エンジンオイル漏れの原因と対策は? 添加剤の効果・修理費用・車検事情まで
公開 : 2017/02/21更新 : 2021/06/04
みなさん、こんにちは! トラック王国の展示場スタッフ、全国 展子(ぜんこく てんこ)と申します!
今回は、エンジンオイル漏れについて!「オイル漏れの原因や症状って?」「添加剤(漏れ止め剤)の効果は? 修理費用はいくら?」といった疑問にお答えします!さらに、車検対策などの見逃せない情報も☆ 今、エンジンオイルがにじんでいて不安な方、オイルが漏れて困っている方、必見です!
目次
【関連記事】エンジンオーバーホール費用(価格)や工賃はいくら?
エンジンオイル漏れの症状は?[外部漏れ・内部漏れ]
エンジンオイルとは、エンジン内部の潤滑や冷却を担うオイルです。
エンジン内部にある数々の機械によって生じる摩擦や熱を抑え、回転運動で発生する燃えカスなどの不純物も最適に分散させる役割を持っています。
しかし、エンジンオイルも経年劣化が進むと、だんだん本来の性能を発揮できないほど品質が劣化していきます…。
古いエンジンオイルは、真っ黒に汚れて劣化しているのがわかりますね。
こうなると、エンジンが不調になるばかりではありません。
内部に使っているバルブシールというゴムが傷み、ドス黒いエンジンオイルがポタポタ漏れる危険な事態が発生してしまうのです!
オイル漏れには外部漏れ・内部漏れの2種類があり、それぞれ症状や対策は異なりますが、どちらもすぐに改善すべき緊急事態と捉えてください!!
- ■エンジンオイル漏れは2種類!どちらも危険!!
- ・外部漏れ
- ・内部漏れ
※それぞれの違いについては、このあとの解説をチェック!
エンジンオイル漏れは法律違反!
エンジンオイルの漏れを放置していると、エンジンが焼き付いて走行できなくなることもあります。
さらに、公道にポタポタ漏らすことがあれば、道路交通法違反で即逮捕!!
-
ココからは、外部漏れや内部漏れの症状、応急処置、修理費用、車検対策などについて解説しますよ!
エンジンオイルの外部漏れ
外部漏れは、駐車したとき車両の下に水たまりのようにオイルが漏れる症状のこと。
その原因は、ほとんどがオイル下がりです。
- ■オイル下がりとは?
- 燃焼室にオイルが落ちてしまう現象が「オイル下がり」。オイル下がりはヘッドカバーパッキン(またはヘッドカバーガスケット)という、ゴム部分の劣化によって起こります。
この状態を放置すると、オイルの減少からエンジン内部の潤滑が出来なくなり、燃焼室にダメージを与えてエンジンの焼き付きまで起こるようになります!
- ■外部漏れの原因
- ・オイル下がり→エンジンオイルやヘッドカバーパッキンの劣化
この現象は、火災のリスクも発生させてしまいます!
エンジンオイルの引火点は230度前後なので、その温度以上の高温マフラーなどに、もし付着してしまったら、一気に火が上がってしまいますよ!!
車体の状態はよくチェックし、オイル漏れのサインを見逃さないようにしましょう☆
- ■外部漏れの症状
- ・黒いオイルが水たまりのように、車両の下に漏れる
- ・オイルに火が付いて、エンジンが焼き付く
エンジンオイルの外部漏れ放置は、基本的に法律違反。
ちなみにエンジンオイルの漏れは、下の動画のように中古トラックの査定時にもチェックされています!
-
にじんでる程度でも問題ですが、少しでも漏れていたら車検も不合格ですよ!
エンジンオイルの内部漏れ
エンジンオイルの内部漏れは、オイル上がりやオイル下がりが原因。
- ■オイル上がりとは?
- エンジン内部のシリンダーとリングの間から、オイルパン内のオイルが燃焼室に上がることを「オイル上がり」といいます! ピストンリングの摩耗や、シリンダーに傷が付くことから発生する現象です。
- ■オイル下がりとは?
