トラック(貨物自動車)の最大積載量とは?10t・トレーラー・ダンプの場合や減トン方法も!
公開 : 2016/11/22更新 : 2017/12/25
今回はトラックの最大積載量について!「各トラックの最大積載量は?」「最大積載量の計算方法とは」などといった疑問にお答えします!さらに、最大積載量の変更方法などもご紹介。これさえ読めば、最大積載量についての知識はバッチリ!
目次
トラックの最大積載量[計算法・車両総重量との違い]
トラックに荷物を積む場合は「どれくらいの重さまで大丈夫なの?」と気になることもあるのでは?
トラックに積むことができる荷重は、各車両ごとに定められている車両総重量と、車両の重量によって出されます!
荷物を積むことができる最大量が「最大積載量」と呼ばれていて、この量を上回った積載量であると違反となってしまいます!
また、最大積載量は以下のような基準があり、この基準を守ることによって道路を壊すことなく安全に通行できるのです。
- ■最大積載量の基準
- 軸重は10トンまで
- 輪荷重は5トンまで
- かじ取り車輪荷重割合は空車及び積載状態で20%以上
最大積載量の計算法
車両の最大積載量は、以下の式を用いれば計算できます!
- 最大積載量の計算方法
- 最大積載量=車両総重量-車両重量-(乗車定員×55kg)
この計算方法を10トントラックで応用すると、車両総重量(20t)-車両重量(10t)=最大積載量(10t)のようになります。
一般的に10トントラックは車両総重量が20トン、シャーシが10トン、積載量が10トンまでOKということになっています。
つまり10トントラックとは設計上、シャーシが荷物を10トンまで耐えられるということを指しているのです。
また、荷台にクレーンなどのパーツを後から設置すると、積載量も減っていきます。
車両総重量とのちがい
トラックが走行する道路や橋などは、使用目的による基準があり、この基準によって設計・管理が行われます。
この基準が守られることによって、人やトラックが道路を安全に走行することが出来ています。
もしもトラックの重量がこの基準からオーバーした場合は、道路や橋にダメージが生じてしまうのです…。
また、トラックを含む車両の重量に関しては、最大積載量と車両総重量で以下のような違いがあります。
- ■最大積載量と車両総重量の違い
- 最大積載量→荷物を積める最大の重さ
- 車両総重量→車両重量に乗車定員や最大積載量を加えた重さ
車両総重量は、下記の式で計算できます!
- 車両総重量の計算方法
- 車両総重量=車両重量+(乗車定員×55kg)+最大積載量
車両重量とは、荷物や人が乗っていない時の重さになるので、この重さが分からないと車両総重量を計算することが出来ませんよ!
-
次の項目からは、トラックの形状別に最大積載量を確認したいと思います!
小型トラック(2トン・3トン車)の最大積載量目安[平ボディ・ダンプの最大積載量]
ここでの小型トラックとは、車両総重量2トンから3トンの車両について取り上げますが、一般的には小型トラックは4トントラックも含まれています。
2トントラックや3トントラックの場合は、普通免許で運転が可能ですが、4トントラックは中型免許が無いと運転できませんよ!
【関連記事】普通免許で運転できるトラックは?
【関連記事】中型免許8t限定を解除したい方
そんな2トントラックや3トントラックなどの最大積載量は、およそ2トン未満!
また、トラックによっては同じ車種でも平ボディからバンなど様々な形状があり、サイズも異なっています。
免許によっては乗れない車両も出てくるので、車両総重量や最大積載量は乗車前に確認しておきましょう!
-
トラックに乗れなくなったら、大変じゃな。
小型平ボディ(カーゴ)の最大積載量
トラックの大きさは道路運送車両法と道路交通法で定められていて、小型トラックの平ボディも対象。
最大積載量は2トンから3トン以下という条件が付加されます。
道路運送車両法では、小型トラックは小型自動車と同等のサイズで定められているのですよ。
トラックメーカーなどは、最大積載量4トンまでを小型トラックとして扱うこともありますが、これは免許制度の改定前まで4トントラックが運転できたことが由来★
免許制度の改定以降は、改定後の普通免許で運転できるサイズのトラックに力が入れられ、最大積載量3トン以下かつ、小型トラックの枠を超えたサイズが増えています。
小型ダンプの最大積載量
小型ダンプは、積載量2トンから3トン程度と定義される車両です!
