トラックで仮眠を取るには?仮眠スペースの場所や車内グッズの選び方
公開 : 2024/01/22更新 : 2024/05/29
みなさん、こんにちは! トラック王国の展示場スタッフ、全国 展子(ぜんこく てんこ)と申します!
今回はドラックドライバーの仮眠のご紹介です!ブックマーク登録もよろしくお願いします!
目次
大型トラックがパーキングエリアや、フェリーターミナルに停まっているのを見かけた際フロントガラスのカーテンが閉められていることがあります。実は、あの中でドライバーさんが仮眠をとっているサインなのです。特に長距離トラックの場合、何時間も運転しなければなりません。
疲れたからと、ドライバーさんは好き勝手に寝ているわけではなく運行上、ある理由で休憩時間や休息時間を取らなければなりません。
今回は、そんな仮眠について調べてみました。仮眠をとるならどこで寝るの?仮眠用の駐車スペースは?仮眠が快適になるグッズまで、喉から手が出る情報満載でお届けします。是非、参考にしてみて下さい。
トラックドライバーに仮眠が必要な理由
法的根拠
長距離を運転していると、疲労が蓄積されます。ドライバーは機械ではないので、休まなければなりません。食事やトイレも含めて疲労の軽減のために、休憩時間を設けます。では、それは誰がどこで決めているのでしょうか?それは労働を管理する労働基準法によって定められています。トラックによってはデジタルタコメーターに運行時間が記録されます。エンジンと連動しているので、エンジンを切る=休憩もしくは休息時間となり休んでいるかいないかチェックできます。
これはタクシーの運転手と同じ原理で、走った分だけ稼げる!とドライバーが頑張るとデジタルタコメーターに運行記録され、労働基準違反となり会社が罰則を受けます。トラックも同じく安全運行管理を怠っているとみなされ、罰則を受けるとその会社は建設現場の入札に参加できないなどのペナルティがあるので、厳しく管理されています。
では、実際どのくらいの時間が仮眠できる時間となるのでしょう。一般の会社でも労働時間が決められていますね。8時間では1時間の休憩時間が定められています。長距離ドライバーになると運転時間が4時間ごとに30分の休憩が必要です。15時間の拘束は週に2回までとなっています。拘束時間が13時間としても次の仕事を始めるまで8時間以上連続で休息時間を取らなければなりません。
ここで拘束時間についてですが、荷下ろしや積み込みなどでトラックを止めていても仕事中となりますので拘束時間になります。休憩中も拘束時間に入ります。ですので、休憩中にトイレや食事をしてもちょっと仮眠をしても、拘束時間に入ります。ですが8時間以上の休息=仮眠は拘束時間には入りません。ここでの仮眠は休息時間を対象にしています。
運送業界では、ジャストインタイム(在庫調整のために設定された時間に届ける)導入の関係で配送先に近くなってからドライバーが時間調整を兼ねて休憩をとるケースもあります。
疲労による事故防止の観点から
長時間の運転は思った以上に疲労が蓄積します。運転は周囲の危険予知、運行時間の管理、積み荷の状況、車両の管理など一度に色々なことを考えなくてはなりません。特にトラックは大型になればなるほど視点が高くなりますが、その分死角も多くなります。他の車両との距離や、飛び出し予測、信号のタイミング、カーブでの巻き込み防止など、特に危険予知には細心の注意が必要なので、疲労はしっかりとらないと事故の原因になります。
気が付いたら、目がしょぼしょぼしてきたり眠気が襲ってきて注意が散漫になったら疲労が蓄積しているかもしれません。眠気のもう一つの原因に食事があります。人間は食事をすると、身体の血液が胃腸に集中するので眠気をもよおすのは自然な現象です。十分な休憩時間をとるか、食事の量をコントロールして眠気対策をしましょう。
トラック内の仮眠スペースの場所
フルキャブの場合
運転席の後ろに仮眠をとるスペースがあります。運転席のシートの後ろなので奥行き(ベットの幅)が650mm前後、横の長さ(ベットの長さ)2,100mm前後ほどのスペースが確保されています。
ショートキャブの場合
運転席の後ろに、段差を補助するマットレスをセットして平らにし仮眠スペースにします。運転席のシートを目いっぱい倒して、助手席のシートを平らになるように倒します。マットレスの形状によっては、助手席側に広いスペースが出来るタイプがあります。
ハイルーフの場合