- 既出ですが、おさらいの意味も込めて再記述します☆ 燃焼室にオイルが落ちてしまう現象が「オイル下がり」。オイル下がりはバルブシールという、ゴム部分の劣化によって起こります。
つまり、何らかの部品が劣化することでオイルが上がったり下がったりしてしまい、内部漏れにいたるワケなのですね。
■内部漏れの原因
- ・オイル上がりの場合
- ピストンリングの摩耗、シリンダーの傷み
- ・オイル下がりの場合
- エンジンオイルやバルブシールというゴムの劣化
この内部漏れは年式の古いトラックやバスで起こりやすいです。
低年式車両を利用していて「オイルの減りが異常に早い!」と思ったら、注意した方が良いでしょう。
-
状態が悪化すると、マフラーから白煙が発生するようになります!
内部漏れは、気付きにくい場合もあるので定期的にメンテナンスして、エンジン周りの健康状態をチェックしましょうね!
エンジンオイル漏れ緊急対策![添加剤(漏れ止め剤)]
エンジンオイルが漏れていると、車検には通りません。 では、添加剤で応急処置をすれば車検に通るのでしょうか?
添加剤とは、漏れている部分を一時的に固められる漏れ止め剤のこと。
エンジンオイル漏れは、しかるべき修理をした場合10万円程度の修理費用が必要です。
一方で、添加剤であれば数千円~2万円で症状を抑えることが可能ではあります。 (※品質によって値段に幅アリ)
添加剤はカー用品店で気軽に買えますが、車検時は検査官も問題ナシとして扱ってくれるのでしょうか?
実は!オイル漏れの症状が抑えられ、保安基準上問題がなければ、車検も合格します!
しかし、残念ながら添加剤は軽度のオイル漏れにしか効かず、オイルが滴っているような状態を回復させることはできません…。
しかも、粗悪な添加剤を使うとエンジンの機能を低下させてしまうというリスクつき!
使う場合は、少々お高めでも評価の高い添加剤を選んだほうが安心ですよ。
- ■添加剤(漏れ止め剤)とは
- ・軽度のオイル漏れを抑えられる
- ・数千円〜2万円で購入可能
- ・お高めでも高評価の商品を買ったほうが安心
添加剤は、効果が現れるまでに一定の期間が必要なので、車検の2週間前には使用しておきましょう◎!
エンジンオイル漏れの修理費用は?[工賃について]
さて! 添加剤は一時しのぎに過ぎません。
『トラック王国ジャーナル』としては、オイル漏れは整備工場で修理することをオススメします。
そこで、修理費用についてバッチリ調査したので、お伝えしたいと思いますっ★
修理費用が10万円程度かかると先述しましたが、実は車種や故障のレベルによって天と地ほど金額差が生じることもあります。
一例として、エンジンオイルのボルトが緩んでいる程度なら千円ほどの工費。 ワッシャーの交換などが加わっても2千円程度で済みます。
しかし、シリンダーブロックやシリンダーヘッドの歪みによってオイル漏れが発生している場合は、エンジンの組み直しが必要に!
修理費用は20万円〜100万円程度までハネ上がります!エンジンの組み直し、オーバーホール費用についてはコチラの記事をチェック!
【関連記事】エンジンオーバーホールにかかる費用は?
そうなると、お得な中古車両を購入した方が安くなるのは間違いありません。
ちなみに、整備工場ではなくディーラーへ依頼する場合、修理費用はさらに高くなると言われています。
なぜなら、クレームにならないようパーツの多くを丸ごと交換する傾向があるからなんですよ★
- ■エンジンオイル漏れの修理費用
- ・車種や故障の具合によって変動する
- ・数千円で済む場合が多いけど、エンジン組み直しの場合は約20万円から100万円
- ・ディーラーでの修理は、整備工場よりお高めになりやすい…
-
次の項目では、オイル漏れの原因について詳しく解説します!
エンジンオイル漏れの原因は何?[経年劣化・液化]
では、エンジンオイルが漏れる原因とは、何でしょうか? 外部漏れ・内部漏れ、それぞれに様々な原因はあるのですが、共通して最も多い原因はバルブシールの劣化です。
バルブシールはエンジンの内部をつなぐためにあり、ゴム状のシールパッキンを覆うことでオイル漏れも塞ぐようにつくられています。
しかし、古くなると、ゴムは硬くなり伸縮性がなくなるので、オイルを支えていた部分に隙間ができ、そこからオイルが漏れだしてしまうというワケです。
これがエンジンオイル漏れの1番多い原因!!