ダンプという名称は、荷台を傾けて積んでいる荷を降ろすこと、英単語のdump(ドサっと降ろす)が由来となっています。
このダンプによって土砂や産業廃棄物が運搬されているので、見かける事も多いかと思います!
また、ダンプは小型タイプから大型タイプまで分類され、それぞれ積載量も異なっています。
小型ダンプは価格も安く、場所を選ばず使い易いことから需要も高く、各トラックメーカーから販売されています。
各メーカーから発売されている小型ダンプは、微妙に大きさも異なっているので、用途に応じた大きさであるか事前に確認しておいた方が良いでしょう!
小型バンの最大積載量
小型のバントラックは、最大積載量が普通免許に対応する3トン未満か、旧普通免許や中型限定免許に対応する5トン未満に分類されます。
需要も高いことから、各トラックメーカーから車両が発売されていますね。
そもそも小型トラックは、あらゆるタイプに架装できるよう、ラダーフレームと言われるシャーシが用いられることが多くなっています。
このラダーフレームを備えていれば、平ボディやアルミバンなど用途に応じた架装ができます。 エンジンはディーゼルエンジン、燃料は軽油が採用され、20万から30万キロ程度の長距離運転でも耐える事が可能!
さらに、トラックの運転に慣れていない人でも運転できるようにと、トランスミッションがオートマに設定されていることも。このため小型バンは、使い勝手の良さから幅広い業種で活用されているのです!
中型トラック(4トン車)の最大積載量目安[平ボディやダンプの最大積載量]
中型トラックは、別名4トントラックという名称で呼ばれることもあり、最大積載量は4トン程度までとなっています。
この4トン程度という量は目安であり、4トン近くまで荷物を積めることを指していて、4トンまで荷物を積める訳ではないのでご注意を!
これは、車体にクレーンやテールゲートなどが架装されると積載量も減ってしまったり、車両総重量を8トン未満に設定していることなどが関連しています。
2007年に改正された道交法から、中型自動車は車両総重量11トンまでと変更されたので、現在は4トン以上の積載が可能なトラックもあります。
中型平ボディ(カーゴ)の最大積載量
中型トラックの平ボディタイプも、最大積載量は4トン程度となっています。
また、2007年の道交法改正以前に普通免許を取得していれば、8トン限定免許になるので、車両総重量8トン未満、最大積載量5トンまでの車両が運転できます。
上記のような条件の車両がかつては4トン車と呼ばれていて、最大積載量は4.9トンとなるため、8トン限定免許でも運転することが可能です。
中型ダンプの最大積載量
中型タイプのダンプトラックは、4トンダンプとも呼ばれています。
この名称も他の中型トラックと同じく、最大積載量が4トン程度であることから付けられているのです!
なので、実際の最大積載量は2トンであったり3トンの場合もあり、曖昧になっています。
中型ダンプは使い勝手の良さから、道路工事や土木工事など様々な場面で活用されているので、多くのトラックメーカーから発売されています。
しかし、どのダンプも少しずつサイズが異なっているため、サイズを覚えていないと通れなくなる所も…!
そんなことを避けるためにも、おおよそのサイズは覚えておいた方が良いでしょう。
ちなみに、通行制限がある道路や、通行許可が必要な道路についての詳細は、国土交通省の特殊車両通行許可制度ページから確認できますよ。
増トントラック(6トン・8トン車)の最大積載量目安[平ボディやバンなどの目安]
増トントラックとは、中型トラックの積載量を増加させたトラックを指します。
中型トラック自体は最大積載量4トン程度ですが、シャフトなどを強化することによって、積載量が6.5トンや8トンまで増えています!!
近年は大型トラックを購入するより、安価に購入できる増トントラックを選ぶ人も多く、トラックメーカーが標準的に扱っていることも。
また、増トントラックは最大積載量により大型車の扱いとなるので、大型免許が無いと運転できませんよ!
増トン平ボディ(カーゴ)の最大積載量
増トン平ボディ(カーゴ)の最大積載量は、元が4トン車だと6.5トンに、6トン車は8トンなどに変わります。
この増トントラックは、4トンの平ボディでは効率が悪いけど、大型トラックなどは必要がない時などに採用され、大型トラックよりも維持費が安いことも特徴です。
トラックのサイズは大きくなれば購入費や維持費も高くなるので、費用を抑えながらも荷物の量を増やしたい時にピッタリ!
