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トラック用タイヤの空気圧を適正にすべき理由と数値の目安、点検方法

公開 : 2024/01/18更新 : 2024/05/15

20240118_air-pressure 全国展子 みなさん、こんにちは! トラック王国の展示場スタッフ、全国 展子(ぜんこく てんこ)と申します!
今回はトラックのタイヤの空気圧に関するご紹介です!ブックマーク登録もよろしくお願いします!

トラック用のタイヤには、タイヤに合わせた適正な空気圧があるのをご存知ですか?タイヤと空気圧の関係や、空気の質は?乗用車のタイヤに入れている窒素は入れてもいい?空気圧の基準値はどこをみればいいか知っている?

整備さんにお任せドライバーさんも、聞くに聞けなかった転職ドライバーさんも今一度ここで確認しておきましょう。今回はトラック用のタイヤについて、色々調べてみました。タイヤについての意外な事実や、タイヤ周辺の気になるポイントまで安全のために表も裏もご紹介します。

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タイヤサイズ表記の見方

タイヤを見るとサイズだけではなく、様々な情報が分かるようになっています。タイヤの横にはメーカー名、タイヤ断面幅、扁平率、リム径(インチ数)、単輪荷重指数、複輪荷重指数、速度記号、などが表記されています。またスタッドレス、スノー、ラジアル、などタイヤのグレードや種類が一目で分かります。

例えば ①215/50 R17 91Vと、②225/80 R17.5 123/122Lの場合は、以下のような内容になります。

①215/50 R 17 91 v

タイヤ断面幅・扁平率・ラジアル・リム径(インチ)・荷重指数・速度記号

②225/80 R 17.5 123/122L

タイヤ断面幅・扁平率・ラジアル・リム径(インチ)・複輪荷重指数・単輪荷重指数・速度記号

 

・タイヤの断面幅・・・タイヤの断面の一番太い幅
・扁平率・・・タイヤの断面(W)÷ タイヤの高さ(H)× 100=扁平率

この数値が大きいほど高扁平で、タイヤ部分が厚く路面からの衝撃を吸収します。乗り心地が良く、転がり抵抗が小さくなります。接地面も狭い事から燃費が良いタイヤです。反対に扁平率の低いタイヤは、側面から見るとタイヤが薄く見え、断面図にすると平たく潰れているように見えます。接地面が多いとハンドリングのレスポンスがいいので、スポーツカーや車にこだわりを持っている方などが使用しています。

・R・・・ラジアルタイヤの事を指します。ラジアルとはタイヤの骨組みの形状(放射状=ラジアル)を意味し、スチールやポリエステルのカーカスと呼ばれる骨組みが、タイヤの中心から放射状に配置されていることが名前の由来です。

・リム径・・・タイヤのインチ数の基準になります。ホイールの径。

・荷重指数・・・タイヤ一本にどのくらいの荷重まで耐えられるかの数値です。90=600kg、120=1,400kg

・複輪荷重指数・・・トラックのダブルタイヤの様に、複数で使用した時に耐えられる荷重の数値です。

・単輪荷重指数・・・ダブルタイヤ用ですが、前輪などの一本で使用した時の荷重の数値です。

・速度記号・・・このタイヤが規定の基準で走行できるスピードの記号です。J=100㎞、L=120㎞

大まかにタイヤのサイズはリム径(インチ数)で決まります。小型ほどインチ数が小さい分接地面が少なく、大型になればインチ数もアップして接地面も多くタイヤの重量も増します。

トラック用タイヤの適正な空気圧の目安

タイヤの空気圧はタイヤのサイズによって基準値が違います。

主なサイズと適正空気圧は以下の通りです。もちろんタイヤのサイズはこれだけにとどまりませんので、この他のタイヤの数値もあります。LI(ロードインデックス)=最大負荷能力106のタイヤは空気圧が600kpaとなっています。この数値によって支えられる重量が変わります。同じ600kpaでも下記の表の様に最大負荷能力が違うのは、タイヤの扁平率によって負荷のバランスや耐久性に違いが出るからです。

トラック用タイヤの適正な空気圧の記載場所

タイヤの表記には、空気圧の適正値がありません。そこで、空気圧はどのようにして調べているのでしょうか?実はトラックも乗用車も、車体のある場所に明記されています。

運転席のドアを開けると、車体側のヒンジのところに一覧表が貼ってあります。それがその車体が使用する、適正なタイヤのサイズであり空気圧の数値なのです。

トラック用タイヤの空気圧が変わる主な原因

トラックのタイヤは過酷な状況で使用されています。長距離運送や重量物の運搬、建設現場のような悪路、など環境は様々です。タイヤの空気圧の変化が、日常的に起こるのはゴムと空気の関係に秘密がありました。タイヤの中の空気は、徐々にですがゴムを透過する性質を持っています。その後、待機中に放出されるので空気圧の低下が起こります。経年劣化でひびが入っているケースもあります。

これはチューブレスの構造に限ったことではありません。チューブレスになったことのデメリットで、リム(ホイール)のゆがみが生じたときにその部分から空気が抜けます。元々タイヤの構造はチューブが入ったものでしたが熱がこもりやすく、パンクするとすぐに空気が抜けてしまうデメリットがありました。

その点チューブレスは、タイヤの内部にインナーライナー(ゴムシート)を貼付して空気を抜けないようにしています。また内部の空気がリムに触れていることで、効率よく放熱効果が得られ釘などが刺さってもパンクしにくいメリットがあります。ですが今でもチューブタイヤを使用している車両があります。

タイヤの空気の質も関係があります。普通の空気を充填した場合、空気には若干の水分が含まれていて寒暖差により膨張と収縮を繰り返します。水分と言ってもほんのちょっとでしょ?と侮ってはいけません。水分が気化すると体積が1,000倍にも膨張します。たった3㏄が3Lになるのです!