しかし、交換を行えばオイル漏れはほぼ完全に無くなるので、早めに対応すれば大丈夫です★
次に、ピストンとシリンダーの隙間から発生するブローバイガスが、冷えて液化し染みることもオイル漏れにつながっています。 こちらはオイルキャッチタンクの取り付けで予防できるので、検討してみても良いと思いますよ!(値段は16,000円ほど)
エンジンオイル漏れの原因と対処法
- 原因1:バルブシール(シールパッキン)の経年劣化
- 対処法:点検をマメに行い、バルブシール(シールパッキン)が古くなってきたら早めに交換する!
- 原因2:ブローバイガスの液化
- 対処法:漏れたオイルをキャッチできる、オイルキャッチタンクを整備工場で取り付けてもらう。
ちなみに、車両を長期間停車するようなときも、エンジンルーム下部にオイル染みができることがあるそうです。 久しぶりに乗るときは、乗車前の点検を徹底してくださいね!
【関連記事】エンジンルームの掃除・洗浄方法・費用
-
原因っていっぱいあるトラー!
エンジンオイル漏れの車検対策[民間車検・ユーザー車検]
さて、エンジンオイルが漏れていたら車検は不合格になるとお話しましたが、車検には以下の2種類があります!
- ・民間車検(ディーラー車検含む)
- ・ユーザー車検
-
それぞれの特徴と検査の厳しさ、合否のラインを解説しましょう!
民間車検(ディーラー車検を含む)
民間車検とは、整備工場やディーラーの工場で受ける車検のこと。
(ディーラーで受ける場合は、ディーラー車検と呼ぶこともあります)
オイルが少しでも漏れていたら不合格になるため、オイル漏れが見つかり次第、その工場で修理になります。
運輸支局(陸運局)からの監査が厳しいので、各工場の自社規制も強化されており、合否判定もシビアになっているんですよ!
要修理となれば、車検費用のほかに修理費用も加わることは覚悟しておかなきゃいけません☆
- ■民間車検の場合
- ・オイル漏れはもちろん、にじみも不合格! 即、修理対象となる
- ・合否判定がシビアになっている
- ・車検費用のほかに、修理費用も見込んでおくと◎
エンジン深部まで大幅修理すると10万円以上、組み直しになると100万円近くになることもあります。
となると、オイル漏れにつながりそうな不安要素があるときは、車検前に格安の整備工場で修理しておいたほうが安心ですね。
ユーザー車検
ユーザー車検とは、自分で運輸支局(陸運局)へ車両を持ち込んで受ける車検のこと。
さて、こちらは、どの程度のエンジンオイル漏れまで許容範囲なのかというと…。
ぶっちゃけ、検査官の前でオイルが漏れなければOK!
ただし、検査中にオイルが一滴でも落ちれば不合格です。
つまり、にじむ程度であれば合格扱いとなるんですね。 (ただし、にじみは厳密にいえば漏れている状態なのでオススメはしません。悪化する前に、すぐに修理しましょう★)
また、印象UPのために、車両の下回りはキレイにして挑むと良いですよ。
- ■ユーザー車検の場合
- ・オイル漏れは問答無用に不合格!
- ・ジワッとにじむぐらいなら、ギリギリ合格!
- ・車両の下回りをキレイにして挑むとグッド◎!
なので、エンジンオイルがにじんで不安な方は添加剤の利用で、一時的に漏れを予防するのもアリとはいえるでしょう◎。
添加剤でも漏れ出す場合は、漏れている部分に固形石鹸を塗り込む方法や、リークストップと呼ばれるスプレーが有効。
耐熱性液体パッキンを使い、漏れている部分をコーキング(穴を塞ぐこと)する方法も漏れ止めの効果があります。
ただし、どれも一時的な応急処置に過ぎません!
エンジンオイルに違和感があれば、すぐに整備工場で修理してもらうことが1番のオススメです。
エンジンオイル漏れのまとめ
-
エンジンオイルの漏れについて、理解していただけたでしょうか?
-
漏れの程度によって、修理費用なども違ってくるんじゃな。
-
症状が見つかったら、早めに見てもらった方が良いでしょうね。
-
姫もオイル漏れについて理解が深まったじゃろ?
-
オイル漏れはいけないけど、料理に使う油はたっぷりにして欲しいトラー!
-
オリーブオイルとは違いますよ…
この記事が気に入ったら
いいね!しよう
最新情報をお届けします