増トントラックの運転には大型免許が必要ですが、大型トラックの2/3程度で購入ができるのが魅力的。
上手く活用できれば、稼働率とコストのバランスをはかりながら、荷物を運ぶことができるのでは!?★
増トン中型ダンプの最大積載量
増トンダンプは、大型ダンプでは価格的に購入が難しい場合などに買われ、最大積載量は7.5トン前後となっています。
増トンダンプを各メーカーの車両ごとに比較すると、最大積載量は7.5トン前後が多いのですが、荷台容量が1立方メートル程度違うこともあります。
このように車両ごとに寸法や荷台の大きさは変わってくるので、用途に応じた車両を選ぶ必要があります。
ちなみに、増トンダンプを普通免許や中型免許で運転してしまうと、違反点数12点が加わるのでご注意ください!
増トン中型バンの最大積載量
増トンの中型バンは、小型トラックなどと同様に、中型トラックの範囲で車両総重量を増加させれば、最大積載量も増やせられます。
最大積載量は、車両総重量を元に車両自体の重量と乗員1名分の重量(55kg)を減らして計算します。
また、形状では平ボディが最大積載量の基準となり、バンタイプやウイングタイプ、アオリの深いダンプなどは架装によって車重が重くなるので、最大積載量が減ってしまいます。
このため架装を行うメーカーは、アルミ製のパーツを使って軽量化を行ない、最大積載量に響かないように工夫しています。
ちなみにウイングバンなどの動く部分が多い車両は、架装を行うと最大積載量がより少なくなるので気をつけましょう。
-
最近は増トントラックも活用されることが多いトラー!
大型トラック(10トン車)の最大積載量目安[ダンプやトレーラーの目安]
大型トラックとは、車両総重量は11トン以上、最大積載量は6.5トン以上と定められています。
この条件だけ見ると「上限はないの?」と感じる方もいるかも知れませんが、道路運送車両法によって走行が可能なサイズが定められているのです。
以下のようなサイズは、道路運送車両法では普通自動車として扱われ、大型トラックもこの普通自動車の範囲にあたるのです。
- ■道路運送車両法の普通自動車
- 長さ4.7メートル以上
- 幅1.7メートル以上
- 高さ2メートル以上
また、道路運送車両法での普通自動車の最大サイズは以下のようになっています。
- ■道路運送車両法の普通自動車最大サイズ
- 長さ12メートル以下
セミトレーラーは16.5メートル以下
フルトレーラーは18メートル以下 - 幅2.5メートル以下
- 高さ3.8メートル以下(道路管理者指定道路は4.1メートル以下)
さらに、車両総重量は以下のようになっていて、この車両総重量から車両重量と乗車定員(55キロと想定)を引いた重さが最大積載量となります!
- ■道路運送車両法の車両総重量
- 普通自動車20トン以下(道路管理者指定道路は25トン以下)
- トレーラー 一般道路27トン以下、高速道路36トン以下
大型ダンプの最大積載量
大型ダンプは、最大積載量が10トン近く。
10トン車の範疇(ハンチュウ)に当てはめられるトラックです。
ダンプの荷台は鉄板が備えられていますが、そのまま使うとすぐにへこんでしまうことがあるので、荷台の周りに鉄板の溶接を施し、強化することも。
また、車体側面に自動で動くシートやイルミネーションを備えている場合は、車重として扱われるのでご注意を。
大型ダンプの車両総重量は20トン程度になり、この20トンから車重を引くと最大積載量が計算されますよ★
このため、20トンを超える車両以外は、9トン程度が実際の最大積載量となるのです!
【関連記事】ダンプトラック・10tダンプの最大積載量について!
大型トレーラーの最大積載量
大型のトレーラーは、特殊な車両として位置付けられていて、国土交通省の許可を取って走らないといけない場合もあります。
トレーラーが積載できる重量は、単体物許可やバラ積み緩和などの条件によって変わり、総重量は28トンまでとなっています。この総重量から最大積載量を考えると、最大積載量は20トン前後!