そこで有効なのが窒素です。窒素には水分が含まれていません。そして、酸素よりもゴムへの透過率が低い特性があります。2輪や耐久レース、一般の乗用車にも使用されていますが、トラックのタイヤの場合大量に使用しなければならずランニングコストが跳ね上がります。とても現実的ではありません。これに対応できるのが、ドライエアーです。空気を温めて乾燥させたものですが、ドライヤー付きのコンプレッサーで充填します。

空気圧を適正にすべき理由(1)タイヤの機能・性能保持

機能

・荷重支持機能・・・安定して均等に荷重がかかりタイヤ全体で負荷を支える機能です。

・駆動・制動機能・・・発進時、低速走行、高速走行や悪路でも駆動やブレーキの制動が働く機能です。これはタイヤのトレッド面(接地面)の溝の形状に大きく影響されます。リブ型(縦溝)は転がり抵抗が少なく、舗装路、高速に特化。操縦性が良く走行が安定している。

ラグ型(横溝)は悪路、駆動力、制動性に優れている。リブラグ型は良路、悪路の走行に優れている、バランスのいいタイヤ。ブロック型はブロックが並んだような形状のトレッド面。スタッドレスのパターンは氷雪路の駆動力と制動力に優れている。

・緩衝機能・・・タイヤが衝撃をどれだけ吸収するか。ゴムの弾性が高いことで発揮できる能力。

・安定機能・・・走行中にタイヤの形状が安定しているか。ゴムの柔らかさだけでなく、カーカスや各メーカーのゴム質により安定する走り方がある。

性能

・経済性・・・タイヤのコストがどれだけ低く抑えられるか。チューブタイヤ→チューブレスタイヤ。

・耐久性・・・タイヤの減りが少なく、ショルダー偏摩耗が小さい事や、対カット性に優れているかどうか。

・居住性・・・乗った時に、揺れ、振動などの伝わりが少ないほど居住性が良いとされる。

空気圧を適正にすべき理由(2)トラブルの防止

空気圧が低すぎる場合

空気圧が低いと、接地面が多くなり転がり抵抗が高く燃費が悪くなる。走行中にハンドルのぶれが起きたり、車体の荷重に対して不安定になります。一本だけ空気圧が低くいと、他のタイヤに負荷がかかり、全体のバランスが崩れ偏減りの原因になります。

空気圧が高すぎる場合

接地面が少なくなり、内圧が高いと(風船のイメージ)ゴムが薄くなりタイヤの耐久性が悪くなります。タイヤが持っている能力も引き出せないうえに、バーストの原因になります。

トラック用タイヤの空気圧の点検方法

頻度

1運行ごとが望ましい。タイヤへの外的ダメージがあった時はその都度点検が必要。ハンドルのぶれや車体の傾きがあった時も点検。

点検の流れ

全タイヤのエアゲージによる測定。目視による、タイヤへの外的ダメージや変形の有無をチェック。

その他タイヤの気になる項目

タイヤの組み換え

タイヤの組み換えもタイヤの空気圧とともに、気を付けたいポイントがあります。タイヤを新しくする時は、いっぺんに全部のタイヤを交換するのが理想ですが、大型トラックの場合はコストの関係で減ったタイヤだけを交換することも珍しくありません。その時には、必ず偶数でタイヤを用意します。セッティングは前輪から新品にします。

ローテーションの順番は、前輪は運転席→助手席→スペアタイヤ→運転席と交換します。後輪はダブルタイヤの場合、運転席外側→助手席内側→運転席内側→助手席外側→運転席外側とローテーションします。タイヤの減り方が気になったら、一度ホイールバランスを見てもらうことをおすすめします。またサスペンションのへたり(リーフサスの場合)やエアサスの調整が必要かもしれません。

ホイールナット

タイヤの空気圧とともに気にしたいのが、ナットのゆるみです。ナットが緩むとホイールに負荷がかかります。そのバランスが悪ければ最悪ホイールにひびが入り、場所によってはタイヤの空気が抜けてしまう事も。1運行ごとにタイヤのナットも点検しましょう。ホイールとナットの間にワッシャーがあると緩みにくいですが、ワッシャーの無い車種では緩みやすくなる傾向があります。

タイヤの空気圧についてのまとめ

タイヤと空気圧の関係についていろいろとご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?タイヤの原料はゴムなので年数によっては、走行距離が短くても硬化する現象が起きます。それはどのメーカーのどのタイヤも、原料が同じなら起こりえることです。

また近年安価な輸入タイヤも人気ですが、それは距離を乗らない乗用車のことで長距離を走行したり重量のある積み荷を移送するトラックには向いていません。ダブルタイヤやシングルタイヤでも、メーカーと型番はできるだけ揃えることをおすすめします。

  • 全国展子

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