キャブがハイルーフになっている場合、そこに仮眠スペースが設けられているタイプがあります。座席の真上に、小部屋があるので運転席(仕事)とプライベートな時間切り替えが比較的簡単にできます。ハイルーフの横に小さな窓があるので、側面を見るとすぐにわかります。
トラック内の仮眠スペースのサイズ
トラックの仮眠スペースは、キャブサイズによって変わりますが狭いと思われるショートキャブでもシートの背もたれを前に倒して専用のマットレスをひくとフルフラットのマットがひける広さを確保できます。
三菱のスーパーグレート・・・縦2,100mm、横650mm
ハイルーフ・・・縦1,940mm幅970mm
こちらには一車種しか車内数法がありませんが、トラック用のマットレスの寸法が幅600mm~長さ1,800mm~となっていることからどのメーカーでも運転席の後ろにスペースがある場合この大きさを使用しているようです。セミダブルの敷布団を、真ん中から折って使用するとサイズがピッタリになる裏ワザがあるとか。
トラックでの仮眠時に停車すべき場所
トラックの仮眠場所は、停車できるスペースがあればそこで仮眠を取ります。全国には26カ所のトラックステーションがあります。これは全日本トラック協会が設置していることもあり、多くのドライバーが利用しています。施設内には大部屋の仮眠室、小部屋の宿泊施設が完備されています。料金も2,200円~と安く利用で来ますが、予約でいっぱいなケースもありタイミングが合えばキャンセル待ちで宿泊を狙っているドライバーさんも少なくないようです。この他の場所としては、フェリーターミナルや高速道路のPA、埠頭、コンビニの駐車場、公園の駐車場、国道沿いのPA、峠下のチェーン脱着場、配送先の商業施設の駐車場などです。特に市街地では、排ガス規制等の理由でエンジン停止が義務付けられています。
大型のトラックが長時間停車していても、他の車の往来に影響がなく住宅街の様に冷凍庫のエンジン音が騒音にならないような、工業地帯や山間部、港など周囲の環境も把握しなければなりません。たまにトラック協会の車両がパトロールに来るようです。
トラック内での仮眠に必要なグッズと選ぶポイント
ベッド、マット
仮眠スペースに合ったサイズは、トラック購入時のオプションで選ぶことが出来ます。マットは布団と枕がセットになったものが人気です。ですが中古で購入した場合、買取価格が高くなるため古いマットが含まれていることもありますが、へたりや汚れもあり結局は前のドライバーさんの使い古しなので新品のマットを調達するドライバーさんも多くいます。
ネットショップでは自分の好みに合わせて固め、低反発、厚みのあるものと種類がありますが、腰痛の予防に固めのマットレスを選択するドライバーさんが多いようです。マットレスの中には蓄熱式のものがあります。エンジンを止めると冬場は車内が冷えるので、東北や北海道のドライバーさんはマットレスが温まっていないと命の危険があります。特に北海道では-30度を超える厳しい寒さの地域があります。
布団、電気毛布
敷布団や掛け布団は純正の物でも十分ですが、しっかり体全体を保温するならシングルサイズにするなどサイズアップするのがおすすめです。電気毛布は東北や北海道地区で使用します。寒くて寝つきが悪くても、電気毛布が温かいとすぐに眠れる効果があります。ただあまり寒いからと、温度を上げ過ぎると脱水を起こすので気を付けましょう。
枕
低反発や、そばがらなど好みが分かれます。低反発は自分の頭の重さで、適度に沈み込んでくれるフィット感が特徴です。心地いいですが、夏場は密着性が高く蒸れてしまうのがデメリットです。汗をたくさんかく人は、パイプ枕やそばがらなど吸水性、速乾性の高い素材の枕が快眠アイテムとして有効です。
遮光カーテン
プリーツ式のカーテンが人気です。黒やベージュなどの無地の方が飽きが来ないので、使用頻度が高めです。キャブのフロントガラスのサイズに合ったものを選びましょう。黒いカーテンでも遮光でないものは、光が漏れて入ってきます。キャブの後ろに窓がある場合はこちらにも同じ素材のカーテンをお忘れなく。
エアコン、扇風機
休息中はエンジンを切った状態になります。夏場は停車する場所によって、直射日光にさらされますので就寝中、熱中症にならないために車内用のエアコンか扇風機を用意しましょう。特に夏場は、熱くてつい冷たいビールを飲みたくなりますが実は、アルコールは脱水症状を引き起こします。さらに、起きてからどのくらいアルコールが抜けたかチェッカーが無いのでわからない状態です。休息時間だからと飲酒をするのは止めましょう。