バラ積み緩和とは、木材や鉄鋼などの複数個の積荷を運ぶ時に、台車の軸を増やすことで1つの軸への重量を減らせるので、車両総重量36トンまで変更可能です。
この際は、最大積載量も28トン程度まで変更できるので、多くのトレーラーで採用されています。
また、単体物許可は積荷を分割して運ぶことが出来ない場合に許可が降りて、トレーラーの基準となる軸重を超えても運転が可能になっています!
大型バンの最大積載量
大型トラックのバンタイプは、最大積載量から積載に必要な装置などの重さを引くと、実際に荷台に積むことができる重さが算出できます。
例えば、最大積載量が10トンの場合、パネル部分やパワーゲートの重さ2トンを引いた8トンが、実際に積載が出来る重さになるのです。
また、車検証には実際の積載量に影響する装置などが含まれていないことが多くなっています!
これは、新車時に装置を備えている場合は重量税に影響してしまうので、後から付け加えられるためです。
ユニックの最大積載量[最大積載量の計算方法など]
ユニックとは、主にトラックにクレーンを架装した車両のことを指しています。
小型トラックから大型トラックまで活用され、建築資材などの重量のある積荷を荷台に積むことが可能です!
公道を走行する場合は、普通免許から大型免許を、クレーンを操作するにはクレーンの特別教育や運転士免許、玉掛けなどの資格が必要です。
ユニックはキャビンと荷台の間にクレーンが架装されているので、最大積載量はトラックの最大積載量からクレーンの重量を引いて計算しないといけません!
例えば、4トン車の場合だとクレーンの重量はおよそ1トン程度になるので、最大積載量は3トン程度に減ってしまいますからご注意を!
【関連記事】ユニック車の最大積載量をさらに詳しく!
-
次の項目では、最大積載量を減らす場合について解説します!
最大積載量の変更・減らし方[減トンの方法など]
トラックの最大積載量を増やす方法として増トンがありますが、コレとは逆に減トンという積載量を減らす方法もあります。
「積載量を減らしたら、荷物をあまり積めなくなるじゃん!」と思われる方もいるかと思いますが、この減トンにもメリットがあるのです!
トラックにかかる自動車税は、最大積載量によって決められているため、最大積載量が軽くなると税金の金額も安くなります!
また、自賠責保険は2トンごとに料金が変わるので、いかにして2トン減らすか考えないといけません。
-
この減トンの手法として! 前輪やフロント部分に重いパーツをつけることで重量を増やし、最大積載量を減らす方法があります。
トラックのタイヤ1つには輪荷重5トンという定めがあるため、この重さを超えてしまったら最大積載量を減らしてバランスを取らないといけないのです。
軸と輪荷重について[車軸や軸重について]
トラックの軸とは車軸のことであり、駆動輪というエンジンの力を伝える車輪(タイヤ)とともに記載されることがあります。
例えば4×2の場合は、全輪数4輪と駆動輪2輪で成り立つトラックということです。
トラックは軸数と駆動輪が積荷の配置や数によって決められていて、車両総重量や最大積載量も異なってきます。
これは軸重という、車輪ひとつひとつにかかる重さが影響していて、トラックは10トンと道路運送車両法によって定められています。
また、輪荷重というタイヤひとつひとつにかかる重さもあり、こちらは5トンまでとなります。
では、もしも軸重10トンをオーバーしてしまうと、どうなってしまうのでしょうか?
高速道路の料金所などには軸重計という測りがあり、重量が怪しいトラックを測定します。
もしも1ヶ月間に20トンオーバーが2回以上確認されると、警告書が出されます。
この後、改善されなかった場合は会社の名前や事業所の情報などが国に公表され、場合によっては家宅捜索や検挙などが行われる場合も…。
取引会社から信頼されなくなってしまうので、軸重の確認はマメに行ないましょう!
最大積載量のまとめ
-
今回はトラックの最大積載量について触れましたが、ご理解頂けたでしょうか?
-
トラックの大きさや種類で、最大積載量は異なるんじゃな。
-
なので、用途に応じて使い分けがされているんですよ。
-
姫もトラックの荷台にいっぱい積みたいトラー!
-
おお、何をトラックに積むんじゃ?
-
ケーキを積みきれないほど積みたいトラー!
-
(食べ物の過積載ですか…)
この記事が気に入ったら
いいね!しよう
最新情報をお届けします