前置きにするという方も決して少なくありません。前置きはトラックの走行中の風を活用できるので、冷却能力が高いのがメリットです。

ただし、ラジエーターの前に置くことになることから、エンジンの水温管理には注意する必要があります。そして、バンパー付近に位置しているため、追突事故、物損事故等でインタークーラーが破損することも考えられるでしょう。衝突した際に大きな衝撃が加わる分、インタークーラーを破損してしまいやすいのが前置きです。

中置き

中置きは、エンジンルーム内にインタークーラーを設置するのが特徴です。中置きのメリットとして、エンジンルーム内に設置していることから、インタークーラーが衝撃を受けにくいということです。また、エンジン付近に設置されるため、冷却効率も上がります。

しかしながら、エンジンルーム内に機材が増えてしまい、暖かい空気がエンジンルーム内にこもりやすいでしょう。中置きの場合、外からは見えないので、トラックの見映えを良くしたい人であれば、前置きが適しているかもしれません。一方で見た目を気にしない、インタークーラーを設置しているのを人の見せるのが嫌という人だと、中置きが合っています。衝突によるインタークーラーの破損を起こしにくいため、中置きにあえてしているという方もいるのです。

インタークーラーの主な故障原因

インタークーラーの主な故障原因には、以下のようなものがあります。

エア漏れ

インタークーラーの主な故障原因1つ目が、「エア漏れ」です。エア漏れは、インナーフィンの損傷により起きてしまいます。エア漏れによりインタークーラーから空気が漏れると、アクセルを強く踏み込んでもパワーが出にくいのです。もし大きい穴が開いてしまえばトラックが走行できなくなってしまいます。走行していてパワーが弱く感じた場合、エア漏れの可能性があるでしょう。

フィン潰れ

インタークーラーの主な故障原因2つ目が、「フィン潰れ」です。アウターフィンはかなり強度が弱いので、手で押しただけでも簡単に潰れてしまいます。小石が当たっただけでもフィンが潰れることがありますし、メンテナンス時に工具が当たってアウターフィンが潰れてしまうことも考えられるのです。そのこともあって、非常に脆いのが特徴なので、十分に注意してください。アウターフィンガ潰れてしまうと、放熱がまともに行えないことから、うまく空気を冷やすことができなくなります。

タンク割れ

インタークーラーの主な故障原因3つ目が、「タンク割れ」です。タンク割れは、事故の際などの大きな衝撃が加わったことで起こります。タンク割れによって、割れた箇所から空気が漏れてしまうのです。エア漏れと症状が似ているのですが、タンク割れは気づきやすいので、すぐに対処できる場合が多いでしょう。車が走行できなくなった場合、タンクを確認してみてください。故障原因として比較的多いのでこちらも注意しましょう。

オイル漏れ

インタークーラーの主な故障原因4つ目が、「オイル漏れ」です。インタークーラーからオイルが滲んでいれば、それはオイル漏れである可能性が高いでしょう。突然オイル滲みが目立つようになった場合、それはターボ内のタービンの軸からオイルが漏れていることが考えられるため、注意してください。故障の原因にもつながるために、オイル漏れにも気を付けることが大切です。

インタークーラーのメンテナンス方法

インタークーラーのメンテナンス方法として、インタークーラーの洗浄があります。その洗浄方法ですが、次のような流れで進めていきます。

1.インタークーラーを取り外す

前置きだと、バンパーを取り外してインタークーラーが見える状態にしてください。中置きの場合も、ボンネットを開いてエンジンカバーを取り外してインタークーラーが見える状態にしてください。
そして、イン→アウトの順番に取り外し、バルブに接続されているホースも外しインタークーラーを取り出します。

2.洗浄開始

インタークーラーを洗浄する際には、ホワイトガソリン、布、ゴム手袋、工具といった道具を使用します。ゴム手袋を着用し、入り口部分からホワイトガソリンを流し込みます。入り口を塞いだ状態にして、インタークーラーの穴から洗浄液が流れないようガーゼか布で穴を塞ぎながらインタークーラーを振ってください。この洗浄を3〜4回繰り返して、出てくる液が綺麗になれば完了です。

3.しっかりと乾燥させる

洗浄が終われば、次はインタークーラーを乾燥させます。乾燥が不十分であれば、設置後に残っている洗剤やガソリンがエンジンに流れ込んでしまうのです。エンジンの故障の原因となってしまうので、外で1日置いて乾燥させるのがベストとなります。ドライヤーあるいは扇風機で風を当てるのもおすすめです。乾燥を十分に行ってから、インタークーラーを再設置するようにしてください。

4.設置

乾燥が終われば、最後にインタークーラーの再設置です。元通りに戻すだけなので、そこまで苦労せずに再設置することができるでしょう。これらの作業が完了すれば、無事メンテナンスが完了となります。

洗浄作業はメンテナンスをする上で欠かすことができないため、しっかりと洗浄を行うことが大切です。インタークーラーは洗浄、清掃といったメンテナンスをしなければ、空気の冷却がスムーズにいかなくなってノッキングを引き起こします。その結果、インタークーラーが正常に機能しなくなり、故障の原因となったり、快適な走行をすることができなったりするのです。メンテナンスや清掃をきちんと行うことで、インタークーラーが正常に機能して、快適な走行をサポートしてくれるでしょう。

まとめ

ここまでインタークーラーの特徴や役割、種類やインタークーラーの故障原因、メンテナンス方法について解説してきました。トラックに欠かすことができないインタークーラーにはさまざまな役割、そして種類があるために、覚えておくのが良いでしょう。正しくメンテナンスを行うことで長く活用することができます。インタークーラーはさまざまな役割を果たしていることから、正常に機能させることで多くのメリットがあるのです。故障の疑いがある場合には、修理、交換をするようにしてください。

  • 全国展子

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