トラック内での仮眠に便利なグッズと選ぶポイント
断熱フィルム
車内に熱がこもるのを防ぎ、エアコンの効率を良くする環境を保持するために断熱フィルムは効果的です。フィルムには色の濃さで断熱効果が高くなるものがあります。もちろんプライバシー保護にも役立ちますが、視界に影響が出るほどの物は好ましくありません。適切な数値の物を選んで、貼りましょう。特に後ろのガラスには、ドライバーさんの好みでウロコ状の物やミラーフィルムを貼る方もいます。車内温度を一定に保つのも省燃費に一役買います。
耳栓
休息中でも、冷蔵・冷凍車はエバポレーターを使用するのでエンジンがかかっている状態です。走行用のエンジンは止めても、冷蔵、冷凍庫用のために2台目のエンジンを切るわけにはいきません。外部電源を利用した場合は別です。そんな中、しっかり寝たいなら原始的ですが耳栓が有効です。振動までは抑えきれませんが、アイマスクと耳栓をセットで利用するとかなり効果的です。
車載冷蔵庫
以外にコンビニなどに停まって飲み物を買うことが出来ない場合があります。そんな時に便利なのが、車内用の冷蔵・冷凍庫です。経済的にも、コンビニや自販機でちょこちょこ買うと結構な出費になりますよね。毎日となるとちりつもで馬鹿になりません。SDGs(エスディージーズ)の観点から見ても、ドラッグストアやスーパーでプライベートブランドの物を購入するのもおすすめです。
LEDランプ
意外と便利なのがUSBポートのついたLEDランプです。LEDは省エネですが、寿命が長くバッチリ明るさも確保してくれます。目に有害な紫外線を含んでいないので目に優しく、虫が寄ってこない効果もあります。スポットライト式で取り付け部分がクリップになったものは、どこにでも取り付けが可能です。移動するのも簡単です。またフレキシブルタイプは、照明が当たる場所の角度調節が可能です。マグネット式バーライトは固定しなくても、車体に手軽にくっつけることが出来ます。他にも貼り付ける場所に合わせて長さの調節ができて曲げられるテープタイプ、センサー付きの物や明るさの調節が手元で可能なリモコン付きもあるので、車内の広さや用途に合わせて選びましょう。
DC/DCコンバーター
トラックのドライバーさんにはおなじみかもしれませんが、俗に言うデコデコです。DCDCコンバーターの事でトラックのバッテリーは24Vですが、それを使い勝手のいい12Vに変換する機械です。これがあると、車内でPCやテレビ、冷蔵庫や電気毛布などのあらゆる便利な電化製品が使用できます。ですが購入する際にA(アンペア数)も確認しなければなりません。いっぺんにあれもこれもスイッチを入れると電力不足になり、使用できないケースがあります。これでは元も子もありませんね。内部の配線に設置するタイプも人気ですが、配線工事のいらないシガーソケットタイプがあります。いくつかUSBポートがついていると、周辺機器の接続が容易なのでこちらもおすすめです。
快眠できる食事
疲れて寝つきが気になるなら、ヤクルト1000が裏ワザ快眠ドリンクとして人気です。スッと眠れてスッキリ目覚められると話題です。また快眠には普段の食事のバランスも大切です。揚げ物やお肉などの脂分の多い食べ物は、消化に時間がかかり胃腸に負担がかかることになります。野菜を取る場合はレタスが快眠のお手伝いをしてくれます。ナイトミルクと言って、寝る前にコップ一杯の牛乳もおすすめです。
トラックドライバーの仮眠の必要性
ここまで仮眠(休息時間として)のあれこれをご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。仮眠はドライバーさんの健康を守るためにも、安全に働いてもらうためにもきっちり法律で定められた時間なのです。
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そんな仮眠ですが、マットを変えても枕を変えても、車内環境が気になってきたときや仮眠スペースの広さがもう少し欲しい、コンセントがあればなどトラックの設備やオプションが古くなって来たら、買い替えのタイミングかもしれません。そこでおすすめなのはトラック王国のトラック買取サービスです。買い替えをお考えの際は、是非ご検討ください!
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